ヘタリア大帝国
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TURN43 インドカレーへその五
「それには今以上の戦力が必要かと」
「そうだな。けれどん」
「はい、インド軍は太平洋につきました」
「じゃあここはどうするんだよ」
「東インド会社に頼みましょう」
「あそこにか?」
「はい、東インド会社は自身で軍を持っています」
東インド会社とはインドのみならずアラビア、そしてこれまでは東南アジアやオセアニアの植民地を経営していたエイリスの国営企業である。
「その彼等の力を借りましょう」
「あそこか。ちょっとな」
ネルソンの提案にイギリスは難しい顔を見せた。そのうえで言うのだった。
「あまりな」
「気が進みませんか」
「確かに戦力にはなるがな」
「しかしですか」
「あそこもインド人が多いだろ」
「ですがエイリス寄りのインド人ですが」
「ならいいか」
イギリスはネルソンに言われ考えを少しあらためた。
「何か裏切りそうだからな」
「それはないと思いますが」
「大丈夫か」
「はい、それにです」
ネルソンは考えをあらためたイギリスにさらに言う。
「クリオネ氏は艦隊を指揮することもできます」
「それも下手な提督よりもな」
「ですから大丈夫だと思いますが」
「あの人の性格もな」
イギリスが今度問題にするのはこのことだった。
「どうもな」
「確かに。一風変わった方ですね」
「俺が言うのも何だが一風どころじゃないな」
イギリスはさらに言う。
「抜けてるところもあるだろ」
「確かに」
ネルソンもそれは否定しない。
「そうしたところもある方ですね」
「だからな。どうだろうな」
「ですがインドを失わない為に」
インドカレーでの戦いに勝ちインドが独立を宣言するまでにインドの全ての星域を奪還する為にだというのだ。
「その為には」
「東インド会社の助けが必要か」
「ですから」
「それしかないか」
イギリスもネルソンに言われ遂に折れた。
「それじゃあな」
「ではすぐにクリオネ氏をお呼びしますね」
「頼むな」
「それでは」
ネルソンは自身の執事が持って来てくれた金色の古風な電話を使って連絡を入れた。するとすぐにだった。
青緑のやや長い髪をセットにしたルビーの瞳の女が来た。耳にはピアスをしており一見と知的な印象を受ける大人の女だ。顔立ちは年相応の美貌もある。
紫の所々に金の装飾がある上着にズボン、そして白いブラウスという格好だ。背はわりかし高い。その美女が早速二人のいるネルソンの旗艦ヴィクトリーに来たのだ。
この大人の女クリオネ=ロクラインはイギリスとネルソンに一礼してから述べた。
「お久し振りです、祖国さんにネルソン提督」
「ああ、久し振りだな」
「お元気そうで何よりです」
「今回私をお呼びした理由は」
「嫌ならいいけれどな」
まずこう言うところがイギリスだった。
「この戦い東インド会社の協力を頼みたいんだがな」
「日本に勝つ為に」
「そうだよ。今の状況はわかってるよな」
「このインドカレーを失えば」
「エイリスはインドを失うんだよ」
「既にですね」
クリオネは自分の祖国の言葉に顔を曇らせて返した。
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