| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十五話 モデルVの回収

 
前書き
ゲームのモデルZXって弱いですよね。

オメガみたいに全体的にスピードアップすればかなりの強いボスになれたでしょうに。 

 
場所は採石場に戻り、アッシュとグレイはイレギュラーの残骸を道標にしながら奥へと進み、シャッターを抉じ開けると、そこにはモデルVと、近くに青い制服を着た女性が佇んでいた。

「誰!?」

アッシュとグレイは万が一のことを考えて一度変身を解いてレーザーショットとバスターショットを構える。

そしてアッシュが問い詰めると、女性はゆっくりと振り返った。

「…こんなところに女の子に男の子…?一体どうやってここまで…」

振り返った女性は四年の経過で成長したエールであった。

そして彼女の所有しているライブメタル…モデルXとモデルZが飛び出した。

「エール…気をつけて、彼女達からライブメタルの気配がする」

「…感じた事のない気配…何者だ…?」

「ライブメタルを二つも!こいつもロックマンか!」

本来なら一つしか所有していないライブメタルを二つも持つ今までにない存在にモデルAが驚く。

「…くっ!モデルVから離れろ!」

自分達のミッションの目的を思い出したグレイがエールを牽制しようとする。

「どうやら先客みたいね、悪いんだけどそのモデルV、譲ってくれない?」

アッシュは一応対話での解決を試みるが、エールの表情は少し険しくなる。

「君達もこれに用があるみたいね。モデルVをどうするつもり?」

「これは僕らが回収する!お前らなんかには渡さない!」

「言い方を変えようかしら?アタシ達の邪魔をするなら力ずくでも退いてもらうわ」

それを聞いたエールは溜め息を吐いた後、再び二人を鋭く見据えた。

「…やっぱりか、じゃあ…仕方ないわね。モデルX!モデルZ!」

モデルXとモデルZがエールの元に向かい、二つのライブメタルを掴んだ。

「…行くよ!ダブルロックオン!」

「「適合者確認、R.O.C.K.システム起動開始」」

「一人で二つのライブメタルを!」

複数のライブメタルを同時に使うエールに驚くグレイ。

「悪いけどアタシも、モデルVを渡す気は無いの。君達がロックマンなら尚更…ね!」

光が収まった時には赤いアーマーと金髪を模したコードを靡かせたロックマン・モデルZXへと変身したエールの姿があった。

そしてZXセイバーをZXバスターに変形させるとそれを構えた。

「この姿は…!」

「ロックマン・モデルOに似てる…!」

モデルZXとなったエールの姿は二人にとって頼りになる先輩ロックマンであるロックマン・モデルOの姿のヴァンに似ていた。

そしてそれを聞いたエールは目を細める。

「モデルO…君達、あいつを知ってるのね。あいつはどこにいるの?答えてもらえるかしら?」

エールから放たれる凄まじい怒気にアッシュとグレイは顔を強張らせた。

「(こいつ…かなりヤバい相手ね…でもアタシ達だって相当レベルアップしてきたんだから!今ならヴァンにだってそこそこ戦えるはずよ!)さあ?それを聞きたいならアタシ達を倒すしかないわね」

「そう、なら力ずくで聞かせてもらうわよ!」

チャージを終えたセイバーを構えて突撃してくる。

「うわっ!」

咄嗟にかわすが、チャージセイバーの衝撃波の余波を受けたグレイが吹き飛ばされる。

「グレイ!」

エールに向けてレーザーを向けてリフレクトレーザーを発射するが、エールはセイバーでそれを両断して回転斬りを繰り出し、直後に地面に向けての下突きを繰り出す。

「エナジーフィシャー!!」

回転斬りはかわしたものの、追撃の下突きとそれによって吹き飛ばされた瓦礫の直撃を受ける。

「アッシュ!大丈夫か!?」

「ええ、大丈夫よ。ダメージは大したことないわ」

下突きは掠っただけであり、吹き飛ばされた瓦礫も大した威力ではない。

「スピードで撹乱しよう!トランスオン!!」

「トランスオン!!」

モデルHに変身したアッシュとグレイにエールは眉間に皺を寄せる。

「モデルH…!他のライブメタルの力を使えるって言うの?」

エアダッシュで距離を詰め、一撃を繰り出しては離脱していくアッシュ達にエールは間違いなくモデルHの力だと確信した。

エールもモデルHのこの機動力には何度も助けられたが、敵対するとかなり厄介だ。

「それっ!プラズマサイクロンH!!」

「当たれ!プラズマサイクロンV!!」

アッシュとグレイがダブルセイバーを振るって、前後に放たれる竜巻と、上下に放たれる竜巻がエールに迫る。

見覚えのある攻撃だが、エールがモデルHを使っていた時とは攻撃力が落ちている代わりに射程距離が伸びているようだ。

ダッシュジャンプでそれをかわすと、グレイとの距離を詰めて三連撃からのジャンプしながらの斬り上げを繰り出す。

「ライジングファング!!」

「うわっ!」

斬り上げと同時に正面に放たれる衝撃波をまともに受けたグレイは吹き飛ばされる。

「グレイ!」

「そこっ!!」

エールがバスターを構えてセミチャージバスターを発射し、そこからショットを連射していく。

アッシュはモデルLに変身し、チャージを終えたハルバードを振ると巨大な氷塊を作り出して攻撃を防ぐ。

「アイススティッカー!!」

そしてそれを砕いて破片をエールに直撃させると、直後に直撃した部分が凍結する。

「しまった…!」

「今よグレイ!」

「喰らえ、メガトンクラッシュ!!」

モデルFに変身したグレイがナックルバスターを構えて少しチャージするとエネルギーを纏ったパンチを繰り出す。

「くっ!」

何とか耐え抜いて、逆にチャージセイバーをグレイに叩き込んで吹き飛ばし、そしてアッシュにチャージバスターを当てる。

「っ!こいつ、強いわ…」

一つの武器で即座に遠近に対応出来るためかほとんど攻撃に隙がない。

「えいっ!!」

「よっと!」

ジャンプでエールのショットをかわしていくが、弾幕が激しくなり、アッシュの表情が険しくなる。

「(男の子のグレイって子の方よりもこの子の方が強いわね、多分戦闘の経験がアッシュって子の方が多いんだわ)」

「避けきれないわね…曼荼羅手裏剣!!」

即座にモデルPに変身して曼荼羅手裏剣による手裏剣のバリアを展開する。

「その技は…」

自分がモデルPを使っていた時には使えなかった技だ。

先程のモデルHとモデルL、モデルF、モデルPに変身した時も自分が使っていた時とは攻撃性能に差があるので、自分の知識を当てにしない方が良いと判断する。

「アッシュ、大丈夫か?」

「ええ、でもこいつ…他のロックマンの力を使ってようやく戦えるくらいに強いわ…そして全然本気を出してない」

アッシュの勘だが、恐らく当たっているだろう。

こちらが息を切らしてるのに対して向こうはまだ余裕がある。

「行くわよ!」

セイバーを構えて突撃するエールに対してグレイはモデルHに変身して迎え撃つ。

「下がるんだアッシュ!」

グレイが前に出てエールのセイバーを何とか受け流していく。

まともにやり合えば力負けするからだ。

アッシュはモデルFに変身し、ナックルバスターを構えてショットを連射する。

「っ!」

放たれたショットの軌道が変化し、エールは一旦攻撃を中断して距離を取ると、かわしきれない物はセイバーで両断する。

「今だ!」

エアダッシュで距離を詰めてセイバーを振るうグレイだが、エールはグレイの腕を掴んで防ぎ、そしてセイバーを横薙ぎする。

「残念」

「グレイ!」

胸に深い傷を負ったグレイが倒れる。

「確かに中々のコンビネーションだけど、まだまだ無駄が多いわね。君達よりももっと厄介なコンビネーションをする連中と戦ったことがあるしね」

脳裏に過ぎるのはプロメテとパンドラ。

あの二人の連携と比べればアッシュとグレイの連携は対処しやすい。

「(まずいわね…このままじゃ…)」

「早くこの場から去りなさい。もう二度とモデルVには近寄らないことね。これは君達のような子供が触れていいものじゃないわ」

エールの子供扱いするような言い方にアッシュはカチンと来た。

「あーら、ちょっと年上で強いからって上から目線?偉そうに…生憎アタシはね…負けられないのよ!」

ロックマン・モデルAに戻ってレーザーを向けると、レーザーサイトを出してエールをロックし、ホーミングショットを発射する。

「(速い!)」

弾速の速さに目を見張るが、エールはセイバーでホーミングショットを両断して次の攻撃に備えた。

「なら、これでどう!?」

次々にエールの知らないフォルスロイドに変身して攻撃を繰り出していく。

しかしエールもまた歴戦のロックマン。

例え知らないフォルスロイドの攻撃であろうとも難なく捌いて見せた。

「……無駄撃ちは止めなさい。先にガス欠を起こすのは君の方よ」

ディアバーンの炎の矢をセイバーで弾きながらエールはアッシュに告げる。

「涼しい顔して…!頭に来るわね…!」

どんな攻撃を繰り出そうが、容易く攻撃を捌いていくエールにアッシュは圧倒的なまでの経験の差を感じた。

そしてエネルギーが底を尽き、特殊・チャージ攻撃が使えなくなってしまい、エールはセイバーを構えてアッシュに突撃した。

「悪いけど、気絶してもらうわ」

「っ!!」

「アッシュ!!」

セイバーの光刃がアッシュに迫り、アッシュは思わず目を閉じたが、いつまで経っても痛みは感じなかった。

目を開けると、紫色のセイバーの光刃がエールのセイバーを受け止めていたのだ。

「ギリギリ間に合った…!」

「「「ヴァン!?……え?」」」

エールとアッシュ達がいきなりのヴァンの乱入に驚き、そして三人が同時にヴァンの名前を叫んだことに三人は更に驚くことになる。

「あー、取り敢えず三人共、落ち着いてくれ」

「落ち着けるわけないでしょ!!」

久しぶりの幼なじみの登場にエールは今までの鬱憤を晴らすかのように爆発した。

「勝手にいなくなったかと思えば旅に出てるし、プレリーへの通信が最近滞ってるし!一体どこで遊んでたのよあんたはぁっ!あの子達と一緒にいるの!?この忙しい時に一体今まで何してたのよぉっ!?」

武器を手放してヴァンに掴みかかり、頬を思い切り引っ張るエールにアッシュとグレイとモデルAは引く。

「あー、分かった分かった。分かったから頬を引っ張らないでくれ。痛い痛い」

「…な、なあ…知り合い…か?」

混乱しているアッシュとグレイに代わってモデルAが尋ねる。

「ああ、こいつはエール。四年前の戦いで一緒に戦ったロックマンで俺の幼なじみだ。」

ヴァンがエールとの関係を伝えると、アッシュは目を見開いて驚愕する。

「幼なじみーっ!?……ヴァンにも幼なじみっているんだ。そして幼い時代もあったんだ。意外」

「…どういう意味だ?お前は俺を何だと思ってるんだ?」

アッシュの失礼な言葉に表情を顰めるヴァン。

“幼なじみ”の意味が分かっていないグレイは疑問符を浮かばせている。

「幼なじみって何だ?」

「小さい子供の頃からの付き合いってことよ」

グレイの疑問にアッシュが答えると、エールが武器を手放したことで戦意喪失と見なされたのか、モデルZXのデータがモデルAに吸い込まれていくのであった。 
 

 
後書き
モデルOのデータはコピー出来ません。

ライブメタルと一体化した存在からはデータを抜き取れない設定。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧