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夢幻水滸伝

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第百三十六話 二度目の勝利その十三

「我の武芸に勝てるか」
「神星、六将星のか」
「それにや」
「そう言うと僕も自分と同じ神星でや」
「六将星やな」
「そや、武芸でも負けんで、龍は防いでる」
 雷達を出してというのだ。
「そして自分もな」
「雷で攻めてるな」
「これで少なくとも互角、互角になれば」
 その状況になればというのだ。
「僕は負けん」
「そうなったらか」
「互角という土俵に上がれば」
 その時はというと。
「そこから押し切ったるさかいな」
「力士さんみたいなこと言うのう」
「相撲はあまりせんがな」
 中里はここでは軽く返した。
「それでもな」
「互角になればか」
「そこからな」
 まさにというのだ。
「押し切ったるわ」
「今でもか」
「そや、それを見せたるわ」
 今からと言うのだった。
「ええな」
「ほなそれを見せてみい」
 羅も中里のその言葉を激しい切り合いの中で返した、雷と龍が荒れ狂う中で二人はそうして銀の火花を散らしている。
「我にな」
「そのつもりや、ほな」
「おう、どうする」
「千鳥は雷に加えて」
 さらにというのだ。
「雲を出すさかいな」
「雲?まさか」
「これもや、見るんや」
 中里は羅と間合いを離したうえですぐにまた千鳥を上に掲げた、すると。
 雨が降った、雷を出す雲から。
 その雨の中で彼は言うのだった。
「伊達に出したか」
「そんな筈ないな」
「そや、この中で戦わせてもらうで」
「我の身体冷やすつもりか」
 羅はまずはこう考えた。
「それで動きを鈍くするか」
「そう思うか」
「いや、ちゃうな」 
 羅はそれは違うと察して言葉を返した。
「それは」
「そや、狙いは僕が勝った時に言う」
「我が勝った時に聞かせてもらうわ」
「そう言うか、ほな雨にも負けず」
 来日して覚えた詩の一節を出してだった、羅は。
 その両手に持つ青龍偃月刀を手に再び中里に向かった、中里もその雨の中での戦いに戻った。二人共雨の影響で服が水に濡れて重くなることを察してだった。
 二人共動いた、しかし。 
 中里は先程の千鳥だけでなく童子切も振るった、そうして衝撃波を出す。羅も既に青龍偃月刀から衝撃波を出していたが。
 数が違った、二刀流で出す衝撃波はその分だけ数が多い。しかも羅の青龍偃月刀はその大きさ故に大振りになる、衝撃波の威力は大きいが。
 その分数が少ない、だが羅はその威力で中里の二刀流の衝撃波を相殺していた。それで言うのだった。
「衝撃波位わかってるわ」
「そやな」
「それで出すか」
「そや、この衝撃波で終わりやない」
 中里は雨の中で言った、雨は既に豪雨となっており二人を激しく打ち据えている。
 その中でだった、中里は。
 再び千鳥をかざした、それに合わせて。 
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