レーヴァティン
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第百六十話 伊勢の神託その二
「今はな」
「そこからはですね」
「わかっていない、出来れはな」
「その力の全てをですね」
「知りたい、いやこれからはな」
英雄はここでこう言った。
「何としてもだ」
「知らねばならないですね」
「そうだ」
こう良太に話した。
「むしろな」
「そうなりますね」
「とはいってもな」
「まだ何もですね」
「手掛かりがない」
これが現実だというのだ。
「やはりな」
「左様ですね」
「だからだ」
「これからですね」
「何とかしたい」
「そうですね、ならです」
ここで良太は英雄に提案した。
「神託はどうでしょうか」
「それで知るか」
「この世界の神々ならです」
「知っているか」
「神のことを知る者はです」
「神か」
「はい、そうなるかと」
「神の世界にいるならば」
それならとだ、英雄は良太に応えて話した。
「知っているな」
「その神のことを、そして神は往々にしてです」
良太はさらに話した。
「世界を広く見ています」
「だからだな」
「はい、そうです」
ここはというのだ。
「神託を伺いましょう」
「そうしてだな」
「海の魔神のことを知りましょう」
他ならぬこの世界の神々に聞いてというのだ。
「そうしましょう」
「ならな」
「伊勢や出雲なら」
そうした大社ならとだ、巫女である紅葉が言ってきた。
「多くの神々が集られる場所でもあり」
「かなり高位の神々もな」
「常に座しておられるので」
だからだというのだ。
「お聞きすればです」
「いいな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「ここはです」
「伊勢か出雲か」
「そちらでお聞きになればいいかと」
「そうだな、そういえばだ」
ここで英雄はこの場所の話をした。
「東の浮島だとな」
「デルフォイですね」
「学問の街だが」
それと共にとおうのだ。
「神託の街でもある」
「あの街はこの世界でもそうですね」
「ならだ」
「あの街でもですね」
「聞くか、あいつに文を送りな」
久志もっと言えばあちらの浮島で戦っている者達にというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「神託を伺ってもらうか」
「そうして聞くのですね」
「海の魔神のことをな」
「そうされますか」
「では早速だ」
英雄は持ち前の決断の速さを出して言った。
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