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ドリトル先生の競馬

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第十一幕その五

「では」
「それではですね」
「お代わりもありますので」
 こう先生に言うのでした。
「遠慮なくお飲み下さい」
「それでは」
 先生も笑顔で応えて飲みます、そうしながら観戦しているとです。
 ホフマン君の番になりました、そこで先生は言いました。
「いよいよだよ」
「そうだね」
「彼の番が来たね」
「いい馬に乗ってるね」
「いい具合に引き締まってきて」
「凄く速く走れそうだね」
「うん、いい感じだよ」
 まさにと言う先生でした。
「僕が見た通りだよ」
「夏は太っていて」
「少し速度が落ちていたけれど」
「それがだよね」
「いい具合に運動してきて」
「脂肪が落ちてね」
「走るのに向いた筋肉がついて」
 それでというのです。
「走られる様になったね」
「そうだよね」
「先生の言った通りに」
「秋になったらそうなったね」
「うん、夏に太っていると」
 それならというのです。
「夏バテしていない、よく食べているって証拠だから」
「それじゃあね」
「秋にはよくなる」
「運動していったら脂肪も落ちて」
「それでいいんだ」
「そうだよ、夏は馬も熱中症になるから」
 このことがあってというのです。
「乗馬部も運動を控えていたけれど」
「今の季節はね」
「秋はね」
「涼しくなって思いきり運動するし」
「それじゃあね」
「脂肪が落ちて」
「いい筋肉がついていくね」
 今ホフマン君が乗っている馬の様にです。
「夏と同じ様に食べて」
「お水も飲んで」
「夏以上に運動するから」
「だからいいね」
「今度の競技も」
「絶対にね」
 まさにと言う先生でした。
「彼も練習してきたし」
「それじゃあだよね」
「今回のことは」
「安心して見ていられるね」
「そうなんだね」
「そう出来るよ」 
 実際にと言うのでした、先生も。
 そうして彼の競技を観ますと。
 もの凄い速さです、他の馬を寄せ付けません。馬だけでなく彼の乗馬の腕も見事なもので。他の馬を大きく引き離してでした。
 ゴールしました、先生はそれを観て言いました。
「よかったね」
「うん、スポーツマンシップも守ったし」
「よかったよ」
「本当にね」
「これならね」
 実際にと言う先生でした。
「何も言うことはないよ」
「先生にしても」
「そうだよね」
「一等だっただけじゃなくて」
「スポーツマンシップも万全で」
「本当によかったね」
「うん、よかったよ」
 心から言う先生でした。 
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