ミニ豚からわかったこと

　　　　　　　　　　　　　　　　ミニ豚からわかったこと
　後藤田麗子は一人暮らしが寂しくなって家族を求めて仕事帰りに帰り道にあるペットショップに入ってそこでその生きものを見て若い男の店員に言った。
「ミニ豚もいるんですね」
「はい、可愛いですよ」
「豚もペットになることは聞いていましたけれど」　
　黒髪をロングにしている、目は小さく眉は細く長い。背は一六四程で整ったスタイルをしている。服装は紫のセーターに緑のコート、えんじ色のロングスカートというものだ。
「このお店もいてですか」
「はい、飼い方はご存知ですか？」
「どうして飼いますか？」
「それですが」
　店員は麗子にミニ豚の飼い方を簡単に話した、そうしてあらためて彼女に言った。
「ミニ豚のことに詳しいサイトもありますので」
「そうしたサイトからも勉強出来ますね」
「それで飼えそうでしたら」
　その時にというのだ。
「如何でしょうか」
「はい、勉強して」
　そしてとだ、麗子は店員に真面目な顔で答えた。
「それから決めます」
「そうして下さい、命を預かりますから」
「真剣に考えて勉強してですね」
「飼って頂ければ」
　そうしてもらえればというのだ。
「私達も有り難いです」
「それじゃあ」
　麗子は一旦家に帰って数日間仕事が終わると自宅でミニ豚について勉強した。そして自分も飼えるそして飼いたいと思ってだ。
　また仕事帰りにペットショップ立ち寄った、そして店員に話した。
「ミニ豚一匹飼わせて下さい」
「わかりました、どの子にしますか？」
「この娘にします」
　雌とボックスのガラスの窓に書かれているピンクの豚を見て話した。
「最初にこのお店に来た時に目に入って」
「それで、ですか」
「可愛いと思っていましたし」
「その娘いい娘なんですよ」
　店員は麗子にその豚を見つつ話した。
「大人しくてのどかで」
「そうした娘ですか」
「はい、ですから」
「一緒にいてですね」
「きっといい家族になれます」
「そうですか、じゃあ」
「宜しくお願いします」
　その娘をとだ、店員は麗子に笑顔で話した。こうしてだった。
　麗子は雌のミニ豚を家族に迎えた、その娘をメアリーと名付けてそうして可愛がりはじめたがその中で。
　自宅のマンションに来た友人の秋月紗理奈、茶色のショートヘアであどけない顔に大きな胸が印象的な彼女にこう言われた。
「犬や猫じゃなくて」
「そう、ミニ豚にしたの」
　同居人はとだ、麗子は紗理奈に笑顔で答えた。
「ペットショップで目に入ってね」
「それでなの」
「勉強して私も飼えるって思って」
「慎重に選んだのね」
「家族にするから」
　それでとだ、クッションの上に座ってテーブルを囲んでいる友人に話した。
「だからね」
「そうね、命だからね」
「大切にしないといけないから」
　それ故にというのだ。
「慎重に選んだし」
「それで決めてなの」
「そう、そしてね」
　そのうえでというのだ。