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夢幻水滸伝

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第百三十七話 連勝を見てその四

「それは食べないとあかんさかい」
「全くやね、しかしガルパン君どうも」
「どないした?」
「いつもながらお酒入ると普段以上に明るいね」
「持ち前の明るさがやな」
「もっと明るくなって」
 それでというのだ。
「底抜けになるね」
「自分でも思うわ、起きた時の世界でもな」
 そちらの世界でもとだ、ガルパンはビクトリアに笑って返した。
「こんなんやし」
「普段から明るくて」
「飲むとな」
 そうすればというのだ。
「尚更で」
「明るくなって」
「もうどんどんな」
「明るくなって」
「そしてな」
「お喋りになって」
「歌も歌ってな」
 そしてとだ、ガルパンはビクトリアが勧めてきた酌を受け取ってからそのうえでその酒を飲んでまた言った。
「さらにな」
「飲むね」
「こうしてな」
「そやね、ガルパン君は」
「ちなみに日本酒も好きやけど」
 ガルパンはさらに話した。
「一番好きなのはモヒートやな」
「カクテルやね」
「それに甘いお酒や」
「カリブ海にあるみたいな」
「そんなお酒が一番好きや」 
 酒は何でも好きだがというのだ。
「ほんまにな」
「そやねんね」
「ビールも好きやし」
 こちらの酒もというのだ。
「まあお酒はな」
「どれも好きやねんね」
「そや、ほな今は日本酒飲んで」
「お好み焼きをやね」
「食べような」
 こう話してだった、実際に彼等はお好み焼きを注文した。そうして来た広島風のお好み焼きを前にしてだった。
 ビクトリアはそれを皿に一緒に添えられていたへらで切りつつこんなことを言った。
「広島風のお好み焼きがあって」
「大阪のもあるな」
 サンチェスはこちらのお好み焼きを話に出した。
「そやな」
「こちらの世界でも」
「頭は全力でこっちが本物と言われるけど」
「実際どうなのでしょうか」
「あちらは大阪焼きと言われて」
 尚この世界では『大阪』ではなく『大坂』となる。
「そのうえで」
「召し上がられてもですね」
「お好み焼きはどっちかというと」
「こちらで」
「もうその主張は絶対普遍で」
「何があっても言われるから」
 広島のものこそがお好み焼きと、というのだ。
「それがな」
「頭のアイデンティティーですね」
「広島人としての」
「野球は鯉で」
 欧はスポーツの話を入れた、尚この世界でも野球は存在している。
「サッカーもあちらで」
「そしてお好み焼きはこちらと」
「譲れんもんを持っておられるな」
「ほんまにそうですね」
「方言もそのままやしな」
 アグノンはもうお好み焼きを食べはじめている、そのうえでの言葉だ。
「広島、安芸の」
「生粋の広島人やな、しかし」
 ガルパンもお好み焼きを食べている、そのうえでの言葉だった。
「おいらっち達の言葉はっていうと」
「関西やからな」
 日本語のそれはとだ、欧はガルパンに応えた。 
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