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レーヴァティン

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第百六十二話 普通の難しさその二

「その段階だ」
「じっくりとやな」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「今は内政に専念しているということだ」
「そういうことやな」
「それでだが」
 英雄は耕平に問うた。
「東の方はこちらにはか」
「来る気配ないわ」
 耕平は鱚の天婦羅を食べつつ答えた。
「ほんまに」
「そうか」
「尾張も美濃もな」
「そして加賀もか」
「お互いに争ってて」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「こちらにはか」
「来んわ」
「そうか、国境を固めたが」
「こっちには来んわ」
「それは何よりだ、だがな」
 攻めては来ないがとだ、英雄は話した。
「国境の守りはな」
「続けるな」
「それは怠らない」
 全く、というのだ。
「これからもな」
「兵を置いてやな」
「城や砦をもうけてな」
 そこに兵達を入れているのだ。
「そうして関所もだ」
「置いておくんやな」
「領内は関所を廃しているが」
 人の行き来を楽にしてそれにより商業の発展を進めているのだ。
「しかしだ」
「国境はな」
「関を置いてだ」
 そしてというのだ。
「怪しいものは一応な」
「警戒するな」
「だが入れておく」
 これまで話した通りにというのだ。
「そうする」
「そうでありますな、そして」
 峰夫も言ってきた。
「我々の領内の繁栄を見せて」
「力をな」
 繁栄即ちそれをというのだ。
「そしてだ」
「戦っても勝てないと思わせる」
「そうしていく」
 まさにというのだ。
「これからはな」
「そうするでありますな」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「関所は置くが」
「他国の密偵は入れるでありますな」
「そうする、だが関所で賊はな」
 そうした者達はというと。
「入れない様にする、むしろ関所で捕らえてだ」
「そうしてでありますな」
「処刑する」
「そして難の芽を摘む」
「賊は最初からだ」
 まさにその時点でというのだ。
「領内に入れぬ」
「それが肝心でありますな」
「殺しや盗みを働いて他の国に逃げる」
 そうした者はというのだ。 
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