ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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スプリット・マシュラーム
バイオラボラトリー
ゼロたちがジャングルに行っている頃、エックスたち17部隊は、稼働を再開したバイオラボラトリーに到着していた。本部の情報通り、破棄されたことで機能停止していたはずのラボはどういうわけか動いており、防衛用に配備されていたと思われるメカニロイドたちの妨害で17部隊は進めずにいた。
「くそ!一体どういう事なんだ?破棄されたラボにこれだけの戦力が潜伏しているなんて!」
エックスは部下たちの援護をしながらバスターを撃つ。隣ではマーティ、前線ではマンドリラーが拳でメカニロイドを粉砕する。
「これもレプリフォースに関係あるのかしら?」
「さあな。でも、このラボに何かあるのは確かなようだ。」
取り敢えず近くにいたメカニロイドをある程度破壊するとエックスたちは奥へと進んで行く。するとそこには転送装置が配置されていた。
「エックス隊長、ここに転送装置が。」
「・・・・・・罠の可能性があるな・・・・・よし、ビートブードは各隊員とともに別ルートの探索を。俺とマーティそれと・・・・・・・マンドリラーは転送装置に乗り込む。」
「えっ!?マンドリラーもですか?」
エックスの指名にビートブード含める隊員たちは目を丸くする。
「マンドリラーは元々こういう環境下でのモデルの猿のように柔軟に動けるように設計されているからな。それにこのラボで大勢で一斉に行動するのは危険だ。」
「し、しかし隊長自らが危険な橋を渡らなくとも・・・・・それに副隊長も・・・・」
隊員たちは心配そうに言うがエックスは、態度を変えず転送装置の前に行く。
「もし、行き止まりにあったら最初のポイントに戻っていてくれ。もしなんかあったら救難信号を送る。」
「りょ、了解しました。」
隊員たちは転送装置に乗る三人を見送るとビートブードの指示で別ルートの探索を開始した。
転送装置によって別ポイントへと飛ばされた三人は崩れる足場、昇降機のトラップを破壊しながら目的地へと着々に近づいていた。
「三人で来て正解だったな・・・・・全員で来ていたら怪我人が出るどころじゃすまなかった。」
「本当ね、あの棘を出すメカニロイドなんか・・・」
「俺は疲れちゃったよ~。」
マンドリラーがため息をつく中、昇降機は停止し、目的地へと到着したようだった。三人は最上階へとよじ登る。
すると三人の目の前に何かが着地してきた。
見る限り外見はキノコ型レプリロイドであり、三人をジロジロ見ていた。
「うわあぁ~!!思っていたよりもたくさん来たな~!・・・・・・えっと、誰がエックスだったかな~?」
キノコ型レプリロイド スプリット・マシュラームは、困った顔で三人を見る。
「え、エックスは俺だけど・・・・・・・」
「あっ!そうなんだ!エックスが来たら遊んでやれって言われているんだ!!人数少し多いけどいいね!」
「遊んでやれ?一体誰に言われたのよ?」
「おばさんに教えないよぉ~だっ!!」
「なっ!?何ですって~!!!」
「ヒーローごっこしよ!おばさんたちが悪者・・・・・・グベッ!?」
マシュラームが最後まで言い切る前にマーティの怒りの鉄拳が頭に直撃する。
「誰がおばさんよ!!アタシはおばさんじゃないわよ!!!」
「うわあぁ~んん!!!痛いよぉ~!!」
マシュラームは頭を押さえて転がり回る。その光景を見てエックスとマンドリラーは思わず絶句した。
「ま、マーティ。いくら何でもいきなり殴るのは・・・・・・・」
「だって、コイツ。アタシのことをおばさんって言ったのよ!!」
「だ、だからって・・・・・・・」
「う、うぅ・・・・・・エックスまでアタシのことおばさんと思っていたの?」
「そ、そんなわけないじゃないか!」
「だって・・・・・・・・」
「ZZZZZZZZ・・・・・・・」
涙目になるマーティに対してエックスは慌てる。そんな二人を他所にマンドリラーは居眠りを始める。
「う、う~!!僕はヒーローなんだぞ!正義の味方なんだぞ!!いきなり不意打ちをするなんて許さないんだぞ!!」
マシュラームは頭を押さえて起き上がる。
「もう、悪い奴はコテンパンにしないと!行け!ソウルボディ!!」
「「!?」」
エックスとマーティは、無数に分身したマシュラームの姿を見てギョッとする。
「こ、これは・・・・・分身!?」
「僕の必殺技『ソウルボディ』!!でも、それだけじゃないんだ!この分身はみんな実態を持っていて僕と同じ能力を持っているんだ!!」
「嘘でしょ?」
「正義の力を受けてみろ~!!全員突撃!!」
「「「「「「「「「「わあぁああああ~!!!!!」」」」」」」」」」
分身したマシュラームたちが一斉にエックスたちに襲い掛かる。エックスとマーティは、お互い背中を合わせて身構える。
「マーティは後ろを頼む!」
「OK!」
2人は、マシュラーム軍団に射撃を始める。
「うわっ!?」
「やられたっ!?」
「うわぁ~ん!」
2人の攻撃で次々と分身たちは消えていくがそれでも増え続けて二人を抑え込む。
「無駄だよ~!!こんなにいる僕たちを相手におばさんたちは勝てないよ・・・・・」
「誰がおばさんよ!!」
マシュラームの言葉にマーティは再び怒り、分身を一斉に槍で薙ぎ払う。
「昇龍拳!!」
エックスも攻撃を終えた直後の彼女を抱きかかえて数体の分身を昇龍拳で吹き飛ばす。しかし、それでもマシュラーム軍団は二人を捕らえて床に叩きつけた。
「グッ!」
エックスは、マーティを守ろうと彼女の盾になってマシュラームたちの攻撃に耐える。
「エックス!」
「どうだ!正義の力を思い知ったか!」
「ZZZZZZZ・・・・・・・」
「ん?」
エックスとマーティに集中攻撃していたマシュラームだったが分身たちが束になってかかっても起きもしないマンドリラーを見る。
「グウ・・・・・・・・グウ・・・・・・・」
「なんなんだ!?あのゴリラ怪人はっ!?あんなに束でかかっているのに全然倒れていないじゃないか!」
マシュラームは更に分身を作り出してマンドリラーに差し向ける。
「行け~!!あのゴリラ怪人をやっつけろ~!!」
「「「「「わあぁああ~!!!!」」」」」
分身たちは更に群がってマンドリラーに攻撃を加える。
「う~~~~~~ん~~~~~~うるさいな~~~~~~」
しかし、エックスたちとは違ってマンドリラーは痛がるどころか欠伸をしているだけだった。
「喰らえ~!!」
「てりゃ!!」
「おりゃあ!!」
「もう・・・・・・・邪魔だからあっちに行ってよ・・・・・・」
マンドリラーは、分身たちを振り払おうがそれでも分身たちはまた群がってくる。
「・・・・・・あんまり、邪魔すると怒るよ?」
いつもは大人しいマンドリラーが珍しく不機嫌そうな顔をする。
「正義の鉄槌を受けてみろ~!!」
「「「「わああああ~!!!」」」」
「・・・・・しょうがないな・・・・・・」
マンドリラーは、迫ってくる分身たちに目掛けて拳を持ち上げる。
「無駄だよ~!!いくら力が強そうでも僕たちを相手に・・・・・」
「フン!!」
マシュラームの言葉を言い終わらないうちにマンドリラーは拳を地面に打ち付ける。その場にいた分身が消えると同時にマンドリラーの拳から電流が流れ、床全体へと放電していく。
「うわああぁああ!?」
「きゃああぁあああ!?」
「あっ!?やっちまった・・・・(汗)」
エックスとマーティまで攻撃を受けてしまい、マンドリラーはしまったという顔をするが一番痺れていたのはマシュラームだった。
「アビビビビビビビビビビビビィビビビビィイイイイイイイイイ!!!」
床全体に流れた電流は分身どころか本体にまで感電し、分身たちが一斉に消えてしまった。
「あら?」
気がつくと自分たちに群がっていた分身はいなくなり、残ったのは黒焦げになったマシュラーム本体だけだった。
「・・・・・・ゲフッ・・・・・・ゴリラはゴリラでも・・・・・・電気ゴリラだったんだ・・・・・・・・ガクッ。」
眠気のせいで出力を間違えたのかマシュラームはヨロヨロとふらついて倒れた。
「負けちゃった・・・・・・・この世は・・悪が・・・・・・・・」
マシュラームはそのまま気を失う。マンドリラーは、彼に近づいて突いてみるが起き上がる様子はない。
「・・・・・・・・焼きキノコになっちゃったよぉ・・・・・・」
「ま、マンドリラー・・・・・・」
「ん?」
マンドリラーが後ろを振り向くとそこにはエックスたちがいた。しかし、感電したダメージなのか二人とも真っ黒になり、頭がアフロヘアーになっていた。
「エックス隊長~!マーティ副隊長~!」
「えっと・・・・・・助かったのはいいんだけど・・・・・・」
「・・・・・・今度からはもう少し手加減してちょうだい・・・・・・・」
そう言うと二人揃って口から煙を吐いて倒れた。
「あり?二人とも倒れちゃったよ・・・・・・・・参ったな・・・・・」
「エックス隊長!マーティ副隊長!無事ですか・・・・・ってうわあああ!?」
そこへやっとのことで現場に辿り着いたビートブードたちが現場の惨状を見て驚愕する。
「こ、これは一体どういう事なんだ!?」
「あっ、ビートブード。丁度よかった。」
「マンドリラー・・・・・」
「実はエックス隊長を助けようとして・・・・・」
理由を言おうとしたマンドリラーの顔を見てビートブードは何があったのか察する。
「・・・・・マンドリラー・・・・・・お前、居眠りしてただろ?」
「んん!?何で気づいちゃったのかな?」
「・・・・・口の周りに涎がついている。多分、エックス隊長たちごとエレクトリックスパークを仕掛けただろう?」
「うん。」
マンドリラーはあっさりと白状する。
「・・・・・・みんな、エックス隊長とマーティ副隊長。そして、イレギュラーを回収して撤退だ。」
「「「「は、はい・・・・・」」」」
ビートブードの気持ちを察したのか隊員たちはエックスたちを抱えて転送装置で離脱する。
「マンドリラー。お前、後で反省書提出しろよ。」
「えっ~!?」
「当たり前だ。事情があったとはいえ、危うくエックス隊長たちごと破壊するところだったんだぞ。」
「そんな~!?」
マンドリラーはショックを受けながらもハンターベースへと帰投した。
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