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ヘタリア大帝国

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TURN45 サフラン=ヴェーダその三

「その頃には太平洋経済圏は確立されているけれどね」
「ドクツがソビエト、アフリカを併合するまでには」
「そうなったらエイリスも終焉を迎えているわね」
 ハンナはこうなることも指摘した。ドクツがソビエトを倒した場合は。
「アフリカ共々ね」
「だったら何とかしないと駄目でしょ」
 キャロルがそのハンナにすぐに言った。
「ドクツがとんでもない存在になるわよ」
「安心して。ソビエトとの戦いは例え短期で終わってもね」
 ドクツが勝った場合のことをだ。ハンナは話していく。
「ドクツはソビエトのあの広大な全領土の統治にあたらないといけないから」
「少なくともその地盤固めをしないと駄目なのね」
「そう。それに時間を割かなくてはいけないから」
「アフリカ侵攻は先なのね」
「さっきも言ったけれどその頃には太平洋経済圏が確立されているわ」
「インドも含めた?」
「ええ。私達や中帝国。東南アジアにオセアニア諸国に」
 そうした地域が次々と挙げられていく。
「降した日本もね」
「じゃあアフリカの解放できる部分は解放して?」
「独立してもらってね」
 そのうえでだというのだ。
「ドクツにアフリカは全ては手渡さないわ」
「成程。そうするのね」
「その場合も日本には働いてもらうわ」
 ソビエトが残っている場合と同じくだというのだ。
「先鋒としてね」
「何か日本って便利な存在ね」
「今は敵だけれどね」 
 将来は有り難い駒になるというのだ。ガメリカにとって。
「だからこそね」
「わかったわ。まずはね」
「ええ。日本にはインド洋全域も解放してもらって」
「ハワイに来たその時に」
「叩くわ」
 返り討ちにする、そうするというのだ。
 ハンナはそのことを言ってからあらためてアメリカを見て言った。
「祖国さん、もう少ししたらね」
「戦いだな」
「ええ。これまで我慢していた分暴れ回っていいから」
「よし、じゃあやるぞ」
「ハワイにはダグラス提督と朽木提督がいるから」
「二人と一緒に頑張るぞ」
 アメリカはここでも明るい声と顔で話す。
「そして太平洋経済圏の確立だ」
「頼むよ、祖国氏」
 ルースは議長席からアメリカに話した。
「このワシントンから応援しているよ」
「ははは、プレジデントも見ていてくれよ」   
 アメリカもルースに返す。
「僕が日本をやっつけてやるからな」
「うむ、是非共ね」
「ところで」
 ここでドロシーがあることを話した。そのこととは。
「中南米だけれど」
「?メキシコやブラジルだね」
「そう。キューバもそうだけれど」
 挙げるのはそうした国々だった。
「相変わらずみたいね」
「あれだね。埴輪が牛耳り続けてるんだね」
 アメリカ妹はやれやれといった顔でストローでコーラを飲みながら話した。
「ケツアル=ハニーとかいうのが」
「そう。訳がわからない連中が」
「あそこもどうしたものかね」
「放置しておくのはよくないわね」
 ハンナはそう見ていた。
「正直なところね」
「じゃあ軍を送るかい?」
「そうしたいけれどまだできないわね」
 ハンナは難しい顔でアメリカ妹に答えた。
「まずは日本よ」
「あそこを倒さないと話がはじまらないんだね」
「そう。それからよ」
 ガメリカにしてもまずは日本だった。この国を何とかしなければその国家戦略が動きはじめないのだった。
 
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