曇天に哭く修羅
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第三部
主義主張 3
前書き
_〆(。。)
紫闇が[禍孔雀]を発動。
右の拳を黄金に輝かせる。
時が凍結した中で止まっている瞬崩目掛けて叩き込もうと腕を振った。
だが残り数センチで命中というところで急に瞬崩の体から炎が噴出。
紫闇の視界から190センチ近い身長で筋骨隆々な瞬崩が消え失せる。
紫闇の背中に痛みが走った。
浮遊感が襲う。
(何……だ? もしかして……吹っ飛ばされたのか……? 俺は……?)
地面に落ちた紫闇は直ぐに転がると、その勢いで立ち上がった。
瞬崩は左胸を中心にして左肩・右脇腹・左大腿から炎を出し燃えている。
「フェアじゃないな。ぼくは立華の力をかなり把握してるけど立華はぼくが槍使いで炎を使うこと以外、殆ど知らないだろう?」
瞬崩は不利になるとしても自分の情報を曝して対等な条件で戦いたいのだ。
でないと完全な勝利だと言って堂々と胸を張れないだろうから。
「自分の命を燃やす。それを代償としてぼくの力、二つ目の異能【魔晄神氣/セカンドブレイク】の《反逆者の灼炎/レッド・リベリオン》は行使される」
その効果は対象よりも一段階、強く・速く、動作できるというもの。
弱点は制限時間。
命を使うのだから当然だ。
「使えるのは24時間で8分だけ。それ以上に命を燃やしたらぼくは死ぬ。まあ今のままだと立華の方が先に斃れそうだけど」
瞬崩が『後の先』を取る為に取る[待ち]の構え【山】から構えを変えた。
「侵掠すること火の如く」
腰を落とした低重心。
前のめりに紫闇の方を向く。
口元は牙を向くように笑む。
(こ、れは……!)
先程まで後手をとって動いていたことが嘘のように猛攻を仕掛ける瞬崩。
反逆者の灼炎によって【珀刹怖凍】の時間凍結を超え、紫闇に打つ手を取らせなかった。
紫闇に見切ることを許さない。
蒼穹色の槍が軌跡を描く度に、刺突・斬撃・打撃が紫闇に刻まれ痕を残す。
全てが命中する。
その違和感ともたらされる異常な結果に紫闇は不可解さを隠せない。
(速さが有る。けどそれだけじゃない。俺に当てるというより攻撃を置くような……)
「躱せないのが不思議か立華。反逆者の灼炎は兎も角として、ぼくが持つ【魔晄外装/ファーストブレイク】は炎を操るだけじゃない。熱エネルギーの操作と支配、そして熱の概念へも干渉できる」
どうやら異能の応用らしい。
「体温の感知、か?」
「そうだ。人間は何か行動をする時に体温が僅かに変化する。ぼくはそれを感じることで相手の未来位置に攻撃を放つ」
RPGのゲームで必ずエンカウントするモンスターのように思えるかもしれない。
「ぼくは《レックス・ディヴァイザー》よりスピードもパワーも先読みも上だからね。今日は勝たせてもらうよ立華ぁぁぁ」
後書き
_〆(。。)
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