英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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第87話
~連絡回廊~
「廻れ―――風の弾丸よ!!」
「蒼き翼よ―――――輝け!!」
「いっくよ~!シュート!!」
戦闘開始時ステラ、ミュゼ、トワは先制攻撃代わりにそれぞれ一斉にクラフトをオズボーン宰相に放ったが
「ぬるいわぁっ!!」
オズボーン宰相は剣を一振りしてそれぞれのクラフトを無効化し
「二の型・改――――――紅蓮剣!!」
「二の型・改――――――雷鳴剣!!」
「二の型―――疾風!!」
「ぬぅぅぅんっ!!」
それぞれ電光石火の速さで襲い掛かってきたリィン、エリゼ、アネラスのクラフトを全て剣で受け流した。
「ハッ、これでも喰らえやっ!!」
「もらった――――――キ――――――クッ!!」
「そらっ!喰らいやがれ――――――ラプターレイド!!」
そこにアッシュ、アンゼリカ、クロウは跳躍して上空から奇襲する攻撃でオズボーン宰相に攻撃を仕掛けたが
「見切った――――――ぬん……っ!逃さん!」
「チィ……ッ!?」
「く……っ!?」
「何……ッ!?」
オズボーン宰相は上空からの奇襲も全て回避した後片手から妖しげな紅い雷光を発生させた後それをアッシュ達に放ってアッシュ達を拘束すると共に自分の元へと引き寄せ
「劫!!」
「が……っ!?」
「うぁ……っ!?」
「ぐあ……っ!?」
アッシュ達を自分の元へと引き寄せると強烈な一閃を放ってアッシュ達に大ダメージを与えると共にアッシュ達を吹き飛ばした!
「聖なる水よ……奔流となり、我が仇名す者達に裁きを!――――リ・カルナシオン!!」
「エニグマ駆動――――――出でよ、漆黒の魔剣――――――シャドーアポクリフ!!」
「エニグマ駆動――――――灼熱の光よ、今ここに来たれ――――――クリムゾンレイ!!」
「闇よ、全てを漆黒に包め!――――――崩壊のディザイア!!」
「ぬああああっ!?」
その時オズボーン宰相が仲間達に気を取られている間に長い駆動や詠唱時間を終えたセレーネ、アルティナ、アルフィン、エリスは一斉に上位魔術やアーツを放ち、それらをまともに受けてしまったオズボーン宰相は思わず声を上げて怯んだ。
「行くぞ――――――ハァァァァァァ…………ッ!」
「行くぜ?そらあああぁぁ…………っ!」
そこにクルトとフォルデが左右からそれぞれ怒涛の連撃を繰り出すクラフトをオズボーン宰相に叩き込んでダメージを重ね
「緋き焔よ、我が剣に宿れ――――――タリスマンソード!!」
二人が攻撃している間にオズボーン宰相に近づいたセドリックはオズボーン宰相の真正面から緋色の魔力を宿した騎士剣を一閃した。
「フフ、”呪い”によって身体能力が向上しているとはいえ、成長されましたな、皇太子殿下。」
「!!く……っ!」
しかしセドリックが放った一閃はオズボーン宰相の剣によって受け止められ、攻撃を受け止められたセドリックはすぐに騎士剣を引いてオズボーン宰相から距離を取ろうとしたが
「遅い!黒き焔よ――――――」
既にオズボーン宰相は反撃に入り、漆黒の焔を剣に宿してセドリック達に反撃を叩き込もうとした。
「させるか―――唸れ――――――オォォォォ……ッ!螺旋撃!!」
「うおぉぉぉぉぉ……ッ!絶!!」
そこにリィンが一瞬でオズボーン宰相との距離を詰めた後クラフトを放ってオズボーン宰相が放った漆黒の焔を宿した連撃―――黒焔撃を相殺したが、二人のクラフトがぶつかり合った事による衝撃でセドリック達は後ろへと吹き飛ばされた!
「ほう……この私と”剣”を渡り合うとは、それがメンフィルについた事で得た想定外の”力”か、愚かなる息子よ……!」
「ああ……だけど、あんたに”息子”と呼ばれる筋合いはない。俺の両親は……シュバルツァー男爵夫妻だっ!!」
鍔迫り合いの状態になったオズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべてリィンと神剣アイドスを見つめ、オズボーン宰相の問いに答えたリィンは神剣を引いてオズボーン宰相から距離を取った後攻撃を再開した。
「―――緋空斬!!」
「甘いわ!果てるがいい――――――業滅刃!!」
リィンが放った炎の斬撃波を切り裂いたオズボーン宰相は跳躍して大剣を地面に突き付けて凄まじい衝撃波を発生させてリィン達にダメージを与え
「跪くがいい――――――」
リィン達にダメージを与えたオズボーン宰相は続けて全身に妖しげな赤紫色のオーラを纏った後頭上に雷雲を発生させて雷雲から落ちた無数の落雷の衝撃で発生した凄まじいオーラをリィン達に放った!
「させるか!神剣アイドスよ――――――みんなを守る力を今ここに!」
自分達に襲い掛かる凄まじいオーラを見たリィンは仲間達の前に立ちふさがって神剣アイドスを構えると神剣アイドスから神気による障壁がリィンを中心にドーム型に発生して、オズボーン宰相が放ったクラフト―――覇者の威光を受け止め
「おぉぉぉぉぉ……!!」
リィンはオーラを受け止めた神剣で咆哮を上げると共に切り裂いてオズボーン宰相が放ったクラフトを無効化した。
「みんな、頑張って――――――エナジーレイン!!」
「蒼珀の雨よ、我等に癒しを――――サフィールレイン!!」
「今回復します!癒しの雨よ、降り注げ―――セイクリッドバレット!!」
「女神よ、どうか私達に癒しを―――――― ホーリースコール!!」
その時トワ、ミュゼ、ステラ、エリスはそれぞれ回復クラフトを発動して自分やリィン、仲間達のダメージを回復した。
「白銀(しろがね)の光輪、ここへ――――――エンジェルリング!!」
「ぬう……っ!?」
アルフィンが発動した魔導杖に登録されている光の輪を生み出す特殊魔法はオズボーン宰相に命中するとオズボーン宰相を拘束すると共に光の炸裂を発生させ、肉体が”不死者”である為光の魔法が弱点であるオズボーン宰相はアルフィンが放ったクラフトを受けると怯んだ。
「フラガラッハ――――――滅!!」
「が……っ!?」
そこにクラウ=ソラスがオズボーン宰相の背後に現れた後全身を巨大な刃に変えてオズボーン宰相に強烈な一撃を叩き込み、背後からの奇襲を受けたオズボーン宰相は思わず声を上げて態勢を崩した。
「崩しました!」
「もらった――――――覚悟はいいか?おぉぉぉぉぉ……ッ!砕け散れっ!!」
オズボーン宰相が態勢を崩すとアルティナとリンクを結んでいるクルトが自身が持つクラフトの中で最も威力があるクラフト――――――業刃乱舞をオズボーン宰相に叩き込み
「ふふっ、これはどうかな!?破ァッ!!」
「そらよっと!逝きやがれっ!!」
「甘いわ!」
「ぐ……っ!?」
「チィ……ッ!?」
「!!」
続くようにアンゼリカがクラフト―――ゼロ・インパクト、アッシュがクラフト―――デッドリーサイズで追撃したがオズボーン宰相はダメージを受けても怯まず大剣を一閃して自分への攻撃をした二人にダメージを与えると共に吹き飛ばし、クルトも後ろに跳躍して一端距離を取った。
「「「エニグマ駆動――――――ダークマター!!」」」
「ぬう……っ!?」
その時トワ、ミュゼ、エリスが発動した重力で敵の動きを封じ込める攻撃アーツが発動し、3重による重力攻撃を防ぐ手段はさすがにないオズボーン宰相は動きが封じ込められ、その隙に一気に距離を詰めたフォルデとアネラスがそれぞれクラフトを放った。
「さあ行くぜぇっ!――――――そらあああぁぁぁっ!!」
「さぁ、行くよ!まだまだまだぁっ!止めっ!!」
フォルデはクラフト―――スピアダンサー、アネラスは集中力を爆発させ、眼前の敵を斬って斬って斬りまくるクラフト―――八葉滅殺とそれぞれ怒涛の連続攻撃をオズボーン宰相に叩き込み
「お二人とも、下がってください!」
「「!!」」
セレーネの警告を聞くとすぐに側面に跳躍してオズボーン宰相との距離を取った。
「全てを塵と化せ――――――超電磁砲――――――ッ!!」
「霊力よ、我が剣に力を――――――解き放て―――カーディナルブラスト―――ッ!!」
二人に警告をしたセレーネは両手に圧縮して溜め込んだ極太の雷光を、セドリックは剣に注ぎ込んだ膨大な魔力をオズボーン宰相目掛けて解き放ち
「おぉぉぉぉぉ……っ!黒焔撃!!」
襲い掛かる二つの凄まじいエネルギーをオズボーン宰相は漆黒の焔を宿した剣で一閃して相殺した。
「――今!――――――そこですっ!!」
「ぐが……っ!?」
オズボーン宰相が二人の攻撃を相殺すると攻撃の後の隙を狙っていたステラが急所を狙う狙撃のクラフト―――デススナイプでオズボーン宰相の心臓があった場所を狙撃し、ステラの狙撃を受けたオズボーン宰相は思わず声を上げて怯んだ。
「さぁて……いっちょやるかっ!切り刻め――――――暗黒の刃!!」
「合わせてくれ、エリゼ!」
「はい、兄様!!」
そこにSクラフトを発動したクロウが双刃剣を闘気で光の双刃剣と化させた後光の双刃剣を投擲し、投擲された光の双刃剣は縦横無尽に回りながらオズボーン宰相に何度もダメージを与え、エリゼと共にコンビクラフトを発動したリィンはエリゼと共に疾風でオズボーン宰相の周囲を縦横無尽に駆けながらオズボーン宰相にダメージを与え続け
「あの世に逝きな――――――ヴォーパル・スレイヤー!!」
「「相ノ太刀・鳳凰十文字斬り!!」」
オズボーン宰相にダメージを与えた光の双刃剣が自身の手元に戻るとクロウは空高く跳躍した後オズボーン宰相に叩きつけて広範囲の十字の衝撃波を発生させ、疾風を終えたリィンは太刀から”鳳”のオーラを、エリゼは太刀から”凰”のオーラをオズボーン宰相を中心にクロスさせるように放ち、それらがオズボーン宰相に命中すると”鳳凰”の形をした大爆発を起こした!
「ぬあああああっ!?フフ………ここまでやるとはな。」
クロウのSクラフトとリィンとエリゼのコンビクラフトによる大ダメージを受けたオズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべて大きく後ろに跳躍してリィン達との距離を取った。
同じ頃、それぞれと戦っていたメンバーの戦いも大詰めを迎えていた。
「キりきざむ!テヤーッ――――――イディオの斬魔剣!!」
「!!」
「く……っ!」
「危ねぇな……っ!?」
ラテンニールが放った天井まで届く程の闘気による凄まじい斬撃波をクルーガー達はそれぞれ回避したが
「命を糧とし、彼のものを打ち砕け!――――――セイクリッドシャイン!!」
「「キャアアアアアッ!?」」
「ぐあああああっ!?め、眼が……っ!?」
ルファディエルが発動したSクラフトは回避できず、ルファディエルが発動したSクラフトによる強烈な閃光によってクルーガー達は大ダメージを受けると共に眼がくらんだ。
「ギレゼル、頼む!」
「よっしゃあっ!乗って来たぜぇっ!!」
「メヒーシャ、行くわよ!」
「ああ!」
「行きますよ、ラグタス!!」
「うむ!!」
「始めるぜ、エルンスト!!」
「ああ、始めようか……”死神”達の狂宴を!!」
その様子を見たロイドとギレゼル、エリィとメヒーシャ、ティオとラグタス、ランディとエルンストは一斉にコンビクラフトを発動した!
「ヒャッハ――――――――ッ!!」
「やっ!はっ!せいっ!やっ!」
ロイドはギレゼルと共にクルーガーを挟み撃ちにしてロイドはトンファーで、ギレゼルは暗黒の魔力を込めた槍で息もつかせぬ怒涛のラッシュを放ち
「「ダークレイジ!!」」
止めに2人は最後の一撃をすれ違うと共に放って暗黒の大爆発を起こした!
「オォォォォ――――!」
「ハァァァァァ……!!」
ラグタスは次々と闘気の球体を放ってクレア少佐に叩き込み、ラグタスの連続遠距離攻撃が終わると続くようにメヒーシャが聖槍による乱舞攻撃を叩き込み
「聖と魔の刻印銃よ………光と影の弾を以って、明日を切り開く道標となれ………!はああぁぁぁっ!!」
「術式解放!魔力エネルギー、チャージ開始!……………チャージ完了………!」
「「白鳳凰の光翼(ディバイン・ディバイディング)!!」」
「「ティーロ・スフォルツァンド!!」」
メヒーシャが乱舞攻撃を終えるとエリィは白と黒の銃から怒涛の連続銃撃を放って攻撃し、連続銃撃を終えたエリィは白と黒の銃にエネルギーを溜めた後自身の目の前まで下がったメヒーシャの身体に押し当てると共にエネルギーを解き放ち、メヒーシャはクレア少佐に向かって全身から聖気を放ちながら飛行して突撃し、ティオは全身から魔力を解放し、自分とラグタスの背後に巨大な4つの魔法陣を顕させ、さらに魔導杖を変形させ、砲口に膨大な魔力エネルギーを溜めて両手に膨大な闘気のエネルギーを溜め込んだラグタスが闘気のエネルギーを放つと同時に、魔法陣からの水、時、無、幻属性のエネルギーと魔導杖の砲口から放ったエネルギーと共に解き放った!
「うおおおおおおおおおおっ!!」
武器をスタンハルバードからブレードライフルに持ち替えたランディは怒涛の銃撃を放ちながらレクター少佐へと突撃し
「あっははははっ!とっととくたばりなぁっ!!」
エルンストは自分の背後に無数の短剣を召喚した後全てレクター少佐目掛けて放ち
「おおおおおおおおおおおおっ!!」
「死ね死ね死ね死ね―――――――!!」
「「紅き狂宴(クリムゾン・パレード)!!」」
さらにレクター少佐に近づいたランディは斬撃を放つと共に駆け抜ける攻撃を何度も繰り返し、エルンストはレクター少佐の全身の至る所を爆発させて攻撃し、攻撃を終えたエルンストは転移してランディと共にレクター少佐を挟み込むような位置で両手に暗黒の刃を纏わせた後ランディと共に突撃して十字に斬った!
「「キャアアアアアアッ!?かはっ!?」」
「ぐあああああああっ!?がっ!?」
ロイド達が放ったコンビクラフトにそれぞれ命中したクルーガー達は悲鳴を上げるとともに吹き飛ばされて壁に叩きつけられると呻き声を上げた。
「闇の雷よ――――――ヴォア・ラクテ!!」
「排除する。」
「白き刃よ――――――お願い!」
「おっと!今度はこっちの番だよ――――――」
メサイアが放った収束した暗黒の雷のエネルギーとフィーが放った銃撃、エマが放った霊力によって発生した数本の白き刃を回避したシャーリィはクラフト―――ブラッディストームで反撃しようとしたが
「うふふ、隙ありってね♪すごい―――ねこパンチ!!」
「!?あぐっ!?も~、転位、卑怯過ぎだよ~!!」
転位で側面に現れると共に強烈な一撃をお見舞いしてきたベルフェゴールの奇襲を受けて壁に叩きつけられ、ダメージから立ち直ったシャーリィは不満げな表情でベルフェゴールに文句を言った。
「エニグマ駆動――――――ダークマター!!今です、イングリット、ドゥドゥー!!」
「しまっ―――」
そこに吸引と重力で動きを制限させるアーツを発動させてシャーリィの動きを封じ込めたリシテアはイングリットとドゥドゥーに呼びかけ
「ええ!この一瞬に全てを賭ける! 翔破、裂光閃!!」
リシテアの言葉に頷いたイングリットはシャーリィに槍による無数の突きを繰り出す奥義を叩き込み
「任せろ!全てを灰燼と帰せ!奥義―――――ライオットファング!!」
ドゥドゥーは斧槍による乱舞攻撃を叩き込んだ後止めに斧槍から竜巻を発生させて、それをシャーリィに叩き込んだ。
「うふふ、”トリ”はレンが貰うわね♪さあ―――お楽しみの時間よ!それ、それ、それ……っ!ポイっと!」
そこに二人同様Sクラフトを発動したレンが一つの大鎌を二つに分けて二刀流の状態になって踊るように二刀流の大鎌を振り回しながらシャーリィに何度も斬撃を叩き込んだ後二つの大鎌をシャーリィの頭上へと放り投げた。すると二つの大鎌は6つのギロチンと化し
「イッツ、ネメシス・パーティー♪うふふ、お粗末さまでした♪」
レンが指を鳴らすとギロチンはシャーリィを切り刻んだ!
「あああああぁぁぁぁ……っ!?アハハ……さすがに、結構ヤバくなってきたね……っ!」
レンのSクラフトを受けた事によって全身から大量の血を噴出させたシャーリィは大量の血を失った事と今までの戦闘の疲労、そしてイングリットとドゥドゥーのSクラフトを受けた事による大ダメージによって戦闘不能になり、思わずその場に跪いた。
「裁きの雷よ、今ここに来たれ――――――審判の轟雷!!」
「逃がさないわ―――――メルトレイン!!」
「キャハッ♪死んじゃえばぁっ!?――――――三連制圧射撃!!」
「燃えろ――――――バーニングフォース!!」
「ナグルファル!!」
「無駄な事を!!」
「「――――――」」
ドロテアが放った上位魔術とアリサが放った炎の矢の雨、エヴリーヌが放った回避する隙間すら見当たらない程の無数の矢の雨、マキアスが放った炸裂する炎の散弾に対してゲオルグとアルベリヒはそれぞれの戦術殻に結界を展開させて防がせたが
「むんっ!受けてみよ、剣帝の一撃を――――――鬼炎斬!!」
「「!!??」」
「そんな……っ!?」
「バカな……っ!?」
レーヴェが放った魔剣による強烈な炎の斬撃波は防げず、二重の結界は易々と破壊されるとともに結界を展開していた二体の戦術殻は結界が破壊された事による凄まじい衝撃波によって吹き飛ばされて壁に叩きつけられ、それを見たゲオルグとアルベリヒは信じられない表情で声を上げた。
「好機!この一撃ですべてを断つ―――奥義!ジャストストリーム――――――ッ!!」
「フッ、もらったよ!貴族の力、見せてあげよう!ハァァァァァ……ッ!ふっ………――――――セレスティアルランサー!!」
「うあああああああっ!?」
「があああああああっ!?」
そこにそれぞれゲオルグとアルベリヒとの距離を一気に詰めたフェルディナントはゲオルグを槍で連続で斬り刻み、更に強烈な竜巻を発生させてダメージを与え、ローレンツは槍に魔力を溜めこんだ後懐から取り出した薔薇をアルベリヒ目掛けて投擲すると同時に突きを放って衝撃波を発生させ、衝撃波は薔薇を華麗に散らすと共にアルベリヒに襲い掛かり、二人のSクラフトによる大ダメージを受けたゲオルグとアルベリヒは思わず悲鳴を上げ、その隙にゲオルグとアルベリヒを挟みこんだプリネとツーヤはコンビクラフトを放った。
「―――これで決めるわよ、ツーヤ!」
「はいっ!」
「―――暗黒よ!我が仇名す者達を捉えよ!!」
レイピアに魔力を込めたプリネがレイピアを天へと掲げると暗黒の霧がゲオルグとアルベリヒを拘束し
「―――今こそ吹雪け!全てを凍てつかせる竜の吹雪よ!!」
プリネと同じように魔力を込めた刀をツーヤが天へと掲げるとゲオルグとアルベリヒを中心に極寒の吹雪が発生して暗黒の霧によって拘束された二人を凍り付かせ、そして二人は同時に地面を蹴ってゲオルグとアルベリヒに詰め寄り
「「ハァァァァァァァ………!!」」
それぞれ常人では決して見えない動きで華麗に舞いながら怒涛の連撃を次々と叩き込んだ!すると二人の連撃によってゲオルグとアルベリヒを凍り付かせた氷は砕かれ、砕かれた氷の破片は光輝きながら周囲に落ち
「「奥義!絶氷剣舞!!」」
「うあああああああっ!?くっ………またしても………!」
「ぐがああああああっ!?おのれ……想定外共がああぁぁぁぁ……ッ!」
華麗な連撃を叩き込んだ二人は最後の一撃を斜め十字する形の斬撃を叩きこんでゲオルグとアルベリヒの背後へと駆け抜けた!すると全身をズタズタに切り裂かれたゲオルグとアルベリヒは二人が斬撃を叩きこむと同時に駆け抜けた際に発生した闘気の爆発に呑みこまれ、二人のコンビクラフトを受けた事でダメージが限界に来たゲオルグとアルベリヒは悲鳴を上げてそれぞれ地面に跪いた。
「全てを断つ――――――絶――――――洸凰剣!!」
「奥義――――――洸凰剣!!」
「ハァァァァァァ…………――――――絶技・天眼無双!!」
「吼えろ――――――獅子洸翔斬!!」
ガウェインが放ってきた絶技に対してエーデルガルト、オリエ、ラウラがそれぞれのSクラフトをぶつけて対抗した。”仮面”の力によって様々な力が増幅されている”帝国最高の剣士”と称される達人の絶技に対してそれぞれの流派を”皆伝”している二人の奥義と”中伝”であるラウラの奥義がぶつかり合った際の衝撃は凄まじく、ガウェインとエーデルガルト達、それぞれを吹き飛ばした。
「せいっ!これはオマケよ!!」
「!!ハァァァァァ……ッ!」
そこにサラがクラフト―――電光石火でガウェインに襲い掛かり、サラの強襲を大剣で防いだガウェインは続けて放たれた連続の雷弾を大剣を振るって全て撃ち落とした。
「さてと……こいつで戦局を変えてやるよ。行け――――――シュトゥルム・アロー!!」
サラのクラフトが防がれるとSクラフトを発動したクロードが矢に闘気と魔力を収束させた後空高く目掛けて放ち、空高く放たれた矢は竜巻と雷を纏った状態でガウェイン目掛けて凄まじいスピードで襲い掛かり
「見切った!」
凄まじいスピードで襲い掛かった矢をガウェインは最小限の動きで回避した。
「クク、俺の切り札は”それだけでは終わらないぜ?”」
「何――――ッ!?があああああああっ!?」
しかし不敵な笑みを浮かべたクロードの言葉を聞いたガウェインが眉を顰めたその時、上空より地面に刺さった矢目掛けて雷が落ちて矢を伝って矢の周囲の凄まじい電撃を流し、その電撃の範囲内にいたガウェインは足元から電撃を受けた事で思わず声を上げて怯み、更にその間に矢を中心に竜巻が発生してガウェインに追撃をした。
「アイネス、エンネア!」
「応!!」
「援護するわ!―――どうかしら!?」
その時デュバリィの呼びかけにアイネスと共に応えたエンネアは跳躍して空から無数の矢をガウェイン目掛けて放ち
「ハァァァァァ……ッ!」
襲い掛かる無数の矢をガウェインは大剣を振るって全て撃ち落とした。
「フン―――砕け散れ!!」
「ぐ……っ!?」
エンネアの攻撃が終わるとアイネスが跳躍をしてガウェインに斧槍を叩き付けて衝撃波を発生させて追撃をし
「見切ってみなさいな―――斬!!」
止めはデュバリィが分け身と共に神速で斬り込んでガウェインにダメージを与えた!
「……っ!ふふっ、これが”現代の鉄騎隊”の”力”か。面白い――――――コォォォォォ……ハアッ!」
デュバリィ達の連携技―――デルタストリームに耐えたガウェインは身体能力を向上させるクラフト―――洸翼陣で自身を強化し
「セェェイッ!!」
デュバリィ達目掛けて凄まじい速さで走る光の衝撃波――――――洸迅剣を放った。
「奔れ、星の光――――――星光――――――紅燐剣!!」
そこにアイドスがデュバリィ達の前に割り込んで星の光を纏った広範囲の斬撃波を放ち、斬撃波はガウェインが放った衝撃波を易々と呑み込んでガウェインに襲い掛かり
「!!」
自分に襲い掛かる広範囲の斬撃波を見たガウェインは大きく跳躍して回避すると共にアイドス達との距離を取った。
「っ!私達だけではなく、他の方々も劣勢の状況に陥っているようですね……!」
「くっ……”特務支援課”……”蒼の聖典”や”銀”を欠いていて、これ程の実力とはさすがはかの”鋼の聖女”と”鉄機隊”を退けただけあって、私達では”役不足”のようでしたわね……」
「つーか、お前達、”警察”だろ!?敵の拠点――――――それも他国に潜入して破壊活動をするとか、それが”警察”のやる事かよ!?」
周囲を見回してアルベリヒ達がそれぞれ劣勢の状況であることを確認したクレア少佐は厳しい表情を浮かべ、クルーガーは厳しい表情で唇を噛み締めてロイド達を見つめ、レクター少佐は疲れた表情でロイド達に指摘し
「”旅行者”と偽ってクロスベルに潜入して様々な暗躍をしていたレクター少佐にだけはそれを言われる筋合いはないと思うのですが……」
「ハッ、そういうお前達こそ、”表”の職業にも就いているくせにこんな裏組織の本拠地の防衛を担当しているんだから、俺達に向けたその言葉、そっくりそのまま返してやるぜ!」
レクター少佐の言葉に対してティオはジト目で反論し、ランディは鼻を鳴らしてレクター少佐に指摘し返した。
「くっ……やはり工房内の人形達は完全に向こうの支配下に置かれているのか……!」
「アハハ、まさにこれが”絶体絶命”って状況なのかな?」
「おのれ、おのれ、おのれ……っ!我々の計画に何度も支障をきたし続けるどころか、この私に何度も屈辱を味わせるとは……!忌々しき異世界の想定外共がぁぁぁぁぁぁぁ……ッ!」
一方工房内にいる警備の人形兵器達を援軍に来させようと端末を操作したゲオルグだったが端末が全く反応しない事に唇を噛み締め、シャーリィは呑気に笑い、アルベリヒは憎悪の表情を浮かべ、血走った目でプリネ達を睨んでいた。
「うふふ、どんどん”三下キャラ”になっているわよ、”三下三号”さん♪」
「確かに”星杯”の時と比べると随分と余裕をなくしているね。」
「彼がそうなったのも全て、メンフィル・クロスベル連合という”黒の工房にとっての想定外の存在”による影響なのだろうな。」
「ま、そもそも”魔弓将”や”怠惰の魔王”のような伝承上でしか存在していなかったはずの”本物の魔王”を始めとした”複数の理不尽過ぎる存在”が自分達の”敵”に回るなんて、幾ら”地精の長”だろうと想定はできなかったでしょうから、あんな事になっているのでしょうね。」
「父様……」
アルベリヒの様子を見て小悪魔な笑みを浮かべたレンの言葉を聞いたフィーは頷いて静かな笑みを浮かべてアルベリヒを見つめ、ガイウスとセリーヌは静かな表情で呟き、アリサは悲しそうな表情でアルベリヒを見つめた。
「宰相殿――――――いや、ギリアス・オズボーン。今回の戦争で既に最初から連合に圧され続けている状況、そして貴方達自身もリィン君達と戦った事でメンフィル――――――いや、メンフィル・クロスベル連合という”力の一端”を知った事で、”貴方達すらも井の中の蛙”であることを思い知っただろう。貴方も”宰相”ならばこれ以上勝ち目のない戦いに挑んでエレボニアを疲弊させ、国民達の犠牲を増やさない為にも連合とリベールとの”和解”に向けて動き、そして連合を始めとした各国と協力して遥か昔からエレボニアを巣食っていた”呪い”を滅することこそが、今のエレボニアにとっての”最善の方法”である事くらいは理解しているはずだ。今からでも遅くない――――――直ちに子爵閣下を元に戻し、そして帝国政府を代表して連合に”和解”を申し出るんだ!」
「僕も兄上と同じ意見です。宰相閣下――――――いえ、オズボーン宰相。”帝位継承権第一位”を持つ者としての”勅命”です。直ちに子爵閣下を解放し、そして連合に”和解”を申し出てください!」
「………………」
「セドリック………フフ、本当に色々と成長したわね……」
「ええ……!最後にお会いした時とは比べ物にならないくらいです……!」
周囲を見回したオリヴァルト皇子はオズボーン宰相に銃を向けて降伏勧告を行い、セドリックもオリヴァルト皇子に続き、二人の降伏勧告に対してガウェインが黙り込んでいる中、その様子を見ていたアルフィンは目を丸くした後苦笑し、クルトは静かな笑みを浮かべてセドリックを見つめていた。
「ふふっ、放蕩皇子の心遣いに皇太子殿下の意外な急成長にはこの私も”喜び”を噛み締めていますが、”黄昏”が始まった以上そのような”甘い結果”はこの私も含めた誰もが納得―――――――ガフッ!?」
一方二人の降伏勧告に対してオズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべて答えかけたが突如口から大量の血を吐いて胸を抑えた。
「ゴホッ!?ゴホッ!?くっ……これは一体……っ!?」
更に何度も咳をすると共に血を吐き、オズボーン宰相は自身に起こった出来事に困惑していた。
「宰相閣下!?」
「ええっ!?オ、オズボーン宰相が突然血を……!」
「胸を抑えているようだが…………そういえば先程ステラ君の狙撃がオズボーン宰相の胸に命中したが……まさか、それが原因か……?」
突然のオズボーン宰相に起こった出来事にその場にいる多くの者達が血相を変えて驚いている中クレア少佐は悲鳴を上げ、トワは思わず驚きの声を上げ、心当たりを思い出したアンゼリカはステラに視線を向けた。
「ええ。――――――”対アンデッド用”の武装の一つである神聖魔力が込められた弾丸で狙撃したのですが……どうやらオズボーン宰相も”不死者”――――――”肉体がアンデッドの類”だったお陰で予想以上の効果が出たようですね。」
「ちなみに”弾丸”もそうですが、”対アンデッド用の矢”も七耀教会の協力によって神父やシスター達の祈りによる”聖別”も加えられていますから、”不死者”もそうですが”霊体”や”悪魔”に対してはまさに”特効”――――――それこそ、普通の人間からすれば”猛毒”を受けた時のような状況になるかと思われます。」
「くっ……そんな物まで連合は用意しているなんて……!」
「トマス教官から七耀教会も連合に協力している話は聞いてはいましたが、まさかそのような形の協力もしていたなんて……」
「ったく、テロリストのリーダーだった俺も引く程容赦なさすぎだろ……つーか、マクバーンの”焔”で生き長らえているとはいえ”不死者の肉体”を持つ俺にも効果がありそうだから、その”対アンデッド用の武装”とやらで俺を攻撃するのはマジで勘弁してくれよ!?」
アンゼリカの疑問にステラが答え、ステラの説明をプリネが補足するとゲオルグは唇を噛み締め、エマは複雑そうな表情でオズボーン宰相を見つめ、疲れた表情で溜息を吐いたクロウは表情を引き攣らせてリィン達に指摘した。
「フム、”対アンデッド用”の武装についての説明は受けてはいたが、まさかあそこまで効果的とはな。」
「フフ、という事はオズボーン宰相と同じ”不死者”である”黒のアルベリヒ”もそうだけど、猟兵王にもメンフィルから支給されている”対アンデッドの武装”の一つであるこの矢で仕留める事ができるという訳ね。」
一方アイネスは興味ありげな表情で背中に背負っている神聖魔力が込められた斧槍に視線を向け、エンネアは腰につけている矢筒の中に入っている神聖魔力が込められた銀の矢の束から一本の銀の矢を取り出して意味ありげな笑みを浮かべてアルベリヒを見つめた。
「宰相閣下、ご無事ですか!?」
「ふふっ、喚くな、アルベリヒ。――――どうやら、お前を使わざるを得ないようだな――――――イシュメルガよ。」
真剣な表情で声を上げたアルベリヒの心配に対して口から血を流しながら不敵な笑みを浮かべて答えたオズボーン宰相が呟くとオズボーン宰相の背後に”黒の騎神イシュメルガ”が現れてオズボーン宰相を核の中へと入れた。
「く、”黒の騎神”……!」
「あれがキーアの話にあった……」
「うん……”全ての元凶”だよ。」
イシュメルガの登場にマキアスは不安そうな表情で声を上げ、厳しい表情でイシュメルガを睨むロイドの言葉に未来のキーアは真剣な表情で頷いた。
「レン皇女殿下!」
「シュバルツァー少将閣下!」
その時後方に控えていた工作部隊がそれぞれ左右のルートから現れてリィン達に合流し
「”レヴォリューション”より、『これより突入並びに撤退の援護をする』との連絡が入りました!」
「そうか……!」
「うふふ、グッドタイミングね♪」
工作部隊の報告を聞いたリィンとレンが明るい表情を浮かべると、上空に魔法陣が現れ、魔法陣からはレヴォリューションとカレイジャスが現れた!
「な――――――」
「”カレイジャス”と”灰色のカレイジャス”だと……!?」
二機の飛行艇の登場に驚いたクレア少佐は絶句し、レクター少佐は信じられない表情で声を上げた。するとカレイジャスからはクロチルダとトマスが転位魔術で現れ、レヴォリューションの甲板からはリウイ、カーリアン、ファーミシルス、リアンヌ、ギュランドロス、ルイーネ、エルミナ、パティルナ、そしてオーレリア将軍が跳躍して着地し、更にペテレーネとリフィア、エクリアが転位魔術によって現れた――――――!
後書き
という訳で今回の話の最後で冗談抜きでイシュメルガも涙目になるであろう超過剰戦力の増援の到着ですwwなお、リウイ達の登場時のBGMはVERITAの”覇道”だと思ってください♪
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