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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその十三

「吉君も好きだしね」
「おう、実際に大好きでい」
 その通りだとだ、幸田も笑顔で応えた。
「ツナは」
「梅干しと並んでだよね」
「だから作ってくれたんだな」
「そうだよ、だから全部食べてくれよ」
「それじゃあな」
「あたしも食べるしね」
「二人で食べような」
 幸田も笑顔で話した。
「お握りを」
「そして力つけて」
「戦にも挑むぜ」
「そうしようね、それで吉君今回も」
「ああ、一騎打ち担当だよ」
「やっぱりそうなるね」
「おいらは格闘も出来るからな」
 それ故にというのだ、実際に彼は神具に刀も持っている。采配も出来るがそちらも得意としているのだ。
「だからな」
「それでだね」
「まずは一騎打ちをしてな」
 そしてというのだ。
「その後でな」
「軍勢同士の戦に入るんだね」
「ああ、その時は頼むぜ」
「あたしは一騎打ちのタイプじゃないんだよね」
 麻友は自分のお握りを食べつつ幸田の話を聞いて述べた。
「どうしても」
「麻友っちの職業は料理人だしな」
「体格も小さいし」
 吸血鬼族の体格は人間族と同じ位だ、そして麻友はその中で小さい方だ。勿論筋肉もそれ程ついてはいない。
「だからね」
「どうしても格闘は出来ないよな」
「術は使えるけれど」
 それでもというのだ。
「あくまで専門はお料理なんだよ」
「そうだよな」
「だから一騎打ちもね」
「出来ねえな」
「そうなんだよね」
「そこはあれだよ、一騎打ちが出来る奴がな」
 幸田はその麻友にさらに話した。
「やればいいんだよ」
「そういうことだね」
「一騎打ちは出来る奴が出来てな」
「術しか使えないと」
「そっちをやればいいんだよ」
 こう言うのだった。
「出来ることを全力でな」
「吉君その辺り考えてるね」
「考えねえとな」
 それこそとだ、彼は話した。
「やっぱり」
「さもないとやっていけないね」
「そうだよ、適材適所だよ」
 それだとだ、幸田は二個目のお握りを食べつつ話した。
「そこはな」
「それで一騎打ちが出来る人はそっちにいって」
「他の奴はな」
「軍勢の戦に入るんだね」
「そうして勝つもんだからな」
「吉君は今回もだね」
「まずは一騎打ちだよ」
 そちらに向かうというのだ。
「それでな」
「勝つんだね」
「ああ、そしてな」
「そして?」
「今回も勝つってな」
「そういうことだね」
「そうさ、それとこのお握りは」
 その二個目のお握りを食べてだ、幸田はこんなことを言った。 
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