【ネタ】アホの子ルイズちゃん
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第三話
前書き
この小説は原作を知っていることを前提にはしょりまくってるので、知らない人は是非原作を買おう!(宣伝)
あと、なんかルイズちゃんの性格にブレが生じる時があるけど軽くスルーしといて。
こんにちは。私、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
もう、長いからルイズでいいかなと思っている今日この頃。
決闘騒ぎの後、サイトはギーシュと友達になったらしい。
キュルケともどうやら親密な仲になったらしく、それをきっかけにタバサとも知り合ったとか。
使い魔の人脈が増えることはいいことだよね。友達百人が目標かな。
そういえば、今日はサイトに武器を買って欲しいと言われてた。
まともな武器がないといざという時に護れない、という言い分に納得したので、みんなで行くことになりました。
私もこれを期にお母様みたいにナイフを靴に仕込んで貰おうかな、なんて考えたりもしています。
さて、今日も一日頑張ろう。
タバサの使い魔である風竜―――シルフィードの背に乗り、ブルドンネ街へと足を運ぶ。
「あれ、思ったよりも綺麗なんだな」
「昔はこれ程じゃなかったけど、私が路地裏とかの汚さをお母様に指摘したら、いつの間にか綺麗になってたのよね」
だって、あれは流石に汚すぎるって思ったんだもん。
表通りはともかく、裏通りは惨憺たるありさまだったし、不衛生だって進言したらお母様がなんとかしてくれたようで、今では綺麗さっぱり。
噂ではそれを切っ掛けにブルドンネ街に住む平民に活気が増し、商人との交流も盛んになったことで経済が活性化したとかしないとか。
そのことでマザリーニさんに私の発案と言うことが伝わり、感謝の書状と恩賞として沢山のお金をもらったことは記憶に新しい。
誰だって汚いのより綺麗なのがいい証拠だね。
私もお小遣いもらえて、みんな幸せ。
「世の中何がお金になるか分かんないわよねー。トリステインにいると、ルイズが如何にトリステイン貴族らしくないかも、ね」
「まぁ、周りのメイジと比べてもお高く止まっていないし、平民に対しても普通に接しているで、昔からこんななのか?」
「ええ、そうよ。こんな性格している癖に勉強は主席、それこそまともな欠点といえば魔法が例外なく爆発するってぐらいのハイスペックな子よ。トリステインに生まれてなければ出世街道まっしぐらなのに、ここの堅苦しい風習がそれを許していないのを見ていると、つくづく下らないなと思うわよ」
「随分持ち上げるんだな。ルイズの家柄とは因縁があるんじゃないのか?」
「あら、ルイズに聞いたの?確かにそれは変わらないけど、この子相手に恋愛で戦うって馬鹿らしくない?」
「………まぁ、確かに」
「―――同感」
みんなして何か話している。
除け者はズルイ、と抗議しようと思ったけど、その前に武器屋についたのでやめた。
「ここが武器屋か。如何にもって感じだな」
「こんな裏通りにある武器屋で、まともな武器が手に入るのかしら」
キュルケの疑問も仕方ない。
魔法に比べてこういう武器系列はどうしても低く見られてしまうせいで、こうして人気の無い場所に追いやられてしまう傾向にある。
これがゲルマニアとかならその限りじゃないんだろうけど、トリステインはねー。
「いざとなればキュルケ名義で武器を取り寄せてもらいましょう。別にいいでしょ?」
「まぁ、ダーリンの為なら構わないわよ。でも、お金は貴方持ちだからね」
サイトをダーリン呼ばわりしているキュルケ。
いつもの恋愛癖が出た、と思ったけど今まで彼女の取り巻きに対しダーリンなんて呼び方をしたのは今回が初めての筈。
ということは………ようやく本命となる相手を見つけた、そしてその相手がサイトだということか。
いつ身を固めるのやらと心配したりもしたが、ようやくその気になったらしい。
友人としても、どこの馬の骨に渡すよりかは、使い魔と付き合ってくれた方がまだ気が許せるというもの。
サイトもまんざらでもなさそうだし、これで当面の憂いのひとつは解消できた。よかったよかった。
「キュルケも払いなさいよ。サイトを狙っているんだったら好感度上げに打って付けだと思うけど」
「………それもそうね」
キュルケにそう提案する。
出来るだけお金使いたくないって理由もあるんだけど、それ以上に応援してあげたいという気持ちもある。
本人達が良いというならば、応援するのが友人としての勤め。
そうして武器屋に入る。
古今東西の武器に目移りしていると、武器屋の店主がそそくさと現れる。
「き、貴族様。ウチは貴族様に目つけられるような商売をしているつもりは―――」
「武器を買いに来たの」
完結に用件だけ述べると、店主が目を見開く。
「貴族様が剣を、ですか?」
「違うわ。彼が使うの。………でも、そうね。私にもお願いしようかしら」
今度はサイトが目を見開く。
「お、おいルイズ。お前剣なんか使えるのか?」
「長剣は流石に厳しいけど、これでもお母様に手ほどきはしてもらっているわ。とは言っても、私が使うのは短剣だけど」
「短剣なんか、何に使うんだよ」
「色々あるわよ。袖に仕込んでおけば虚を突く投擲も可能だし、短剣としてではなく、刃だけを靴に仕込めばただの蹴りより威力は格段に上がる。メイジだからって魔法しか使わない、なんて思っている相手にはこれ以上とない攻撃だと思わない?」
説明すると、サイトだけでなくキュルケもげんなりしていた。
「………貴方、本当にえげつないというか、それとも母親がかしら。どっちにしたって、トリステインの風習に唾吐き捨てるようなことするのが、彼のヴァリエールってどうなのかしら」
「思考停止は愚か者のすることよ。私には爆発魔法しかないから、使えるものは何でも使う。何か問題ある?」
だいたい、マザリーニさんにもその辺の問題を持論と他国との比較による論述を行ったことあるけど、結局何か変わった様子もないし、それだけ業が深いってことなんだろう。
それを否定するつもりはないけど、押しつけられるのだけは嫌だな。
お母様なら、その風習を作った相手が目の前にいたら、間違いなく延髄に蹴りをぶちこんでいるわね。縛られるのが嫌いな人だから、余計にね。
「ということで、私は店主に色々見繕ってもらうから、サイトは自分の武器を探しなさい。武器を使えるっていうぐらいだから、知識はあるんでしょ?」
「あ、ああ。わかった」
店主に要望を伝えていく後ろで、サイト達が雑談を織り交ぜながら武器を選んでいる。
そんな中ルーンが光っただの、おでれーただの聞こえたけど、私は自分の買い物に夢中なので詳しくはわからなかった。
「おまたせー、ってその剣がいいの?」
「ああ。俺はこれがいい」
「ああんもう、ルイズも言ってよ。こんなボロ剣よりもっといい武器あるんだから、考え直してって」
「おうおうおう、ボロ剣だなんて随分失礼なこと言うじゃねぇか!俺様はデルフリンガーって名前があるんだぞ」
サイトの手に握られた剣が、震えながら声らしきものを発している。
「インテリジェンスソード?」
「おうともよ。これでも由緒正しい年代物だぜ」
「ふぅん。店主、幾らかしら」
「へぇ、そいつは新金貨100で結構でさぁ。貴族様が見繕った例のものは、その半分で」
少し高いかと思ったが、インテリジェンスソードだしそんなもんかと納得する。
言われたとおりに会計を済ませる。
「ルイズ、結局何を買ったんだ?」
そう言いながらサイトの視線は袋に向けられる。
「秘密。それよりも折角王都に立ち寄ったんだから、色々観光しましょう。サイトの服も買わないとだし」
「だったら私がダーリンをコーディネートしちゃうんだから」
「本も買いたい」
「俺は願ったり叶ったりだけど、いいのか?」
「今更ね。これだけ大枚はたいた後なら、服なんて安すぎるくらいよ。貴方は私の使い魔なんだから、遠慮しない」
「………ありがとう」
満場一致になったところで、私達は武器屋を後にした。
※余談1
キュルケがサイトを着せ替え人形にしていたけど、あれも一種の愛の形なんだろうか。
サイトの助けを求める声が聞こえた気がしたけど、あの輪に割って入るのは気が引けたので無視しておいた。
※余談2
シルフィードがいるってことで遠慮無く買い物するものだから、帰りは行きの半分の速度で飛んで帰った。
頑張っていたし、帰ったらご飯をあげようと思った、まる。
後書き
どうしても文章量が減るこの小説ではタバサの影が薄い。好きなんだけどね、無口キャラは使いにくい。
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