ヘタリア大帝国
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TURN44 インド独立その九
「ここでインドを失えば東インド会社は破産よ!」
「そうですね。それは」
「このままでは」
「戦うのよ!」
これがクリオネの決断だった。
「ここはね。いいわね!」
「東インド会社を守る為に」
「その為にも」
「私達が負けてインドが独立すれば」
どうなるかは。クリオネにとって悪夢だった。それも最悪の。
「破産よ!破産してたまるものですか!」
「では我々の給与もですね」
「破産すれば」
「払うから安心しなさい!」
それはしっかりとしているクリオネだった。社員のことは考えているのだ。
だが、だった。破産すれば。
「ただ。解雇にはなるから」
「あの、それでは同じですけれど」
「仕事がなくなるんですから」
「失業したいかしら」
クリオネはこの世で最も怖い言葉を出した。
「貴方達も」
「いえ、絶対に嫌です」
「例え何があろうとも」
これが社員達の返答だった。
「失業したら困ります」
「ですからそれだけは」
「それじゃあ戦って勝つのよ!」
クリオネも必死である。会社がかかっているからこそ。
「わかったわね!」
「了解!」
「それでは!」
「インドがなくなったら祖国さんの料理しかないのよ!」
クリオネはこんなことも叫んだ。
「あんなの売ってもお店が潰れるだけよ!絶対に嫌よ!」
「おい、それはどういう意味だ!」
イギリスもすぐにクリオネにクレームをつける。
「俺の料理はそんなに酷いのかよ!」
「お店出してもお客さんが一人も来なかったんですよ!」
クリオネはイギリスにまたこのことを言う。
「あんなの売れません!」
「あんなのかよ俺の料理は!」
「その通りです!」
「ここまで言われてもこれといった反論ができねえって何でなんだよ!」
イギリスは遂に自分で自分に突っ込みを入れた。
「俺の料理はそんなに駄目か!」
「あの、祖国殿」
騒ぐイギリスにネルソンが言ってきた。
「戦闘中ですので」
「ああ、そうだったな」
「また日本軍は砂嵐の中に消えました」
今度は上のそこにだ。
「またレーダーからも視界からもです」
「隠れたんだな」
「はい、そうです」
「参ったな。二回の攻撃でかなりのダメージを受けたしな」
「損害は二割強です」
エイリス軍全体ではそうだった。
「これ以上総攻撃を受けますと」
「ああ、まずいな」
このことは間違いなかった。
「これ以上はな」
「そうです。だからこそ」
「二回はやられたがな」
イギリスはその上の砂嵐を見て言う。
「三度目はないからな」
「それでは」
「上に向けてな」
全軍の警戒をだというのだ。
「そうしようか」
「そうしましょう。早速」
イギリスとネルソンの話から行動が決まった。彼等は上の砂嵐から来るであろう太平洋軍に備えた。全軍上を向いて待ち構える。
しかしだった。その彼等の側面、丁度艦の腹になっている部分に。
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