ヘタリア大帝国
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TURN44 インド独立その十
攻撃を受けた。ビームにミサイルを。それでまた多くの艦艇が炎に包まれ銀河の大海の中に姿を消していく。
その攻撃を受けてまたクリオネが叫び声を挙げた。
「嘘っ、また日本軍!?」
「下から来ました!」
参謀の一人が悲鳴にも似た声をあげた。
「今の我等から見て」
「そうね。艦の腹部だから」
「そこからです。攻撃を受けました!」
「だからどうしてそこに!?」
クリオネは落ち着きを取り戻したかに思えたがそれは一瞬だけだった。
「砂嵐から来るんじゃないの!?」
「どうやらまたしてやられました」
「虚を衝かれました」
東インド会社軍の参謀達がクリオネに話す。
「そうされた様です」
「残念ですが」
「くっ、何て姑息な」
クリオネは彼女から見た言葉を出した。
「上から来ると思ったらそこからなんて」
「敵が突撃してきます!」
「鉄鋼弾攻撃です!」
しかもだった。太平洋軍の攻撃はこれで終わりではなかった。
太平洋軍は下から、艦の弱点であるそこから攻撃を受けてさらに多くの艦を失ったエイリス軍にさらに突撃を仕掛けた。そうして。
至近距離から得意の鉄鋼弾攻撃を浴びせた。これで三度目だった。
「一隻一隻を確実に仕留めるのだ」
平良が己の乗艦から率いる艦隊に指示を下す。
「いいな。焦るな」
「焦らずにですね」
「そのうえで」
「照準を正確に定めて魚雷を放て」
そうしろというのだ。
「敵は混乱している。攻撃を受けることはない」
「だからですか」
「安心してですね」
「その通りだ。一隻ずつ仕留めるのだ」
これが平良の指示だった。
「わかったな」
「了解です。それでは」
「的確に」
「各艦隊照準を定めよ」
平良自身も冷静に指示を出す。
「酸素魚雷発射!」
「酸素魚雷発射!」
攻撃が復唱されそのうえでだった。魚雷が混乱を増すエイリス軍にさらに放たれる。その魚雷によってだった。
エイリス軍はさらにダメージを受けた。戦場に無残な姿を晒すのはエイリス軍ばかりだった。
その中で生き残っている者達がネルソンに次々と悲鳴に似た報告を挙げる。
「東インド会社第三艦隊全滅です!」
「正規軍の損害が五割になりました!」
「戦艦リバプール総員退艦しました!」
「第七艦隊消滅です!」
「くっ、この状況は」
「おい、太平洋軍がまた来るぞ」
一旦突き抜けた彼等が反転してまた向かって来るのを見てだ。イギリスはモニターからネルソンに話した。
「今度攻撃を受ければ」
「最早再起不能ですね」
「インドを失うどころじゃねえ」
話はそれに留まらないというのだ。
「アラビアだってな」
「失いますか」
「残念だがここでの戦闘はもうな」
イギリスは苦々しい顔でロレンスに話した。
「撤退するしかないだろ」
「ではインドを」
「もう無理だ」
勝敗は決した、だからだというのだ。
「こうなっちまったらな」
「ではここは」
「ああ、生き残ってる奴は全員アラビアまで撤退だ」
イギリスはロレンスに苦々しい顔をしながらも述べた。
「そうするしかないと思うが」
「・・・・・・わかりました」
ロレンスも苦渋に満ちた顔で答えた。だが俯いてはいなかった。
「ではこれより」
「後詰は今回は俺が引き受ける」
イギリスが自ら務めるというのだ。
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