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麗しのヴァンパイア

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第二百四十一話

              第二百四十一話  気付かれたこと
 美樹は毎日じっくりと風呂に入ってそうして身体を奇麗にするだけでなく体臭にも気をつけていた、すると。
 塾で華奈子は美樹に言った。
「美樹ちゃん最近薔薇の香りするね」
「薔薇の?」
「そう、薔薇のね」
 それのというのだ。
「前からしていたけれど」
「それでもなの」
「そう、ひょっとして」
 勘のいい華奈子はこう言った。
「前よりじっくり洗ってる?」
「ええ、そうなの」
 実はとだ、美樹は華奈子に答えた。
「最近体臭に気をつけて」
「それでなの」
「体臭させたら駄目だと思って」
 美樹は素直に話した。
「最近念入りに洗ってるの」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「美樹ちゃん元々体臭しなかったわよ」
 華奈子は美樹にあっけらかんとした口調で話した。
「別にね」
「そうだったの」
「さっき言ったけれどね」 
 それでもというのだ。
「美樹ちゃん薔薇の香りしていたから」
「私が使っているボディ―ソープ薔薇の香りがするけれど」
「その香りがしていて」
 それでというのだ。
「今はね」
「これまで以上になの」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「髪の毛少し傷んでない?」
 華奈子はこうも言った。
「もっと丁寧に洗わないとね」
「駄目なのね」
「そこは気をつけてね」
「そうなのね」
 美樹はポニーテールの髪の毛を触って言った。
「じゃあこれからね」
「髪の毛の洗い方も気をつけてね」
「そうするわね」
「そう、香りがよくても」
「髪の毛が傷んでいたら」
「それはよくないから」
 華奈子は笑顔で話した、そしてだった。美樹も頷いてこれからは髪の毛のことも気をつけることにした。


第二百四十一話   完


                 2020・3・5 
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