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レーヴァティン

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第百五十九話 美酒その四

「豊かになる」
「だからよね」
「どんどん産業を興す」
「そうして動かしてね」
「豊かになる」
「それがええな、後な」
 耕平がここで言った。
「この際ネコババとかな」
「汚職を働く奴も出るな」
「どうしてもな」
 英雄もそれはわかっていて言う。
「出る」
「そやな」
「それは一罰百戒でいく」
「そうするんやな」
「小悪党は見付からないと見て行う」 
 汚職等悪事をというのだ。
「それならだ」
「見てるってか」
「それを見せればな」
「他の連中も黙るか」
「そうだ」 
 そうするとだ、英雄は耕平に答えた。
「だからだ」
「これはって奴をやな」
「捕まえてだ」
「処罰するんやな」
「そうしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「他の奴等も黙らせる」
「そうするか」
「そうだ、全員を一度に捕まえることは難しいが」
「一人を捕まえて」
「そして厳罰に処せばだ」
 それでというのだ。
「他の奴等も汚職を止める」
「それでやな」
「やってやる」
 その様にというのだ。
「一人目立つ奴を捕まえてな」
「そいつを厳しく処罰して」
「ことにあたる、あとだ」
「あと?何や」
「俺達もここにいるだけで終わらない」 
 大坂城、この城にというのだ。
「各地を見て回ることもな」
「していくか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「状況を知る」
「その目でやな」
「それも大事だ、だが」
「見るものはやな」
 耕平もそこはと言う。
「見せられるもんやないな」
「この目で見るものだ」
「見たいものを見る、やな」
「展示されたものは見ない」
 決してとだ、英雄は述べた。
「決してな」
「そういうことやな」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「お忍びでもな」
「見ていくな」
「そうしていく、上の者が視察すると言ってだ」
 英雄はワインをさらに飲みつつ話した。
「下の者はどうするか」
「その時はだ」
 幸正はその話を聞いて述べた。
「自分達の成績になるからな」
「見せたいものを見せるな」
「下の者がな」
「こうしたことは共産主義国家の常だったが」
 それだけでなくとだ、英雄は幸正に話した。
「それはだ」
「何処でもある話だ」
「ショーウィンドゥの裏はガラクタの山だ」
「そうなっている場合もあるな」
「だからだ」
「我等はか」
「見せられるものは見ない」
 決してというのだ。 
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