曇天に哭く修羅
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第三部
暗部
前書き
_〆(。。)
【領域内戦争】第一回戦。
龍帝学園の相手は風天学園。
対戦する学園は市街地戦を行う区画に存在する東西の出入口からそれぞれ別れて入る。
そして街の中を進み、その途中で試合開始の合図が掛けられることになるわけだ。
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龍帝学園のメンバーは
島崎向子
立華紫闇
クリス・ネバーエンド
的場聖持
エンド・プロヴィデンス
──────────────
「何か遅くない?」
エンドがぼやくのも当然だ。
試合の開始時刻は疾うに過ぎている。
もう30分は待っているのに。
他のメンバーも同じことを思っていたのか未だに市街地へ来ていない風天学園に対して溜め息。
「一旦戻ろっか」
向子の言葉に賛同した龍帝メンバーは市街地の入り口で時間を潰す。
街と空には大量のドローンが試合を撮影する為に飛び交っていた。
その一機が降りてくる。
「お待たせ致しました。風天学園の皆様が来られたようです。それと、お知らせしなければならないことが有るのですが」
風天の選手が全員違うらしい。
試合の当日に登録選手の変更を行うのは完全にレギュレーション違反なのだが。
「運営は特例だと」
「は~」
向子は風天に何が起こっているのか大体のことを理解していた。
「矢田狂伯」
どうやら一回戦から動いたらしい。
ドローンからホログラムが投影される。
「こちらが変更された選手です」
紫闇が知らない人物ばかり。
だが向子には心当たり。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「全員が【暗部】かなこれは」
曰く、大体の魔術学園は暗部と呼ばれる裏の組織を持っているものらしい。
普段は学園の生徒だという。
「暗部が大人だと捕まった時が面倒なんだよ。大人だから目的がバレちゃう。でも学生なら言い訳が効く。特定の生徒を殺した時とか」
暗部の魔術師が持つ【異能】には人を殺すことに特化したものも有り、そういう生徒は天覧武踊に出たくても出られない。
人死にを放送したらクレームが洪水のように押し寄せ対処するのに困ってしまう。
だから暗部に入ることになる。
「向子さん的には魔術師が死ぬのなんて当たり前だからクレームなんて無視しときゃ良いと思うんだよね。学園を卒業したら大半は軍属なんだからさ。戦闘で死ぬのが嫌なら魔術師は諦めた方が身のためだよ」
暗部は裏工作のエキスパート。
当然のことながら暗殺も仕事の内。
公式戦に出して良いはずは無いのだが《レックス・ディヴァイザー》という前例が有るので紫闇もクリスも特に驚かなかった。
「下手したら風天の暗部は居ないかもね。関東領域に在る龍帝以外の魔術学園から狂伯君が選んだ暗部の精鋭ってところかな」
今日の龍帝メンバーなら真っ向から戦えば問題ないのだが暗部なだけにどんな手段を取ってくるか解ったものではない。
「 面倒臭いから向子さんが能力を使う必要は無いと思いたいんだけど」
エンドと聖持が居るので大丈夫とは思いながらも油断だけはしない向子だった。
後書き
_〆(。。)
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