曇天に哭く修羅
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三部
食えない奴
前書き
_〆(。。)
試合で勝った龍帝学園のメンバーはそのまま帰っていくが、紫闇とクリスの二人は黒鋼の屋敷に立ち寄っていた。
テレビを見ている最中だ。
『本日から【領域内戦争】が始まる! 今年の注目は関東領域の龍帝学園でしょう。【日英親善試合】を制した彼等が【全領戦】の出場権を得るのか? 今年は関東が話題と波乱の中心になりそうですね』
何処もかしこも領域内戦争と全領戦に関しての番組しかやってない。
それもまあ仕方ないだろう。
日本の【魔術師】にとっても一般人にとっても国内で最大の天覧武踊なのだから。
────────────────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
領域内戦争。
日本に在る8つの領域
北海道/東北/関東/中部
近畿/中国/四国/九州
その各領域に存在する魔術学園同士で行われる特別な戦いのことだ。
勝ち抜いた学園が全領戦に出られる。
全領戦は日本一の魔術学園を決める超ビッグイベントであり、普通の学生魔術師はここで優勝することを目指す。
────────────────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「へー、なかなかだね」
「そうね、本当に」
「それ以上でも以下でもない」
黒鋼焔、クリス・ネバーエンド、立華紫闇は紹介される選手達を見てそう結論付けた。
全国の強豪校に居る注目株。
特にエース級の面構えやオーラは強者とされるに相応しいと言って良いだろう。
だが紫闇には物足りなかった。
《橘花翔》や《江神春斗》は当然として、《レックス・ディヴァイザー》と比較しても二段は劣っている。
そこで紫闇はふと思い出す。
(確か【刻名館】に転校したって聞いたけど、『あいつ』はどうしてんのかな。不良が多いし校風も合ってないと思うんだが)
脳裏に浮かぶのは龍帝で初めて戦った相手であり、紫闇を打ち負かして心を折った小学生にも見える小柄で根性の有る男子。
「気にしてもしょうがないか」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
次の日、龍帝学園生徒会長の《島崎向子》から組み合わせの連絡が入る。
「試合は2日後。メンバーはあたし、立華君、的場君、クリスちゃん、エンド君」
相手は埼玉の【風天学園】
しかし向子と紫闇の幼馴染み《的場聖持/まとばせいじ》には、対戦相手よりもっと気になっていることが有った。
刻名館学園。
というよりその生徒会長。
《矢田狂伯》のことだ。
同じ関東領域なので彼も敵。
何処の魔術学園でも最強の学生魔術師は生徒会長だというのが当たり前。
聖持は溜め息を吐く。
「強いのはしってる。けどそこまで警戒するような存在なのか? 俺は兎も角として、聖持や会長までもが」
紫闇の疑問に答える聖持が言うところ、面倒臭い人物であり、向子が嫌がるくらい暗躍するので正面から戦った方がマシなのだという。
エンドとクリスは疲れた顔をした。
「あたしのことは置いといて狂伯君のことだもん。戦う前から仕掛けてくるよ。他校と一緒に龍帝を叩くくらいは。やっぱり彼が龍帝から転校したのは惜しかったね~」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「もしもし狂伯くーん。さっきまで君のことを話してたところなんだけど~」
「そーなんです?」
「君が何か企んでるんだろうけど出来れば止めてほしいんだよね~」
「え~? やだよそんなの。せっかく向子さんと戦れる機会なんだし。まあそんなわけで、宣戦布告させてもらうから」
狂伯の言葉に向子が笑う。
見た者が震え上がるような顔で。
「まああたしと狂伯君がガチでバトるなんて珍しいことだしね。けど、この大会も『プラン』に入ってることを忘れちゃ駄目だぞ?」
立華紫闇を強化して【神が参る者/イレギュラーワン】として成長させる。
今回は魔神を除いてイギリスで最強だったレックス・ディヴァイザーよりも上の敵と戦わせなければならないので大変だ。
「そこは割り切ってる。ちゃんと人材を探して仕上げといたから大丈夫」
「信用できるような出来ないような」
「だからこそ面白い。でしょ?」
食えない奴だ。
そう思う向子。
だが悪い気はしなかった。
後書き
_〆(。。)
ページ上へ戻る