ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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ROCKMANX2 SOULERASER
研修生アイリス
ドップラーの反乱が終結して早二週間。
イレギュラーハンター本部の復旧作業は、ほとんど完了し、ドラえもんも現在ケインの協力でタイムマシンの修理をする傍ら、エックスはマーティと共に新婚旅行に行くことになった。
ハンターベース 入口
「本当に大丈夫かい?」
ハンターベースの入り口でエックスは仲間たちを見ながら心配する。
「大丈夫ですよ、隊長は安心して副隊長と楽しんできてください。」
「シグマが抗体ウィルスで消滅した以上、おそらくこの先大きな事件は起こらないだろう。」
ビートブードたちは、心配を掛けまいと堂々と言う。
「行ってこい、エックス。久々の長い休みなんだ。マーティと一緒に楽しんで来い。」
「あら?ゼロにしては随分優しいんじゃないの?」
気を遣って言うゼロにマーティはからかう。
「からかうんじゃない。俺だって、お前たちに迷惑を掛けたくないからな。」
「ふ~ん~。じゃあ、行きましょうエックス。」
マーティはエックスの手に抱き着きながら急かす。
「うん・・・・・でも、シグマがあれで本当に死んだのかなんか不安だな。それに俺たちがいない間に事件が起こったら・・・・・・」
「のび太くん、心配するのはわかるけどここは心配せずに旅行を楽しんできなよ。」
「そうだぞ!途中で戻ってきたりしたらぶん殴るからな!」
「マーティさんも楽しんできてね。」
「お兄ちゃん、いってらっしゃ~い!」
『ワン、ワン!!』
「ドラえもん・・・・みんな・・・・・・うん。分かったよ。じゃあ、行ってくるね。」
「行ってきま~す。」
二人は、手を繋ぎながら荷物を持ってハンターベースから旅立っていった。
「・・・・・・さて、僕はケイン博士のところに戻ってタイムマシンの修理でもしてこよう。」
「じゃあ、自分たちは業務に戻るとしますか。」
「では、ゼロ隊長。先週の書類提出・・・・・って、もういない!?」
「ゼロ隊長だったら、もうパトロールに行っちゃったよ~?」
「あ~あ・・・・・・また、私が提出するのか。トホホホ・・・・・・・」
数時間後
ハンターべースの前に一台のバスが到着した。
レプリフォースからの研修生を乗せたものだ。
バスのドアが開くとそこから一人の少女型レプリロイドと複数のレプリロイドが降りて来た。
「ここがイレギュラーハンター本部・・・・・・・」
少女は、荷物を持ちながら緊張した顔で入口へと入って行った。
ハンターベースの受付では早速研修生たちの行く先が女性オペレーターの説明も含めて教えられていた。
「はい、次の研修生の方どうぞ。」
「は、はい!?」
少女は緊張しながらオペレーターの所へと行く。
「名前と照合をお願いします。」
「はい!」
少女は自分のIDカードを翳す。
「・・・・名前は『アイリス』、研修内容は『オペレーター』。研修先の部隊は・・・・・!」
データを読み通しているとオペレーターは不意に手を止めた。
「どうしましたか?」
「えっと・・・・・アイリスさんよね?貴方が志願した先、『第17精鋭部隊』になっているけど間違いないの?」
「はい。」
「・・・・・・・」
オペレーターは首を傾げる。
「困ったわね・・・・今の17部隊、エックス隊長とマーティ副隊長がいないから研修生の募集やめていたのよ。」
「えっ!?」
オペレーターの言葉を聞いてアイリスは思わず驚く。
「ごめんなさいね、取りやめのことレプリフォースの方にまだ伝達していなかったから・・・・・・」
オペレーターは謝罪しながらも代わりの研修先を調べ始める。
「・・・・・第0部隊ならまだ空いているわ。」
「0部隊・・・・ですか?」
「えぇ。でもあそこは・・・・・・・・ホーネック副隊長がしっかりしているから多分大丈夫ね。」
「!?」
オペレーターのさりげない言葉を聞いてアイリスは不安を感じた。
「取り敢えず部隊先のMAP端末渡しておくから行ってみてちょうだい。見て、無理そうだったら他の部隊に問い合わせてみるから。」
「は・・・・はい。」
ハンターベース内
「えっと・・・・・」
アイリスは、MAPを見ながら第0部隊の部屋へと向かう。
「第0部隊って・・・・確か兄さんの知り合いがいるって聞いていたけど・・・・・」
そんな会話をしているうちに部屋の前に着く。彼女は緊張しながらもドアをノックしようとする。
「・・・・・・・ゴクッ。」
『ドラララ、ドラララ~!』
『こら~!部屋で遊ぶんじゃない!!』
『『『『ドラララ~!!』』』』
「えっ!?」
部屋の中から聞こえる怒鳴り声にアイリスは手を引く。
おそらく声の主は部隊の隊長なのだろう。しかし、さっきから聞こえる怒鳴り声に思わず身震いした。
「も、もしかして・・・・・・兄さんの知り合いって・・・・・・すごい怖い人なんじゃ・・・・・・・」
彼女はそっと部屋の中を覗こうとドアをゆっくりと開く。
『白』
「・・・・・・えっ?」
そう。一目見たものは白一色だった。
そこから聞こえてくる怒鳴り声はどこから聞こえるのか却って不気味に感じ、彼女は恐怖に支配された。
「・・・・・・・」
彼女は見つからないようにとそっとドアを閉め直そうとする。
『ドララ!』
『こら!逃げるな!大人しく捕まり・・・・・・』
ドアに何かがぶつかり、彼女はドアに押されて壁に打ち付けられてしまった。
「きゃぁあ!?」
「ドラ~!?」
倒れた彼女を他所に声の主だったミニドラは一目散に逃げて行った。そのミニドラに続いて多くのミニドラが部屋から逃げて行く。
「もう、許さないからな!一人残らず捕まえてチクチ・・・・・・あっ!」
最後に出てきたホーネックは倒れているアイリスを見つけて慌てて駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか!?」
アイリスは、ホーネックの顔を恐る恐る見る。
「・・・・は、はい・・・・・・。」
「すみませんね。・・・・・ところであなたは?」
ホーネックはアイリスに手を貸しながら聞く。
「レプリフォースから研修生としてきたアイリスと言います。」
「レプリフォースの研修生・・・・・あっ!見苦しいところをお見せしました!私はイレギュラーハンター第0特殊部隊副隊長 エクスプローズ・ホーネックと言います!以降、お見知りおきを。」
「えっ?貴方が副隊長なんですか!?」
隊長室から出て来た事もあったのでてっきり彼が隊長だと思い込んでいたのだが。
「いやぁ・・・・まさかレプリフォースの研修生だったとは・・・・・・」
「あ、あの・・・・・」
「はい?」
「私・・・・・今日からこの部隊の研修生としてきたんですけど・・・・・隊長さんはどちらに・・・」
「あぁ・・・・あの馬鹿隊長ですか。隊長ならパトロールに出かけています。」
「そ、そうなんですか。じゃあ、部屋に研修生届を・・・・・・」
アイリスが部屋に入ろうとするとホーネックは慌てて制する。
「いやいやいやいやいや!?書類なら私が渡しておきますのでアイリスさんは自分の部屋に荷物を置いてきてください!研修内容については私が後で説明しますので!」
「えっ・・・・でも・・・・・」
「大丈夫大丈夫!隊長は今留守だし・・・・・・」
「おい、ホーネック。今戻ったぞ。」
そこへゼロが戻ってきた。
「あっ!ゼロ隊長!!」
「ゼロ隊長?あの人が?」
アイリスは驚きながらもゼロを見る。
「ん?お前は?」
「あっ、はい!レプリフォースから研修生としてきたアイリスと言います!」
「アイリス・・・・!カーネルの妹か?」
「兄を知っているんですか?」
「あぁ、長い付き合いだからな(まさか、本当に来るとはな・・・・・・)。」
「今日からお世話になります。至らない点も多々ありますが、これからよろしくお願いします!!」
アイリスは頭を下げて言う。
「わかった。今日は取り敢えず荷物を置いた後、ホーネックの指示に従ってくれ。」
「分かりました。・・・・・あっ、これ研修生の提出書類です。」
アイリスは書類をゼロに渡す。
「じゃあ、俺はこれから仕事があるから・・・・・・」
ゼロは部屋のドアを開けようとする。
「あっ!ゼロ隊長、ダメです!!」
「えっ?」
ドアを開けた瞬間、大量の書類が入口へと溢れ、三人を呑み込んだ。
「うわああああ!?」
「ひえええぇえ!?」
「きゃああああ!?」
0部隊隊長室周辺の廊下はたちまち書類に埋もれ、三人はやっとのことで顔を出した。
「ホーネック!お前、また俺の部屋に書類全部持ってきたな!分けて持ってこいって言っただろう!!」
「分けて持ってきましたよ!それをやらないのは、アンタでしょうが!!このくそアホ隊長!!!」
「そこまで言わなくたっていいだろうが!!」
「言いますよ!!エックス隊長はマーティ副隊長と一緒に済ませるのにこの部隊は隊長はやらないで私ひとりですよ!!人の身にもなってください!!」
堪忍袋の緒が切れたホーネックに怯えながらもアイリスは、ゼロのことを見る。
「なんだなんだ!?」
「また、ゼロ隊長が何か騒いだのか!?」
そこへ現場での悲鳴を聞いたのかビートブードと彼の手伝いをしていたジャイアンたちが現場に駆けつけて来た。
第0特殊部隊隊長室
「全く・・・・・・みんなに迷惑をかけて。恥を知ってください!!」
まだまだ書類の山がある中、ホーネックは、眉間にしわを寄せながらゼロに言う。すぐ脇では、関係ないはずのビートブードとしずか、スネ夫まで手伝っていた。
「ゼロってのび太みたいに苦手なものがあるんだね・・・・・・」
「スネ夫さん、ゼロさんに失礼よ。」
「いいんですよ、しずかさん。ホーネックの言う事は正しいんですから。」
三人はそう言いながら仕事を手伝う。ちなみにジャイアンはこういう仕事関係は苦手なため、別の仕事の手伝いに行った。
「・・・・・・あの・・・・・」
唯一部屋の隅っこに取り残されてしまったアイリスは、オロオロしながらも声を掛ける。
「ん?どうしましたアイリスさん。研修内容だったら後で私が渡しますので自分の部屋で休んでも結構ですよ。」
アイリスに対してホーネックはニッコリと言う。
「・・・・・私も手伝いましょうか?」
「えっ?いや!大丈夫ですよ!?これ、いつものことですから!」
「兄が仕事の都合で書類が溜まりっぱなしになることがあって、こういうのには慣れているんです。」
アイリスはそう言うと作業に加わる。そこには他のメンバーと違って苦い顔をすることはなく、まるでこの場に天使がいるように見えた。
(あぁ・・・・・・いい子だな。ああいう子がうちの部隊にいればいいのに・・・・・・・)
ホーネックは、密かにそんなことを思いながらも仕事に戻る。
結局、部屋を埋め尽くすほど山になっていた書類は5人の協力で夜にはどうにか終わらせることができた。
「すみません、アイリスさん。研修生であるあなたにこんな仕事をやらせてしまって。」
ホーネックはペコペコ頭を下げながらアイリスに謝罪する。
「いえ、いいんです。困ったときはお互い様なので。」
「ありがとうございます。うちの隊長は、ハンターとしての実力は本物なのですがこういう業務は面倒くさがるので。」
「では、おやすみなさい。」
「はい、では明日から改めて宜しくお願いします。」
そう言うとアイリスは指定された自分の部屋へと戻って行く。
「・・・・・ゼロ隊長って、怖い人かと思ったけど。意外に兄さんに近い人なのね。」
身近な兄に似ていて安心したのか彼女はその夜ぐっすりと眠った。
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