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夢幻水滸伝

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第百三十四話 琉球沖の戦いその八

「思うしな」
「そやからやな」
「今は必死に戦うな」
「そうするな」
「そして勝つで、こうして」 
 流星の術を放った、多くの隕石が降り注ぎ敵軍を撃ちやはり千人単位で倒していく。強力なだけに制御が難しい術だが綾乃は完璧に使っている。
「攻めながら」
「そうしてくな、今は」
「ほな采配もやな」
「それもやな」
「鈴子ちゃんの隊を左翼にやるで」
 二万程のそれをというのだ。
「そっから敵が来るさかい」
「防ぐな」
「そうするな」
「十五万きてる、その十五万の軍勢を」
 綾乃は敵軍の動きも見ている、それで言うのだ。
「止めてその軍勢に」
「さらにやな」
「攻撃仕掛けるな」
「ただ足止めするんやなくて」
「うち等も攻めるし」
 そしてというのだ。
「ちょっとそっちに大砲向けるわ」
「大砲か」
「それで撃ってか」
「攻めるんやな」
「術者もよおさん行かせたいけど」
 それはとだ、綾乃はここは難しい顔で述べた。
「それは出来んわ」
「右翼に向けてるしな、術者の多くは」
「そっちは三十万来てるからな」
「左翼以上に多い」
「それでやな」
「左翼には向けられんな」
「こうした時兵が少ないと」
 どうしてもとだ、綾乃は難しい顔で述べた。
「苦労するな」
「実際そやな」
「寡兵で大軍に向かうとなると」
「ほんまに苦しいな」
「現実問題として」
「日本の兵は少ないことは認識してたけど」
 それでもというのだ。
「これはな」
「想定の範囲内にしても」
「それでもな」
「実際に采配執ると難しいな」
「こっちの手札が少なくて」
「難儀するわ」
「全くや、けどやったるわ」
 勝つとだ、こう言ってだった。
 そのうえで今は戦っていた、鈴子が率いる二万の軍勢は大砲の援護も受けて十五万の中国軍と戦いしかもだった。
 互角以上だった、鈴子は自身が術を使い槍を前に突き出させた。
 そしてだ、数を頼りに来る中国軍を防がせつつ言った。
「ただ近寄せないだけでなく」
「大砲の援護を受けています」
「そしてですね」
「我々もですね」
「そうです、弓矢と鉄砲を」
 この二つをというのだ。
「槍の後ろからです」
「放つ」
「そうしますね」
「ここは」
「そうしてです、私も」
 鈴子は正面に向けて竜巻の術を放った、それで多くの敵を吹き飛ばした。その術を放ってから言った。
「攻めていきます」
「そうしますね」
「ここは」
「そしてそのうえで」
「敵を倒していきますね」
「ここは」
「そうです、敵の数は多いです」
 十五万、自分達の前でいるだけでというのだ。 
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