戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~
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第25節「混沌のラメンタービレ」
前書き
つい三日ほど前、勝手に天上人扱いしていた竜胆さんからフォロバされました。
フォローしたけどまあ見ておらんでしょ、とか思ってたらフォローしてるの気付かれてたので気分は完全にDIOに見られたジョセフ()
これ、G編終わったらレゾナンス読んでみないと失礼かもしれない……とは思うものの、さて……この鉛のように動かぬ食指をどう動かしたものか……。
シンフォギア見始めたのも、フォロワーに紛れた適合者からオススメされて踏み出した所あるし、既に読んでる人がプレゼンしてくれたら動くんだろうか?
っと、そんな私事はさておき、昨日翼さんの誕生日祝いに思いっきり甘いおがつばを投稿しておいてなんですが……翼さん、今回もしんどい感じですねぇ……。
おがつば推しがちょっとしんどくなる回です。試し読みさせた友人の目から光が消えました(苦笑)
しんどくなったら昨日の奴で糖文補給してください!え?サラっとリピート推奨しやがったなって?当たり前だよなぁ?←
それでは、推奨BGMはお好みでお楽しみください!
数か月前、F.I.S.内シミュレータールーム
武装組織フィーネとして決起するより前の事。
マリアはツェルトと調、切歌を伴い、戦闘訓練を行っていた。
最新鋭のMR技術を使ったシミュレーターは、二課のものよりも高い精度でのシミュレーションが可能であり、静電気を用いることで敵生体の感触さえ再現するというオーバーテクノロジーっぷりを誇る。
これ一つ取ってみても、米国の異端技術応用がどこまで進んでいるかが見て取れる。
「はぁぁぁぁぁッ!」
「やぁッ!」
「でぇッ!」
ただ、ナスターシャ教授の訓練は甘くない。
ノイズに紛れて一般人も紛れ込むのが、この訓練の厳しいところだ。
間違って一般人を攻撃した瞬間、訓練は失敗。シミュレーションが一時中断するようにプログラムされている。
ノイズを攻撃する傍から飛び出してくる一般人をなんとか避けながら、マリアはノイズだけを撃破していく。
そこまで数は多くないとはいえ一瞬でも気が散れば、その裂槍は無辜の命を貫き、殺すだろう。
ノイズだけに集中するマリア。その耳に、ナスターシャからの通信が入った。
『マリア、この回線はあなたにだけ繋いでいます。調と切歌、ツェルトの三人には、私達の声は届いていません』
「またあの話? 私にフィーネを演じろと」
ここ数日、ナスターシャはマリアにそんな話を持ち掛けていた。
ルナアタックの後、米国政府は月軌道のズレと、そこから生じる災厄に関する情報を隠蔽し、自分達だけが助かる為の計画を進めている。
それを快く思わないナスターシャは、自国政府に敵対する事を承知で、彼らの計画に必要なものを掠め取る計画を建てていたのだ。
『私達の計画遂行のためには、ドクター・ウェルの助力が不可欠。彼をこちらへ引き入れるためには、あなたの身体にフィーネが再誕したこととし、我々こそが異端技術の先端を所有してると示せば、彼はきっと……』
「無理よ……。確かに私達はレセプターチルドレン、フィーネの魂が宿る器として集められた孤児だけど、現実は……魂を受け止められなかったわ。今更そんなッ!」
アームドギアから放たれる一筋の閃光。
その輝きは一直線にノイズを焼き払ったが……同時に、ノイズに囲まれていた一般人を貫いた。
「ッ!?」
「マリィ……?」
【Failed Mission Incomplete】
ミッション失敗を示す赤いウィンドウが表示され、ツェルト達が振り返る。
投影機が稼働を停止し、周囲は深夜の街から殺風景なシミュレータールームへと戻っていった。
「どうしたんだマリィ、君らしくも──」
ツェルトがマリアに駆け寄ろうとした時、シミュレータールームの入り口から拍手が彼の言葉を遮る。
「──この空気の読めなさ、何か癪に障る拍手の癖は……」
「シンフォギア・システム、素晴らしい力だ。そして、適性の薄い君達に力を授ける、僕の改良したLiNKERも……」
ツェルトが顔を顰めて振り返ると、声の主……件のドクター・ウェルは、切歌の肩や調の耳を撫でるように触っていた。
無論、彼は天才であり、少々エキセントリックな性格をした英雄願望持ちという奇人ではあるものの、決してロリコンではない。
触れているのは彼女らではなく、纏っているギアの方なのだろう。
……もっとも、絵面はどう見ても変質者のそれであるのだが。
「この力を以てすれば、英雄として世界に……んふふふふふふ……」
思いっきり、虫を見るような目でウェルを睨むマリア。だがツェルトはその程度では、ウェルは気にも留めない。
それをよく知っているツェルトは、思いっきり溜息を吐いてから口を開く。
「二人に触るな、ロリペドクター。他の連中に言いふらすぞ?」
「なぁッ!? 誰がロリペドですか! この僕の名誉に傷をつけるつもりですか?」
「今更傷付くような名誉があるのか? 顔だけはいいアーニム・ゾラ、くらいの扱いが妥当だろ。こんなところで幼女に手ぇ出してないで、とっとと陰気臭い研究室に戻ってお薬の研究でもしてたらいいんじゃないですかね、ミスター・ロリペドクター?」
「ホンットカチンと来ますねぇ! いい歳こいて子供向けコミックが手放せないオタボーイのクセに、生意気なんですよ君は!」
「マーベルコミックの何が悪い! あれは聖典だ! 俺の人生はあれに育まれたといっても過言じゃねぇんだよッ! この三流子悪党系マッドサイエンティスト!」
「僕は英雄だッ! そして天才だぞッ! 凡夫の一人に過ぎない君には分からないでしょうけどねぇ! この全頭髪若白髪ボーイ!」
「お前にゃ言われたかねーよ!!」
気付けば少々幼稚な口喧嘩の応酬になってしまっているものの、ウェルの手が二人から離れる。
その隙に調と切歌はそそくさとウェルから離れていった。
(確かに、ドクター・ウェルは私達がギアを纏うのに必要なLiNKERを調整できる数少ない人材。マムの処置だけなら、医療班のドクター・アドルフの方が信用できる。でも、聖遺物研究とシンフォギアへの理解を鑑みれば、ウェル以上の適任は居ない……)
ツェルトとの口喧嘩を続けているウェルを見ながら、マリアは考える。
この光景だけであればまだギリギリ親しみが持てそうに見えなくもない……かもしれない。
だが、彼が時々見せる狂気を孕んだ笑みは、見るものの嫌悪感と不安を掻き立てる。
(本当に、こんな男を味方に付けなくてはいけないの? その為に、調や切歌を……何よりツェルトを騙さなくてはいけないの?)
迷い続けたものの、他に道はない。
結局マリアは今の結論に辿り着いた。
(何の罪もない人々が大勢死ぬよりは……。私達の個人的な感情より、優先されるべきは救われる命の数よね……)
苦渋の決断の後、マリアはナスターシャ教授からの提案を承諾。
フィーネを名乗り、今に至るのだった。
そして現在、日本国内 沖ノ鳥島付近の海域。
静寂の夜空を、エアキャリアは姿を隠して飛行する。
その操縦桿を握るマリアは一人、今朝、ナスターシャ教授に言われた言葉の意味を考え続けていた。
(マムはこれ以上フィーネを演じる必要はないと言った……。神獣鏡とネフィリムの心臓……フロンティア起動の鍵が揃った今、どうしてマムは、嘘を吐く必要はないと言ったのか……)
モニターには、エアキャリアの現在位置と、目前に迫る目的地が表示されている。
東経135.72度、北緯21.37度付近……。
【FRONTIER DESTINATION】と表記されたその座標には、まるで大陸のようなシルエットが示されていた。
ff
その頃、調と切歌は医務室にて、ウェル博士によるメディカルチェックを受けていた。
ベッドに寝かされ、スキャナーが二人の身体に残るLiNKERの影響を精査していく。
「オーバードーズによる不正数値も、ようやく安定してきましたね」
「よかった……。これでもう、足を引っ張ったりしない」
切歌のメディカルチェックが無事に完了し、調は安心したようにそう言った。
「LiNKERによって装者を生み出す事と同時に、装者の維持と管理もあなたの務めです。よろしくお願いしますよ」
「分かってますって。勿論、あなたの身体の事もね」
あなたの命綱は自分が握っている、と暗に言われているようで、ナスターシャ教授はウェルを睨みつけた。
今朝……落下してきた鉄パイプから、アタシと調を守った謎のバリア。
アレはどう見たって、普通の人間には出来ないトンデモ……。
なんで、あんなものが……。
(あれは……アタシのしたことデスか……? あんな事、どうして……)
それが何かを理解した瞬間、アタシの全身を悪寒が駆け巡る。
(いや、でも……あんなことができるのは……じゃあ、今、アタシの中には……)
間違いない。あれはフィーネが有する能力……。
それはつまり、アタシの中に刻まれたフィーネの刻印が、目覚めかけているということ。
それが意味する事実に気が付いた瞬間、全身から冷たい汗が噴き出す。
「どうしたの、切ちゃん?」
「ッ! なっ、なんでもないデスよ~!」
顔を覗き込もうとしてきた調に、思わず手を振りながら慌てて答える。
「そう?」
「そ、それよりアタシ、お腹すいたデス! 今日の晩ゴハンは何デスか~?」
「えーっとね、確か、ツェルトが持ってきてくれた材料があるから……」
話題を逸らし、その間にホッと溜息を吐く。
調に、心配をかけるわけにはいかないのデス……。
調を守るって決めたアタシが、調を悲しませるような事なんて、言えるわけが……。
うう……背筋が凍り付きそうデス……。
でも……この事は、絶対絶対、バレないようにしなきゃ……!
響達だけでなく、F.I.S.の少女達の胸の迷いも今、混沌を極めようとしていた。
ff
「これは、翔と響くんの体のスキャン画像だ」
叔父さんは、医務室のベッドで体を起こした俺達二人にも見えるように、レントゲン結果をモニターに映した。
響の心臓や、付近の血管からは黄色の結晶が生えており、俺の心臓にも、灰色の刃のような結晶ができてしまっている。
一目でも分かる進行具合に、その場の誰もが目を伏せた。
「体内にある生弓矢とガングニールが、更なる侵食と増殖を果たした結果、新たな臓器を形成している。これが二人の爆発力の源であり……命を蝕んでいる原因だ」
「──くッ……」
「……あは……、あははは……」
響の笑い声に、全員が振り返る。
暗い雰囲気を誤魔化そうとして、作り笑いをしているのは誰の目にも明らかだろう。
「つまり、胸のガングニールを活性化させるたびに融合してしまうから、今後はなるべくギアを纏わないようにと──」
「いいかげんにしろッ!」
誤魔化し笑いを続ける響の腕を掴んだのは、姉さんだった。
その眼差しは、今にも泣きそうなくらい揺れている。
「なるべくだと? 寝言を口にするなッ! 今後一切の戦闘行為を禁止すると言っているのだッ!」
「翼さん……」
「このままでは死ぬんだぞッ! 立花ッ!」
「──ッ」
姉さんの目には、既に涙が溜まっていた。
今にも溢れ出しそうなそれは、姉さんが厳しい言葉の裏に隠した感情を伝えてくる。
「お前もだ、翔ッ! 立花も……お前まで死んでしまったら……私は……わたしは……くッ……!」
「姉さん……ッ!」
「あっ、オイッ!」
姉さんは雪音の制止も聞かず、医務室を飛び出して行ってしまった。
……確かに、俺が死んじゃったら、姉さんは独りぼっちになってしまう。
父さんからの愛情を感じられずに育った姉さん。
そんな姉さんの支えになっているのは、間違いなく弟である俺だ。
その俺と、そして将来の義妹として可愛がっている後輩であり、奏さんが救った命でもある響を同時に喪えば、姉さんは今度こそポッキリと折れてしまうだろう。
「この中で一番辛いのは、間違いなく翼さんだ……。無理もない……」
純の呟きに、響も、雪音も黙り込む。
空気が沈みかけているのを見かね、口を開いたのは叔父さんだった。
「医療班だって無能ではない。現在、復帰した了子くんと共に、対策を進めている最中だ」
「了子さん、戻ってるんですか!?」
「ああ。一昨日から、ラボに籠りっきりで頑張ってくれている。その内顔を見せに来るだろう」
響と顔を見合わせて喜ぶ。
了子さんが戻って来てくれているならば、きっと何かいい方法が見つかるはずだ。
「治療法なんて、すぐに見つかる。そのほんの僅かな時間、ゆっくりしてもバチなどあたるものか」
そう言って叔父さんは、俺と響の頭にポンと手を置いた。
「だから今は休め」
「師匠……わかり、ました……」
「叔父さん……ありがとうございます」
叔父さんの手が離れた後、俺は純と雪音の方を見る。
「純、雪音、俺達の代わりを頼む」
「ああ……任せとけ」
「翔と立花さんの二人分、僕らで頑張るよ」
そう言うと純は、俺に拳を突き出す。
俺はそれに応じ、自分の拳を付き合わせた。
「涙など、剣には無用……。なのに、何故溢れて止まらぬ……ッ」
医務室前の廊下で、翼は壁を一発殴りながら、そう呟いた。
両目には涙があふれ、その頬を伝っている。
何もできない自分への悔しさが。二人を失う事への恐怖が、彼女の中で渦を巻く。
(今の私は……仲間を、弟を守る剣に能わずという事か……ッ!?)
「翼さん」
聞きなれた声に、反射的に涙を拭う。
緒川が呼びに来たという事は、もう仕事の時間だという事だ。
そして現在、緒川は調査部の任務が入っている。
今日は翼一人での仕事になるだろう。
それに……今の自分の顔は、誰にも見せられない。
緒川に向けられる顔ではないのだ。
そう判断して、翼は緒川の顔も見ずに返した。
「分かっています。今日は取材が幾つか入っていましたね」
「翼さん……」
「一人でも行けます。心配しないでください」
突き放すようにそう言って、翼はその場を歩き去って行く。
(こんな時、何と声をかけたらいいのか……)
離れていく翼の背中を見つめ、緒川は心の中でそう呟いた。
(ここ数日、翼さんは自分を追い込んでいる。何とかしてあげたいのに……何と言ってあげるべきなのか、分からない……)
すぐ傍で支えると誓った。この身に代えても守ると誓った。
その少女が苦しんでいるときに、自分は何も言ってやれない。
彼女が泣いていたのは知っている。しかし、その涙を決して他人には見せようとしないことも、彼はよく知っている。
彼女の弟なら、それでも突貫してその涙を暴き、拭おうとするのだろう。
だが、緒川にはまだ、そこまでの勇気が足りない。
彼女の涙を無理矢理暴く事で、その誇りを傷つけ、拒絶されてしまうのが怖いのだ。
「まったく……情けないですね、僕は……」
翼が視界から消えてしまった頃、緒川はボソッと呟いた。
ff
その頃、エアキャリアは目的のポイントが沈む海上にて停止飛行していた。
「マリア、お願いします」
ナスターシャ教授の指示通り、マリアは機器を操作する。
キャリアの上部から発射されたドローンが展開し、円形の反射板を展開する。
「シャトルマーカー、展開を確認──」
「ステルスカット、神獣鏡のエネルギーを集束──」
エアキャリアを迷彩していたウィザードリィステルスが解除され、その姿が夜空に現れる。
そのエネルギーは、機体先端に迫り上がった発射口へと集束を開始した。
「長野県、皆神山より出土した神獣鏡とは、鏡の聖遺物。その特性は光を屈折させて、周囲の景色に溶け込む鏡面迷彩と、古来より伝えられる魔を祓う力──聖遺物由来のエネルギーを中和する、神獣鏡の力を以てして、フロンティアに施された封印を解除します……」
車椅子の肘置きに備え付けられている、遠隔操縦桿の発射ボタンを押そうとするナスターシャの手。
するとウェル博士はその手首を掴み、ナスターシャに問いかけた。
「フロンティアの封印が解けるという事はその存在を露わにするということ。全ての準備が整ってからでも遅くないのでは?」
「心配は無用です」
「……」
怪訝そうな顔をしながらも、ウェル博士は手を放す。
「リムーバーレイ……ディスチャージャー」
エアキャリアの先端から、紫色の光が放たれる。
神獣鏡の光は、展開されたシャトルマーカーに反射され、海の底に沈むフロンティアの中心部へと照射された。
「くくく……これで……フロンティアに施された封印が解ける……解けるううぅぅ──」
海底から水飛沫が煙のように噴き出し、水面は音を立てながら大きく波紋を広げる。
悠久の時を経て、深淵より何かが浮上しようとしていた。
「……解け──ッ!」
ウェル博士の興奮が頂点に達する。
己が人の頂に立つ幻想。それを実現させる最後のピースの出現を前に、ウェルの昂ぶりは抑えられなくなっていく。
遂にフロンティア──新天地のコードネームを与えられしものが、その正体、その全容を現す……誰もがそう思っていた。
だが、フロンティアが浮上することはなく、噴き出していた水飛沫は徐々に小さくなっていった。
やがて、海面は再び元の静寂を取り戻す。
ウェル博士は狼狽し、足元をふらつかせた。
「と、解け……ない……ッ!」
「……出力不足です。いかに神獣鏡の力と言えど機械的に増幅した程度ではフロンティアに施された封印を解くまでには至らないということ」
両手を拳に握り、ウェル博士はナスターシャ教授に苛立ちの目を向ける。
組織内唯一にして最大の猛毒である科学者に、歪んだ夢の限りを知らしめること。
それがナスターシャの目的であったと気が付いたのだ。
「あなたは知っていたのかッ! 聖遺物の権威であるあなたが、この地を調査に訪れて、何も知らないはずなど考えられない。この実験は、今の我々ではフロンティアの封印解放に程遠いという事実を知らしめるために──違いますか?」
「これからの、大切な話をしましょう……」
「ぐ……ギリ、ギリギリギリ……んんん──ギリギリギリギリーーッ!」
淡々と、まるで「諦めろ」と諭すようなナスターシャの口調に、ウェルは激しく歯軋りした。
後書き
SSに起こす関係上、不要になるのでカットした神獣鏡発掘シーンを一時停止してみたけど、天羽夫妻思ったよりお若いし、妹ちゃん可愛いんだよな……。
娘二人揃って、前髪は父親似。妹ちゃんは母親より濃いめの茶髪ポニテだったけど、髪の毛のハネ具合は姉によく似てる……と。
この一瞬しか出番がないのが惜しい人達だなぁ……。
付き合ってるから原作と同じセリフでもニュアンスが変わりやすいおがつば。
それは尊さだけでなく、辛いシーンに作用するのもまた然り。
これはあくまで自己解釈何ですが、緒川さん、自分の事を「臆病なだけですよ」とか言う辺り、翼さんの心の深い所に触れかねない状況の時はこうなっちゃうんじゃないかなと。
翼さんが曇った時、響達に任せっきりになっちゃうシーンが原作に多いのもそれが理由で、緒川さん自身も心の何処かでは申し訳なく感じてるんじゃないかな……。
だからこそ、響への「翼さんを、世界で独りぼっちなんかにさせないでください」には、友達でいてあげて欲しいという願いの他にも、臆病な自分の代わりに彼女の心を支えてあげて欲しい、みたいな思いもあった気がする。
でも緒川さん、交際始めた以上はもう逃がさねぇからな!
あなたが一番長く、一番近くで翼さんを支えてないといけない立場なんだからな!
翔がツェルトに言った「愛することを諦めるな!」って、緒川さんにも言えることなんですね、これが。
さて、次回はいよいよスカイタワー。
恭一郎くん、そろそろだよ。
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