おぢばにおかえり
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第五十九話 先輩と神戸でその十六
「お土産買っていくわ」
「わかりました、じゃあ私も」
二人でこうお話してそれぞれお買いものをしました、その後で二人で食べに行こうというお話をしましたが。
先輩はお店を見回しながら私に尋ねてきました。
「ちっちここ何度か来てるのよね」
「はい、子供の頃から」
「じゃあどのお店がいいか知ってるわよね」
「少しは」
本当に少しです、何度かここに来ていますがリピーターかというとそこまではいかないですし高校時代はおぢばにいましたし。
「それ位です」
「じゃあその中でね」
「これはっていうお店をですか」
「ええ、案内してくれるかしら」
「それなら」
私は中学時代にお父さんお母さんと行ったお店に入りました、そのお店は中華街では普通の感じのお店です。
そこに入って私は先輩に言いました。
「ここは広東系なんです」
「広東料理なのね」
「そのお店で」
「広東っていうと」
「海の幸が有名ですよね」
「そうだったのね」
「はい、あとです」
私は先輩と二人用の席に向かい合って座ってお話しました。
「点心ですね」
「そよね、じゃあそういうの注文して」
「食べますか?」
「注文はちっちに任せるわ」
先輩はにこりと笑って答えてくれました。
「好きなの注文してね」
「お金は」
「ご飯代あるわよね」
先輩はにこりと笑って答えてくれました。
「一人二千円位は。私あるけれど」
「はい、私も」
そう言われるとです、私もです。
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