ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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シグマ
シグマパレス 最深部
「・・・・・・・・」
エックスは、黙って長い通路を歩き続けていた。彼の通った後にはメカニロイドの残骸が転がっていた。右腕は、破損して使用不能になっていた自分のものからゼロから受け取ったアームパーツへと換装している。
長い廊下を抜けると巨大な扉が目の前にあった。
「・・・・・・ここか。」
エックスは、目の前に立つと扉はゆっくりと左右同時に開いて行く。中に入るとそこにはかつての上司、別の意味で言えば今回の戦いの元凶がそこにいた。
「・・・・・」
エックスはシグマを見ながらゆっくりと中へ入る。一方のシグマはエックスの姿を見るなり思わずニヤリと笑った。
「ほう、いい目をするようになった。迷いがない。」
「・・・シグマ、俺はお前を許さない。」
エックスは、構えを取りながらシグマと対峙する。やる気満々のエックスを見てシグマは満足そうだった。
「どうやらVAVAとゼロはここには辿り着けなかったようだな。ゼロに関しては驚いたが・・・・」
「ふざけるな!同じレプリロイドを殺しておきながら!!」
エックスは、右腕をバスターに変形させる。
「その眼をしたお前なら・・・・・エックス、私と戦う資格があるかもしれん。・・・・だが・・・・・まずはこれを試してもらおう。何しろ裏切り者の始末はすべてこやつにやらせているのでな。」
そう言うとそれまで彼の足元で大人しくしていた狼型メカニロイド ベルガーダーはうなり声を上げながらエックスの前に立つ。
「グルルルルゥゥウゥ・・・・・・・」
「・・・・俺の相手はシグマだ。他に相手をする気はない。」
「ウゥワオォン!!!」
エックスの言っていることがわかるのかベルガーダーは、敵意をむき出しにしてエックスに飛び掛かる。
ズガァ―――――――――――――――――ン!!!
「ワオォ!?」
その瞬間、ベルガーダーの体に大きな風穴が開き、壁に打ち付けられる。急所を撃たれたベルガーダーは立ち上がろうとするもののすぐに粉々に吹き飛んでしまった。
「・・・・見事だ、エックス。」
シグマは、拍手を送りながらエックスを称賛する。
「やはりお前には私が見込んだ通りの可能性があるようだ・・・・・・我々レプリロイドの“無限の可能性”がな・・・・・」
しかし、そんなシグマの反応とは裏腹にエックスは敵意むき出しの目つきでにシグマを睨みつける。
「シグマ・・・・・狂ったお前に可能性なんてない!!」
「フッフフフフ・・・・・エックス。それはお前が本当に考えていることではない。」
「・・・・・」
「お前が正義だと信じているものが・・・・・・・お前にそう思わせているだけだ!!お前は私が想像していた以上に成長した。今度は私自らの手で確かめさせてもらうぞ!行くぞ!!」
シグマは、マントを脱ぎ棄てサーベルを展開してエックスへと一気に迫る。
「くっ!」
エックスは、壁を蹴ってよじ登って攻撃を回避する。
「甘いぞエックス!それで私の攻撃を避けたつもりか!!」
シグマの額のランプから光弾が発射され、エックスの方のアーマーを掠る。エックスはシグマの背後に回るとゼロのバスターから『ハイパーゼロブラスター』を放つ。壊れた自分のチャージショットとは違い、攻撃範囲は限られてはいるもののビームを収束しているため威力では前のバスター以上に強化されている。背後からの攻撃にシグマは反応するものの回避行動が遅れ、胸部に命中する。
「ぬう・・・・・背後に回って撃つとは・・・・相変わらずの腕前だな・・・・」
しかし、シグマは元はといえばケイン博士が作り上げたレプリロイドの中で最高傑作と言われる存在、元々頑丈に作られているためバスターの攻撃を耐え抜いた。
「だが・・・・・射撃をメインにしたお前と接近戦をメインにしたこの私、この部屋の中で有利なのは果たしてどちらなのかな?」
シグマは、急速に接近してエックスに向けて拳を放つ。エックスは最初は回避するもののシグマの拳の速度は徐々に速くなり、止むを得ず腕でガードをするしかなくなっていく。
「どうしたエックス?私を倒すのではなかったのか?」
「くうぅ・・・・・・・」
「でぃいあぁ!!」
「ぐわあぁ!!」
シグマの回し蹴りを受けてエックスは壁に打ち付けられる。
「このぐらいで!!」
エックスは壁に取り付けてあった鉄パイプを捥ぎ取ると剣の代わりにして構える。
「ほう、剣を使う私にその鉄パイプで挑もうというのか?まるであの時のようだな・・・・・・・・」
「あのとき?」
「フッ、過ぎたことを思い出しても致し方あるまい・・・・・・・・・フン!」
「くっ!」
シグマのサーベル攻撃に対してエックスはそれを受け止めることに精一杯だった。
(これが電光丸だったら・・・・・・・・いや、電光丸があったとしてもおそらくシグマの実力じゃ歯が立たない・・・・・・)
「どこを見ている!」
シグマは、サーベルを振り下ろすと鉄パイプはいともたやすく切断されてしまった。
「うっ!」
「とどめだ!!」
シグマはサーベルをエックスに向かって振り下ろす。
「くっ!まだだ!!」
エックスはすっと何かを取り出してサーベルをガードする。先ほど外しておいた自分の右腕だ。
「何!?自らの腕を盾に!?」
「この腕じゃもう撃てないからな。だが、時間を稼ぐには丁度いい!!」
「ぬっ!?」
シグマはエックスの右腕を見て驚きの表情をする。エックスは既にこの近距離からチャージショットを放とうとしているのだ。
「まさか鉄パイプで接近戦を試みようとしていたのは・・・・・・・」
「そう、いくら強固のボディとは言えこの距離からなら!!」
エックスは、最大までチャージしたバスターをシグマの体に向かって撃つ。シグマのボディは貫かれ跪いた。
「・・・・・・・・・」
「はあ・・・・はあ・・・・・・動力炉もこれで吹き飛んだはずだ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・ヌフッ、ヌッフフフフフ・・・・・・」
「・・・・・・何がおかしいんだ。」
突然笑いだすシグマにエックスは疑問を感じる。もうすでに動力炉がある急所は破壊されて死ぬのも時間の問題であるシグマがどうして笑い出すのか?死の恐怖に狂ったか、それとも・・・・・・
「素晴らしいぞエックス!もはや貴様はB級ハンターなどではありえない!ヌッハハハハハハハハ!!!」
「何を言っている!?お前の野望もここまでだ!!」
エックスはとどめを刺すべくシグマにバスターを向けようとする。
「ワハハハハハハハ!!ハーッハハハハハハハハ!!」
次の瞬間、シグマの頭部がボディから外れ、壁から伸びてきたケーブルに繋がれる。そして壁に取り込まれた。
「一体何が・・・・・・・・・」
「ウォオオオオォォォォ!!!!」
壁が吹き飛び、中から巨大な狼型メカニロイドが姿を現す。そのメカニロイドの頭部には先程取り込まれたシグマの頭部がケーブルに接続されていた。
「私が負けることを考えていなかったかと思ったかね?こんな時のことも考えて新たなボディを造らせておいたのだ。」
シグマは、エックスを見下す。
「さあ!続けようエックス!!戦いを!苦悩を!破壊を!その果てにお前はレプリロイドの真の可能を見るだろう・・・・・」
シグマは、両腕から雷撃を放つ。エックスは避けようとするもののその巨大さゆえに余波を受けてしまう。
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
雷撃によりアーマー全体に亀裂が走る。そんなことに目もくれずシグマは火炎で周囲を焼き払う。
「こ、こんなところで!!」
エックスは、残った特殊武器をすべてシグマに向かって放つ。しかし、巨大ゆえに効き目がない。
「無駄だ!!こうなった以上もはや貴様に勝ち目はない!!」
シグマは、すかさず雷撃と火炎の連撃でエックスを吹き飛ばす。
「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
床に叩きつけられたエックスは、まるで叩き落とされた虫のように動かなくなった。
「もう終わりかエックス?」
意識はあるものの体が動かない。
(こんな・・・・・こんなところで倒れるわけにはいかないんだ・・・・・・・・・・・)
しかし、その意識もどんどん薄れていく。
(ケイン博士・・・・・・・マンドリラー・・・・・ビートブード・・・・・・・イーグリード・・・・・・・ゼ・・・・ロ・・・・・・ド・・・・・・ラ・・・・・・・・え・・・・・・も・・・・・・)
ここでエックスの意識は完全に途切れた。
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