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おぢばにおかえり

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第五十八話 入学前のその二十

「スカート姿でもね」
「いけてるわよ」
「あの、私は大人で奇麗になりたいけれど」
 私の本音です。
「胸だって大きくなりたいし」
「そう言ってもね」
「私達多分そうなれないわよ」
「私達だって小さいしね」
「そもそもお母さんやお祖母ちゃんも小さいし」
「遺伝を言われたら」
 それこそです。
「困るわね」
「小柄な家系だからね」
「あと胸もないのよね」
「童顔なのもね」
「全部血筋だから」
「背はね」
 私自身いつも思うことです。
「小学校の時背の高い方だったからこのままって思ったら」
「お姉ちゃん見事に成長止まったわよね」
「一五〇センチでね」
「中学からあまり伸びてないわよね」
「私達もだし」
「あと五センチ欲しかったわ」
 せめてです。
「それがね」
「ええ、伸びなくて」
「あと五センチも」
「もっとね、けれど」
 私は妹達にさらに言いました。
「今も牛乳飲んでるから」
「それでも大きくならないでしょ」
「成長期終わってるから」
「それでもよ」
 私自身が思うことです。
「まだ何とかね」
「諦めたら?流石にね」
「女の人で十八歳って成長期終わってるし」
「だからね」
「もういい加減ね」
「それでもよ、ずっとね」
 これは三年生になってからです。 
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