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夢幻水滸伝

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第百三十四話 琉球沖の戦いその六

「攻めていくぜよ」
「そうしていきますね」
「ここは」
「そうぜよ、前に進みながら術を放って神具を使って」
 正岡はここでまた短筒を放った、彼等が起きた世界では坂本龍馬が持っていたそれは小さいが一撃一撃が大砲の砲弾並の威力を持っている。
 その一撃を連射しつつだ、正岡は二人にさらに話した。
「攻めていくぜよ」
「それでは」
「このまま」
 二人も応える、そしてだった。
 正岡は織田と美奈代それにそれぞれの隊を率いつつ攻めていった、戦は綾乃の援護それに采配と星の者達の力でだった。
 日本有利になっていた、それを見てだった。
 巴は苦い顔になっていた、その彼の前には夏目がいる。夏目はその手にある菊一文字を構え陰陽術を放つ用意もしている。
 その彼も見てだ、言うのだった。
「誰か一人でも」
「采配にでおじゃるな」
「向けたいというのに」
「生憎でおじゃるが」
 夏目は式神を放った、巴はそれを火球を放って打ち消した、だが夏目はそこからだった。  
 菊一文字を一閃させ気の刃を飛ばした、巴はそれは左に動いてかわした。その彼を見つつ言うのだった。
「麿達もでおじゃる」
「それはさせないですね」
「勝つ為に」
 まさにその為にというのだ。
「そうさせてもらうでおじゃる」
「左様ですね」
「中国の星の人はここで、でおじゃる」
 夏目は再び剣の構えを取りつつ言った、左手で中段に構えている。
「麿達が一騎打ちで、でおじゃる」
「全員倒す」
「そうさせてもらうでおじゃる」
「見事な策ですね、私は軍師ですが」 
 それでもとだ、巴はまた言った。
「読みが足りませんでした」
「まさか麿達がでおじゃるか」
「この様に攻めてくるとは」
 星の者達を海中に潜ませそこから中国軍の後方に回り後ろから中国の星の者達にそれぞれ一騎打ちを仕掛けてくるとはというのだ。
「思いませんでした」
「うちの軍師さんの会心の策でおじゃる」
「一世一代の」
「あの人の一世一代は幾つもあるでおじゃるが」
 夏目はここで冗談も入れて話した。
「それでもでおじゃる」
「その一世一代の策がですね」
「成功したでおじゃる」
「流石は四智星の方、しかも」
 今度は巴が仕掛けた、召喚術でドリアードを出して無数の木の枝を槍の様に繰り出して夏目を攻撃する。
 夏目はそれを素早く上下左右にかわす、巴はその彼の動きを見つつドリアードに攻めさせながら彼に話した。
「四智星の中で最も戦術を知っている方であるだけはありますね」
「だからでおじゃるか」
「この通りです」
「日本の思う通りに進んでいるでおじゃるな」
「こうなっては」
 苦い顔でだ、巴はドリアードが消えるのを見つつ言った、次は雷霧の術を出してそれで攻めようと考えている。
「私達のどなたかが」
「一騎打ちに勝ってでおじゃるな」
「そして別の一騎打ちに助太刀するか」
 若しくは、というのだ。
「軍勢の采配に入る」
「そうして戦わないと、でおじゃるか」
「勝てません」
 巴はこの現実を話した。 
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