ロックマンZXO~破壊神のロックマン~
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第五十五話 第二の封印
列車での旅を楽しみながらアッシュはグレイと共にレギオンズ本部のステーションに到着し、そのままレギオンズ本部へと向かおうとしたのだが、凄まじい轟音に二人は足を止めた。
「…何!?さっきの音は!」
「凄い音がしたぞ!」
ただ事ではない様子にアッシュとグレイは目を見開く。
「どこかでドンパチやってるな。イレギュラーに先を越されたか?三賢人のおっさんにも通信が繋がらない…こいつはまずそうだぜ」
「レギオンズの本部はこの先だな…!」
「ええ、レギオンズ本部へ急ぐわよ!」
「「ロックオン!!」」
アッシュとグレイはモデルAを掴んでロックマン・モデルAに変身すると襲い掛かってきたイレギュラーを返り討ちにしながら突き進む。
「そこを退きなさいよ!」
レーザーショットを構えてレーザーサイトを出すと敵全員をロックし、ホーミングショットで粉砕する。
そして奥のシャッターを潜り、建物内部に入ると、建物にはイレギュラーが徘徊していた。
「イレギュラーがたくさんいる…!」
「レギオンズの警備隊は何やってんのよ全く…追加料金を毟り取らないと割りに合わないわ」
アッシュはあまりの大量のイレギュラーに辟易するが、グレイは二丁のバスターショットを構えて奥の手を使う。
「ギガクラッシュ!!」
広範囲へのショット乱射で近くにいたイレギュラーは瞬く間に殲滅される。
「でかしたわグレイ!」
「でもこれでしばらくはギガクラッシュは使えない。ホーミングショットは少し時間が経てば使えるようになるけど…」
「これだけ減らせば充分!行くわよ!!」
アッシュが先行してグレイが追い掛ける。
レギオンズ本部へはアッシュも初めて来たが、取り敢えず上を目指して進む。
途中でバイクに乗ったイレギュラーが現れたが、急な方向転換が出来ないようなので相手にせずにかわした。
後ろで爆発が起こったが気にせずに進む。
最上階に着くとシャッターを発見して抉じ開けると、次の建物に繋がる通路に出たので、奥のシャッターに向かうが、固定砲台のメカニロイドが妨害してきた。
「邪魔をするんじゃないわよ!トランスオン!!」
モデルFに変身し、ナックルバスターを構えてショットを連射するとメカニロイドはあっさりと破壊されていく。
「流石、モデルF!爽快なパワーだわ!このままガンガン行くわよ!!」
モデルA以上の火力に気を良くしたアッシュがシャッターを抉じ開けて次の建物に進むと、先程と同じような構造の建物に入る。
襲い掛かるイレギュラーだが、アッシュはナックルバスターを構えてショットを連射し、弾の軌道を変更しながらこの建物内のイレギュラーを殲滅していく。
「ああー…快・感……」
「何て顔してやがるんだ…」
単発火力が低いモデルAでは出来ない戦法にアッシュは恍惚な表情を浮かべており、モデルAは呆れた。
「あんたの火力が低いのに問題があるのよ。」
「んなっ!?それを補って余りあるトランスオンって能力があるだろ!?」
「今のところ役に立つのディアバーンとモデルFしかないじゃない…クロノフォスはタイムボムが強力だけど地上じゃ動けないしローズパークは鈍いし」
「……それはオイラのせいじゃないだろ」
「本物より強くコピーしなさいよ」
「無茶言うなぁ!」
コピー元の短所なのにアッシュの理不尽な言葉に対してモデルAは怒るが、アッシュはどこ吹く風である。
馬の耳に念仏。
「二人共、それよりも急ごう!!」
喧嘩をしている二人に呆れながらグレイは最上階のシャッターを抉じ開けると広い部屋に出た。
「三賢人の会議室…かしら?」
椅子が三つあるところからアッシュはそう予測するが、今は一刻も早く三賢人の元へ向かうために部屋を出ようとした時、一人の男が現れた。
それは深緑のタワーでヘリオスと共にモデルVを回収していたモデルPのロックマンであるシャルナクであった。
「目標捕捉、情報分析開始。計画ニ従イ、コレヨリ戦闘行動ヲ 開始スル。回答ノ入力ヲ」
「うへえ…一番不気味な奴が出てきたよ…」
モデルAがシャルナクの不気味さに引き気味に言うが、シャルナクは引き続き機械的な言葉を返す。
「ソノ入力ハ認メラレナイ。回答ノ入力ヲ」
「グダグダうるさいわね!さっさと道を開けなさい!」
「僕は…自分の正体を知るためにここまで来たんだ!邪魔はさせない!」
アッシュとグレイがレーザーとバスターを構えると二人の言葉と態度にシャルナクもモデルPを構えた。
「回答ノ入力ヲ確認…戦闘ヲ開始スル…!ロックオン…!」
シャルナクはロックマン・モデルPに変身し、腕を一振りするとクナイを数本投擲した。
二人はそれをかわし、シャルナクに攻撃を加えようとするが、シャドウダッシュによってかわされてしまい背後に回られてしまう。
「破壊スル」
腕を振るうと十字手裏剣が複数投擲され、手裏剣は壁を反射してアッシュとグレイの動きを妨害し、その隙に鉤爪を出して部屋の天井付近の足場に移動する。
「この…!逃げるな!」
グレイがレーザーサイトを出してシャルナクをロックしようとするが、シャドウダッシュで距離を取られる。
「そこよっ!」
僅かな気配に気付いたアッシュがレーザーを構えてリフレクトレーザーを発射する。
「曼荼羅手裏剣」
しかし、それをシャルナクは自身の周囲に小型の手裏剣を複数展開して防いでみせた。
「っ!?」
「射出」
そして手裏剣を射出し、広範囲を斬り裂く手裏剣をまともに受けた二人は仰け反る。
「ハッ」
そして追撃のクナイ投擲。
それをかわして反撃に移ろうとしてもシャルナクはシャドウダッシュでレーザーサイトのサーチ範囲外に逃げてしまい、ホーミングショットが使えない。
「こいつ、モデルAの弱点を的確に突いてくるわね!!」
ホーミングショットが使えないのならリフレクトレーザーとチャージバスターを当てるしかないのだが、それも曼荼羅手裏剣で防がれてしまう。
ギガクラッシュは一度使えばチャージ・特殊攻撃に必要なエネルギーが枯渇するために無闇に使えない。
クロノフォスに変身してタイムボムを使うことも考えたが、シャルナクがそんな隙を与えるとは思えない。
「そうだわ、トランスオン!グレイ、あんたもモデルFに変身しなさい!」
「分かった!トランスオン!」
二人はモデルFに変身したことにより、シャルナクの動きが一瞬鈍くなる。
「該当データ無シ、モデルA特有ノ能力ト推定」
「グレイ、あんたが突っ込んで!アタシがサポートするわ!!」
珍しく役回りが反対となるアッシュとグレイ。
グレイはナックルバスターを構えて肉弾戦を仕掛ける。
「機動力、オリジナルノモデルFト同等。回避スル」
メガトンクラッシュのパンチを繰り出すが、シャルナクはシャドウダッシュでかわす。
しかし、移動した先で爆発が起こった。
「っ!?」
「グランドブレイクよ。時間経過で爆発するタイプの爆弾を設置する技…ライバルの技は調べとくべきじゃない?それともアトラスはあんたとの戦いで使わなかったのかしら?」
「ダメージ軽微…戦闘ヲ続行スル…!」
十字手裏剣を再び投擲するが、アッシュはナックルバスターを構えてショットを発射し、弾道を操作しながらシャルナクに当てる。
「グレイ、今よ!!」
「喰らえっ!」
「グハッ!」
ダメージによって硬直したシャルナクにフルチャージのメガトンクラッシュが炸裂し、吹き飛ばす。
火炎弾をまともに受けたシャルナクの全身を炎が包むが、何とかそれを振り払うと紫の分身を複数出してきた。
「捕捉」
分身と本体からクナイが投擲され、二人は攻撃を中断して回避を余儀なくされる。
「どれが本物なんだ!?」
「分からないわ…気配も完全に消えてる…でも…」
「ロックマン・モデルA、破壊スル…!」
とどめとばかりに分身に紛れたシャルナクがアッシュとグレイに十字手裏剣と曼荼羅手裏剣を繰り出して来た。
「本物が分からないなら…全部潰すまでよ!!グレイ、伏せなさい!!ギガクラッシュッ!!」
アッシュはロックマン・モデルAに戻り、二丁のレーザーを構えると銃身を回転させて広範囲にショットを乱射する。
手加減なしのギガクラッシュの破壊力にレギオンズ本部の一部が吹き飛んだ。
爆煙に部屋が包まれるが、煙が晴れると膝を着いたシャルナクが荒い息を吐いていた。
「ダメージ…危険域…!…現状デノ戦闘続行ハ危険…!………撤退スル…!」
次の瞬間にシャルナクが転送の光に包まれ、この場を去る。
そしてシャルナクがいた場所にモデルPのデータが浮かんでおり、二人に吸い込まれていく。
「きゃあああああぁぁっ!」
「うあああああぁぁっ!」
モデルFのデータをコピーした時と同じようにモデルPのデータをコピーした瞬間に苦痛に苦しむアッシュとグレイだが、脳裏に例のレポートデータが展開される。
《コードCE71からFC60までを解放。レポートデータ展開》
《…二つめのプロテクトを解いた君は今、運命の分かれ道に立っている。このデータを読み進めるならばもう後戻りは出来ない、君もこの計画の一部となるのだ。ライブメタルには適合者に力を与え、新たな生命体へと作り変える機能がある。ロックマンへの変身機能…いや、最早これは変身ではない。進化と呼べるほどのものだ。モデルVを作った私は次に進化に相応しい適合者を選び出す事にした。世界中の人々から進化するに相応しい者を見つけ出すのは不可能に近い、だが…私には出来る。何故なら、私は世界の全てを知る者…レギオンズの三賢人の一人なのだから…》
こうしてモデルVとモデルAを作った人物のレポートの一部の展開は終わった。
衝撃の事実と共に。
「モデルVを作ったのは…三賢人の誰か…!?」
「それってつまり、裏でそいつとプロメテ達が繋がってるって事だよな…こうなると三賢人の奴らも信用出来ないぜ。それでも行くのか?グレイ?アッシュ?」
「…行こう、モデルA!アッシュ!僕とモデルAの事を知ってるのは三賢人だけなんだ…!」
「逃げたって何も変わらないものね、三賢人の誰かが黒幕ならそいつを締め上げてやるわ!」
「やれやれ…オイラに記録されてるデータってのはとんでもないもんばっかだな…」
部屋を出ると明かりが点いておらず、真っ暗な状態に二人は足を止めた。
「何だ、この部屋は…暗くてほとんど何も見えないじゃねえか!さっきコピーしたモデルPにトランスオンすれば少しはマシになりそうだ…モデルPにはナイトスコープとレーダースコープって機能があって暗い場所での行動や敵の位置や地形、隠し扉とかの場所が分かるようになるぞ!攻撃は…チャージの性能が違うな。アッシュは敵の攻撃を防ぐバリアの効果を持つ曼荼羅手裏剣、グレイはでかい手裏剣を投げる十字手裏剣だ。どっちもシャルナクみたいな使い方は出来ないから気を付けてくれよ」
二人は早速モデルPに変身してこの部屋を後にするのであった。
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