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夢幻水滸伝

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第百三十五話 中国軍の反撃その五

 こうした話をして日本軍は勝敗を決すべく大きな動きに出た中国軍を迎え撃った、中国軍は大軍を活かしてだった。
 前に出て砲撃を仕掛け銃撃もだった、徐々に行ってきた。日本軍はその攻撃を防壁や術で防ぎ耐えていた。
 ここで太宰は不慣れながら采配を執りつつ言った。
「今は動かないことです」
「耐えることですね」
「敵の攻撃を」
「そうです、耐えて」
 それでとだ、中原と石川に答えた。
「敵が総攻撃に移る」
「まさにその瞬間にですね」
「地震の術を使いますね」
「海では津波です」
 こちらもというのだ。
「召喚の術でリバイアサンを召喚することです」
「そうですね、では」
「今は耐えることですね」
「敵の動きは明らかです」
 全軍が攻撃意欲に燃えていた、減ったとはいえまだまだ大軍のその気がこれ以上はないまでにそうなっている。
 それを見てだ、太宰は言うのだった。
「ならです」
「間違いなく総攻撃に出る」
「敵は間もなく」
「それならですね」
「ここは」
「そうです、時は来ます」
 必ず、というのだ。
「ですから」
「あえて動かす」
「敵のこの攻撃に耐えますね」
「そうします、激しい攻撃ですが」
 大軍を以てそうしてきているだけにだ、日本軍の将兵達は攻撃に耐えつつも傷付き倒れる者も出てきている。
「それでもです」
「今はですね」
「ここで堪えて」
「そしてですね」
「その後で」
 堪えたその後でというのです。
「攻勢に移ります」
「わかりました」
「それではです」
「ここは堪えます」
「その時に備えて」
「自重をお願いします」
 兵達に強い声で話した、そしてだった。
 太宰自身地震の術を放つその時を待った、そのうえで。
 彼自身今は堪えていた、鉄砲や弓矢もだ。そうして時を待っていた。
 中国軍は今も攻め寄せてきていた、そしていよいよ総攻撃に移る間に入ろうとした。その間に入った時に雅は太宰に傍らから言った。
「今です」
「今ですか」
「そうです、今この時に」
「術を放つのですね」
「地震の術を」
 まさにそれをというのだ。
「放ちましょう」
「それでは」
「はい、これより」
「攻撃です」
 太宰は全ての星の者そして地震の術を使える者に命じた、すると一斉に地震の術が放たれそのうえでだった。
 中国軍の足元で地割れが起こった、そうして。
 彼等は激しい振動に襲われ倒れた地面に飲み込まれ衝撃の中に倒れた、中国軍の大軍のほぼ全てが襲われた。 
 海では津波が起こりそれに多くの艦艇が飲み込まれた、これで中国軍は完全に動きを止めてしまった。
 太宰はその状況を見て雅に問うた。
「今ですね」
「そうです」
 まさにというのだ。 
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