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夢幻水滸伝

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第百三十五話 中国軍の反撃その十二

 日本軍は最早自分達の少数をものともせず攻勢に出ていた、一騎打ちで勝利を収めた星の者達も次々と軍勢同士の戦に加わっていた。それで日毬もだった。
 日毬は右手に和泉守、左手に倶利伽羅丸を持ってそれで敵軍に突き進み。
 敵兵達を切り捨てていった、中国軍の兵達は首も胴も腕も乱れ飛びその場に倒れていった。そうしてだった。
 数百人を切り捨ててから後ろに続く兵達に言った。
「このまま切っていく」
「そうされますか」
「この場は」
「その様にされますか」
「そうしていく、私は采配よりもだ」 
 軍勢を率いるそれよりもというのだ。
「こうしてだ」
「ご自身がですね」
「陣頭に立たれて戦われる」
「そちらの方がお得意ですね」
「私はそうした者だ」
 こう自覚するからだというのだ。
「だからだ」
「この度はですね」
「この様に戦われますね」
「敵兵を切っていく」
「そうされますね」
「そうする、このまま切っていく」
 こう言ってだ、実際にだった。
 日毬は自ら陣頭に立ち刀を振るっていった、それは将というよりは強者の戦だったが中国軍をさらに追い詰めていった。
 その中でやはり一騎打ち、激しいそれの末に呉を倒した幸田も戦線で指揮を執りつつその日毬を見て兵達に話した。
「ああした奴がいるってのもな」
「日本の強みですね」
「そうですよね」
「一騎当千の人がいることも」
「そうなんだよ、おいらは采配の方が得意だけれどな」
 戦においてはというのだ。
「けれどな」
「ああした方も必要ですね」
「左様ですね」
「采配以外にも」
「そうした方も」
「そうなんだよ、じゃあこのままな」
 幸田は自分のやるべきことの話もした。
「攻めていくぜ」
「そうしますね」
「ここは」
「そうしていきますね」
「ああ、術と銃を前に進みながら放ってな」
 そうしてというのだ。
「その次の瞬間に槍を突き出してな」
「敵軍を崩していく」
「そうして攻めていきますね」
「今は」
「そうですね」
「ああ、そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵を崩していくぞ」
「わかりました」
「今はこうして攻めていきましょう」
「そして時が来ればな」
 その時のこともだ、幸田は話した。
「いいな、刀を抜いてな」
「突撃ですね」
「それに移りますね」
「それで完全に勝負を決めるからな」
 軍勢同士の戦のそれをというのだ。
「いいな」
「そうだ、ここはだ」
 室生も来て言ってきた、彼は巴を倒しそこにいる。巴も術で奮闘したが彼の術に加え弓も使った闘いには及ばなかったのだ。 
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