ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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増援要請
メカポリス 人間収容所行きゲート
翌朝。
工場で生産された食料を積んだトラックが列を組んでメカポリスから出発した。
最後尾のトラックにはジャイアンとスネ夫が中に積み込まれているケース型ロボットの中に紛れ、ゼロとアイリスは車体の下に身を潜めて、検問所を出ると同時に運転席へと乗り込んだ。
「ナ、ナンダ!?貴様ラ!?」
「おっと、悪いが大人しくしてもらうぞ。」
ゼロはセイバーを展開してロボットの首元へと向ける。
「ヒッ!」
「俺たちに協力するなら攻撃しない。大人しく目的地まで案内してもらおうか?」
「ヌ、ヌウ・・・・・・・ワカッタ。」
運転ロボットはやむを得ずゼロの要求を呑む。車は市街地を抜け、メカポリスからだいぶ離れた人間たちを収容するための施設・・・・・いわゆる刑務所へと進んで行った。
人間収容所
「・・・・・・・」
一方、ここはサピオの両親であるガリオン夫妻が捕らえられた部屋。そこへ複数のぎこちない足音が近づいてくるのが聞こえてきた。
「さあ、ここがお前たちの入る部屋だ。」
部屋の前には頭部にU字磁石を付けたようなロボットが仲間と思われるロボットたちと共に何かを連れていた。夫妻は何事かと近づこうとすると部屋のドアが開き、頭部が蛇の被り物を被ったようなロボットがブリキン島で捕らえたブリキンとピエロを部屋へと入れてきた。
「ぶ、ブリキン!?ブリキンじゃないか!?」
「だ、旦那様・・・・奥様!!」
「お二人ともよくぞ御無事で!!」
久々に見た夫妻の無事な姿を見てブリキンとピエロは少し嬉しそうだった。
「サピオは・・・・・サピオはどうしたのですか?」
「申し訳ございません、奥様。サピオ様は・・・・・・・・」
「おい!止まって話をするんじゃねえ!後がつっかえてんだ!」
蛇のようなロボット・・・・・・スネークマンに怒られて、ブリキンたちは部屋の奥へと行く。すると今度はずっしりとした体型のロボットが何やら巨大なものを運んできた。
「修理して手駒にするのもいいんだがドクターも忙しいんでな。時間が空いたら拾ってやるからそれまでここに入ってろ!」
「うっ!」
それはブリキン島でクイックマンに敗れたビートブード達だった。続いて気を失ったホーネックとマンドリラーが入れられる。
「すまねえな、侯爵夫妻様。入れようにも他に場所がなくてよ。狭くなるが少しの間でいいから置いとかせてくれ。」
そう言うとハードマンは、三人をその場に下ろして部屋から出て行く。
「朝食は、後で持ってきてやる。何もしねえで飯が食えるんだから逃げようとか考えるんじゃねえぞ。」
そう言うとスネークマンたちは部屋から離れて行った。ガリオン侯爵は呆然と傷ついているビートブード達を見る。
「ブリキン、このロボットたちは・・・・・・・・」
「彼らは我々を救うべく来てくださった地球という星の戦士たちの仲間です。ホテルの外で軍隊と果敢に戦ってくださったのですが・・・・・・我々が無力なばかりに・・・・・・」
「他の方も街へ潜入したり、ラビリンスへ・・・・・」
「・・・・っとなるとサピオはまだ捕まっていないという事か。」
「しかし、旦那様。ホテルは破壊され、地下迷宮への電力供給が絶たれてしまっております。私は心配で心配で・・・・・・」
ブリキンとピエロは今までのことを話すが未だに地下迷宮にいると思われるサピオのことが気がかりだった。
「ダ・・・・・・大丈夫です・・・・・・」
「「!?」」
そこへ傷口を押さえながらビートブードがゆっくりと体を起こして言う。
「君は?」
「俺は、グラビティー・ビートブードと言います。サピオ君にはエックス隊長とマーティ副隊長たちが付いているのできっと大丈夫です。」
「ビートブード様、お体の方は?」
「ひどい傷だ・・・・でも、急所は外れている。どういう事かはわからないけど。」
傷口を見るとひどいように斬られているが致命傷にはなっていなかった。しかし、放置しておくと動くのに支障をきたす。
「こんな時にケイン氏かドラえもんさんがいてくれれば修理できるんだけどな・・・・・・」
「・・・・・・・傷口を診せてもらえないか?」
「えっ?」
ガリオン侯爵は、ビートブードの傷を診る。
「・・・・・何とか応急処置ぐらいの手当ならできそうだ。ピエロ、あれはまだ隠してあるか?」
「はい!この通り!」
ピエロは自分の腹部を開ける。そこには一通りの修理道具が内蔵されていた。
「あら・・・・・・」
「万一のことを考えて体に忍ばせておいたんだ。修理工場ほどではないがこれ以上悪くならない程度にはやらせてもらうよ。後ろに倒れている二人も。」
「す、すみません・・・・・・」
「サピオと共に態々遠い星から来てくれたんだ。このくらいはしなくては。」
侯爵は、看守に怪しまれない程度にひっそりと3人の修理を始めた。
三人が捕らえられているとは知らず、ゼロたち四人を乗せたトラックが収容所に止まった。
トラックの前には看守ロボットと番犬型ロボットが待っていた。
「よし、いつも通りにふるまって相手の警戒を緩くさせるんだ。」
「ウ、ワ、ワカッタ・・・・・」
運転手ロボットは、トラックから降り看守ロボットの前へと行く。
「ニ、人間ノ餌ダ。一応確認ヲシテオイテクレ。」
「ソノ必要ハナカロウ、毎日ゴ苦労ナコトダ。」
ゼロにプレッシャーをかけられた運転手ロボットに対して看守ロボットはいつもと変わらず陽気に接してきた。
「・・・・・・・ソウダナ。コイツモイツモ面倒ダロウカラ今日グライ、ソコマデシナクテモイイカ(シナケレバアノ二人ニ殺サレテシマウ)。」
「ハッハッハッ、ソウダロウ?丁度最近仕事ガ同ジデイライラシテイタカラナ。今日ハ、向コウデ寝テテイイゾ。」
『ガウガウ!』
看守ロボットに言われると番犬ロボットはいつものエネルギー補給場へと走って行く。
「全ク、エネルギーノ補給ガ待チ遠シイカネ?スグニ向コウヘ行クトハ。」
「ソレガ唯一ノ楽シミダカラナ。・・・・・荷下ロシ、始メ。」
運転手ロボットが合図するとトラックの荷台が開き、食料を入れたケースロボットたちが次々と指定された場所へと向かって行く。その中にジャイアンとスネ夫が紛れて進んで行く。
「無駄ナンダヨナ・・・・・役ニモ立タナイ人間共ニ餌ヲヤルナンテ。」
看守ロボットは面倒くさそうな仕草で言う。
「ア、アァ・・・・・・・全クメンドクサイ。デモ、モウスグ処分ガ決マル。」
(処分って何のことだ?)
(さ、さぁ?)
運転手ロボットの言葉が気になるもののジャイアンたちは中へと忍び込もうとする。
ところがジャイアンが看守ロボットの隣を通り過ぎようとすると何かが飛んできた。
「!?」
その何かはジャイアンの着込んでいるケースロボットの外装に突き刺さり、ジャイアンは思わず後ろ向きに転んだ。突然の出来事に看守ロボットと運転手ロボットは動揺する。
「ナ、ナンダ!?」
「お主たちの目は節穴か?」
看守ロボットの影から何やら浴衣を着たロボットがスッと出てきた。
「シャ、シャドー様!?」
「運転手、お主・・・・・人間の子供を施設に侵入させるとはいったいどういう事だ?」
「ニ、人間!?ナ、何ノコトヤラ・・・・・・・」
「おいおい、シャドーを相手に誤魔化せると思ってんのか?」
そこへ二人全く同じ姿をしたロボットが並んで歩いてきた。
「ジェミニ様マデ・・・・・・・」
(や、やばい!)
(逃げろ!)
ジャイアンとスネ夫は咄嗟に別れて逃げ出す。
「逃がさないヨ~~~~~~~~ン!!」
何か高速に回転するものが猛スピードでジャイアンを追い抜き、吹き飛ばした。
「うおっ!?」
ジャイアンはケース部分の外装を吹き飛ばされながらも立ち上がる。回転していたものはジャイアンの目の前で回転を弱め、その全貌を公にする。
「お前~~~~~~~はここから~~~~~逃げられな~~~~~~~い!!」
「た、タップマン!?」
「ちっ、タップの野郎。俺の出番取りやがって。」
「無駄な殺生は止せ。今は動く時ではないからな・・・・・・小僧、お主、どうやってここまで乗り込んできた?知らぬとは言わせんぞ。」
シャドーマンは、ジャイアンへと近づいていく。
(まずい!剛田たちがやられる!)
3人と騒ぎを聞いて駆け付けた看守たちに包囲され、ジャイアンは絶体絶命のピンチへと追いやられていた。
「アイリス、俺が合図したと同時にバスターを奴らに向かって撃て。俺がその隙に剛田を回収する。」
「えぇ!」
アイリスは車体の下に身を屈めて、右腕をバスターに変形させ、チャージを開始する。
「さあ、さっさとここまで来た経緯を吐いちまいな。どうせ他に仲間もいるんだろ?」
「くぅう!だ、誰が言うかよ!」
ジェミニマンに脅されてもジャイアンは何も言おうとしない。そのジェミニマンに向かってアイリスは、チャージショットを発射する。
「なっ!?」
「敵か!?」
「今だ!」
動揺しているシャドーマンたちを見てゼロはエアダッシュしてジャイアンの傍に着地する。
「ぬっ!?お主は!?」
「アースクラッシュ!!」
ゼロは地面に拳を叩き付け、シャドーマンたちを吹き飛ばす。
「くっ!?」
「わあ~~~~~!?」
「うおっ!?」
ジェミニマンとタップマンは吹き飛ばされるがシャドーマンは離脱しようとするゼロに向かってシャドーブレードを投げる。
「グッ!?」
「ゼロ!」
胸部にシャドーブレードが刺さったゼロを見てアイリスは、トラックの下から出ながら叫ぶ。
「ゼロだとっ!?」
アイリスの言葉にシャドーマンは驚きの表情をする。
「みんな~!!」
ゼロたちに気を取られている隙にスネ夫は、空っぽになったトラックを動かして倒れたタップマンとジェミニマン、看守ロボットたちを跳ね飛ばしてゼロたちを乗せる。
「スネ夫、やったな!」
「ジャイアン、運転代わってよ!僕、まだバイクの免許しかとっていないからトラックの運転には慣れていないんだ!」
「なんの、こんなのオートマでも運転できるぜ!」
運転を代わり、ジャイアンはトラックで他の警備ロボットたちを跳ね飛ばして収容所から脱出した。
「いててて・・・・・・あのガキども・・・・・今度会ったらただじゃ置かねえ・・・・・」
ジェミニマンは轢かれた箇所を押さえながら立ち上がる。対するシャドーマンは無言のまま走り去ったトラックの後ろ影を見ていた。
「・・・・・・あれがゼロ・・・・・・・昨日、酔っていたセカンドナンバーズが変なことを言っていたと思っていたが・・・・・」
地球 新ハンターベース
地球に戻ってきたケインは気を失ったサピオをしずかと玉美に任せた後、急いで新ハンターベースへと向かった。
ハンターベースの方では数日前からエックスたちが消息を絶ったことで騒ぎになっていたらしく、ハンターベースの中に入るなり、全員驚きの表情をしていた。そんな周囲の反応に目もくれず、ケインはシグナスの元へと行き、事の次第を伝えていた。
「・・・・・・・つまり、博士はエックスたちと共にそのチャモチャ星という天体に行っていたと?」
シグナスは椅子に座りながら両手を組んで言う。
「信じられんようじゃがこれは事実じゃ。現に儂の屋敷にそのサピオ君を連れて来ておる。それに時期になればエックスたちも屋敷の方へ戻ってくるはずじゃ。」
近くではそれぞれの持ち場の報告に来ていたエイリアとメカニックチームの責任者であるダグラスも聞いていた。
「他の星の助けで向かったって・・・・・・流石に話がぶっ飛びすぎて信じられないぜ。」
「私の方もエックスたちの反応が宇宙まで言って消えたところを調べなかったらあまりにも唐突過ぎて頭が混乱するところだったわ・・・・・・フォースアーマーに取り付けていた発信機も途中で途絶えていたし。」
「なるほど。それで博士たちは、こちらへ戻ってきたと。」
困惑する二人に対してシグナスは冷静に答えた。
「しかし、ケイン博士。わかっているとは思いますが現在イレギュラーハンターはレプリフォース大戦による、被害地の復興作業などでこちらで出せる人員が限られています。イーグリード率いる第7空挺部隊を呼び戻すにも時間がかかりますし、レプリフォース側に応援を要請したとしても果たして・・・・・。」
「分かっておる。集められるだけ集めてくれ。こうしておる間にもエックスたちがどうしているのやら心配だしのう・・・・・・」
会話をしている中、一般ハンターがノックをしてシグナスの部屋に来た。
「失礼します。」
「何事だ?」
「ケイン氏にお会いしたいという子がおいでです。」
「儂に?」
「えぇ。急ぎの用なのですぐに来てほしいと。部屋の前で待たせています。お忙しいのならば理由をつけて帰しますが・・・・・・」
「いや、構わない。通せ。」
「分かりました。」
シグナスに言われると一般ハンターは、客人を部屋へ通す。
何やら息を荒くした玉美が何かを持ってきていた。
「玉美ちゃん?」
「おじいちゃん、これ!」
玉美は、ケインにあるものを渡す。
「・・・・・・パンツ?」
「違う!ドラえもんのポケット!!」
「ポケット・・・・おぉ!ドラえもんのスペアポケットか!?」
「ケイン博士?」
「シグナス、応援の件はさっき話した通りに頼む。儂は一回家に帰る。」
「えっ?一体どちらへ?」
「決まっておる。チャモチャ星じゃよ!!」
ケインは玉美と共に部屋から去って行く。
「「「・・・・・・・・・・」」」
現場には三人が呆然と見ていたがシグナスはすぐに冷静に戻り、呆然として状況が呑み込み切れていないエイリアとダグラスの方を見る。
「エイリア、レプリフォース側に事情を伝えて各地に行った部隊を呼び戻してくれ。」
「・・・・え、えっ?わ、分かったわ。」
「俺も自分の部署に戻ろうかね・・・・・・大仕事になりそうだしな。」
ケイン宅
ケインは、自宅に戻るなりポケットを前に集まる。
「エックスの話によるとこのポケットの四次元空間はドラえもんのポケットに繋がっておると聞いたことがある。つまり、この中を潜って行けばドラえもんのところへ行けるというわけじゃ。」
「サピオの方はどうするんですか?」
「サピオ君はまだ休ませた方が良いじゃろう。タップがエックスたちと合流し次第こちらに戻るように言ってあるしな。それに世話ならミニドラたちがやってくれる。」
「早く行こう!」
玉美に言われて最初にケインがポケットの中に入ろうとする。
「んん!?」
しかし腰まで入った直後ケインは何か冷たいものに触れたような気がして慌ててポケットから出る。
「うおっ!?な、なんじゃ!?」
ケインはずぶ濡れになった状態で驚く。
「もしかしてドラちゃん、水の中にいるんじゃ?」
「まずいのう・・・・・・エックスたちならともかく儂らは息が持たん。」
「・・・・そうだわ!」
しずかはケインからポケットを受け取りある道具を取り出す。
「テキオー灯!この道具から照射される光を体に浴びることで、高水圧の深海だろうと、宇宙空間だろうと、特別な装備なしでも地上と全く変わりなく活動することができて・・・・・・・」
「お姉ちゃん、早く!!」
しずかは道具の性能について説明するが玉美に急かされて中断する。三人はテキオー灯を浴びるとポケットの中へと入って行く。
チャモチャ星 海中ゴミ捨て場
「・・・・・・・・・」
尋問によって一部の機能が停止したドラえもんは海中ゴミ捨て場に捨てられ沈黙していた。そんなドラえもんのポケットの中から三人が出てくる。
「ドラえも~ん!!」
玉美は思わず喜んでドラえもんに抱き着くがドラえもんはピクリとも動かない。
「ドラえもん?ねえ、ドラえも~ん!!」
「もしかしてドラちゃん、壊れちゃったんじゃ・・・・・」
「どれ・・・・」
ケインはドラえもんを見てみる。
「・・・・・何やらすさまじい電気ショックか何かで中の機器が焼き切れてしまったかもしれん。」
「直せる?」
玉美は涙目でケインに聞く。
「うむ・・・・・外に出たら敵に襲われるかもしれんからのう・・・・・・うん?」
ケインはドラえもんのポケットをいじろうとすると中から何かが出てきた。
「ドラララ!」
「「「ミニドラ!?」」」
ケイン宅にいた赤いミニドラだ。どうやら気になってついて来てしまったらしい。
「ドララ!」
「全くこんな時に・・・・・ん?待てよ・・・・そうじゃ!」
ケインは何かを思いだしたかのようにポケットからスモールライトを取り出す。
「確かエックスもミディを助けた時に同じ方法を取っていたはずじゃ。」
ケインはミニドラを小指サイズにまで小さくしてドラえもんの鼻の中から入れる。
「修理を頼むぞ。」
「ドラララ。」
「ドラえも~ん・・・・・」
玉美はやっと会えたのに動けないドラえもんに対して泣きかける。
「ふむ・・・・・マイマインの姿がない。近くにいるかもしれん。修理はミニドラに任せて儂らはマイマインを探すぞい。玉美ちゃんはここで待っておるんじゃぞ。」
「うん。」
ケインとしずかは近くにマイマインも倒れていないかどうかを調べ始める。
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