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おぢばにおかえり

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第五十八話 入学前のその十九

「それだけなのよ」
「小学生の時の服って」
「幾ら何でも着られないわよね」
「デザインはともかくね」
「サイズが」
「ええ、けれどね」
 私はふと思って妹達に言いました。
「ちょっと着てみるわね」
「ものは試しで」
「そうしてみるのね」
「折角だから」
 折角出したならです。
「ちょっとね」
「試しに着てみて」
「それでなのね」
「どうかって見てみるわ」
 こう言ってでした。
 私は試しにそのスカートを穿いてみました、するとです。
 ぴったりでした、それで私は自分で驚いてしまいました。
「ぴったりだったわ」
「いや、本当にそうね」
「私達から見てもね」
 妹達も私の今のスカート姿を観て言います。
「合ってるわね」
「うん、似合ってるしね」
「可愛いわよ」
「可愛いって」
 そう言われるとです、私も十八歳というか高校を卒業して大学生になるのですから。どうにもとなりました。
 それで妹達にこう言いました。
「奇麗じゃないの」
「うん、可愛いわよお姉ちゃん」
「小学生みたいな感じでね」
「小柄で黒髪のショートでね」
「童顔、八重歯、しかも垂れ目だし」
「おまけに声もアニメ声だから」
「物凄く可愛いわよ」
 こう二人で言ってきました。 
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