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夢幻水滸伝

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第百三十五話 中国軍の反撃その十一

「先程この言葉が出たが」
「まさにですね」
「そうなってしまいますね」
「だからですね」
「ここは」
「総攻撃は中止だ、退くしかない」
 将軍は苦渋の決断を下した。
「そしてあらためてだ」
「攻撃ですね」
「それに移りますね」
「機会を見てな、少なくとも今はな」
 壊滅的な打撃を受けた、それでというのだ。
「これ以上のこの場に留まっても」
「余計に攻撃を受けるだけですね」
「まさに」
「では」
「ここは」
「それしかない」
 退く、それしかというのだ。
「無念だが」
「左様ですね」
「次の機会があるか不安ですが」
「それでもですね」
「そうだ、ここはそれしかない」
 こう言ってだった、将軍は空船達を退かせた。そうして再び空の普通の戦闘に戻った。そうしてだった。
 日本の空船達との戦闘を見るとだった。
「まずいな」
「はい、こちらの数も相当に減りましたし」
「残った船の損傷も酷いです」
「将兵も多くが傷付いています」
 当然戦死者も多くなっている。
「尚且つ勢いは完全に日本です」
「日本軍のものになっています」
「苦しい戦いになっています」
「非常に」
「全くだ」
 まさにとだ、将軍は話した。
「先程の攻勢は乾坤一擲だったが」
「それに失敗しましたからね」
「こうなるのも致し方なしですね」
「陸も海も押されていて」
「そして空もとは」
「こうなっては」
「今は耐えるしかない、敵の攻勢の勢いが止まり」
 その時まで待ち、というのだ。
「そしてだ」
「それで、ですね」
「その時にですね」
「攻める」
「そうしますね」
「その時を待つしかない、こうなれば持久戦だ」
 それに持ち込むというのだ。
「我々の数を使ってな」
「損害は増えていますが」
「まだ数は我々の方が上です」
「だからですね」
「この度は」
「そうだ、戦っていく」
 まさにと言ってだ、そのうえで。
 中国軍は空でも戦い続けていた、戦局は彼等にとって完全に苦境になっていたがそれでもだった。彼等は戦い続けた。 
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