ヘタリア大帝国
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TURN41 雨と盾その六
「そうした意味でも正解だ」
「はい、怯むことなく向かう」
「それがいいですね。では」
「我々もだ。仕掛けるぞ」
「エルミー提督ですね」
「彼女に任せよう」
この星域に来る前の打ち合わせ通りにだ。そうするというのだ。
「わかったな。それではだ」
「お任せ下さい」
エルミーがモニターから東郷に応えてきた。
「ネルソン提督の艦隊、必ずです」
「仕留めてくれ」
「そうさせてもらいます」
「この星域でのエイリス軍の要は二つだった」
東郷は攻撃を仕掛ける中で言った。
「まずはフェム=ペコ提督の雨」
「そしてネルソン提督の盾ですね」
「その二つで我々を防ぎ勝つつもりだったのですね」
「そうだ。しかしだ」
だが、だ。それでもだというのだ。
「既に雨は封じた」
「これで我々の鉄鋼弾攻撃を普段通りに行えますね」
「酸素魚雷の威力見せてやる」
日本軍の切り札の一つ、それを遺憾なく発揮できるというのだ。
「そうしよう」
「はい、それでは」
こうエルミーと話してだ。そしてだった。
日本軍はミサイル攻撃から鉄鋼弾攻撃に入る。そのはじまりにだった。
エルミーはネルソンの艦隊に密かに接近する。そのうえで。
潜望鏡から彼の艦隊を見ながらだ。こう部下達に言った。
「今からです」
「今からですね」
「そうです。敵は私達に気付いていません」
こう言ってだ。姿を隠したまま接近する。そのうえで。
照準を定める。そのうえでの言葉だった。
「間も無く攻撃範囲に入ります」
「そうすればですね」
「酸素魚雷を発射します」
魚雷はだ。日本軍のものだった。
「あの魚雷ならあの敵艦隊も」
「一撃ですね」
「消し飛ばせますね」
「いけます。エイリス軍を」
彼女達にとっては憎き敵であるだ。彼等をだというのだ。
「ここで」
「まさか太平洋で彼等に復讐できうるとは」
「思いませんでした。しかしですね」
「この機会を逃さずにいきましょう」
「何があっても」
「そうです。彼等に対する復讐」
それはだというのだ。
「それこそが総統への忠誠の実践ですから」
「では今こそ」
「このまま」
「射程に入りました」
エルイーが自ら言った。
「では攻撃を放ちます」
「総統の為に」
「今こそ」
太平洋に来ているドクツの将兵達は固唾を飲んだ。狭い潜水艦の中だがそれでもだった。彼等は緊張の極みにあった。そしてその緊張の中で。
「魚雷発射!」
「魚雷発射!」
攻撃が復唱されその瞬間に。
エルミーは潜望鏡の握り手にあるボタンを押した。そしてだった。
旗艦から酸素魚雷、日本軍のそれを放つ。全ての潜水艦がそうした。
ネルソンは目に見える艦隊に対して警戒しておりその鉄鋼弾をかわしていた。だが。
突如右面からだ。それを見たのだった。
「何っ、あれは」
「魚雷です!」
「日本軍の酸素魚雷です!」
「馬鹿な、レーダーに反応はなかった」
その右手から来る魚雷を見ながらだ。ネルソンは言う。
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