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ドリトル先生の競馬

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第二幕その六

「機会があれば」
「実際にアマゾンに行って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「この目で確かめたいと思っているよ」
「フィールドワークだね」
「それを行ってね」
 先生は王子に確かな声で言いました。
「そうも考えているよ」
「アマゾンは大変だけれど」
「先生が行くなら僕達も一緒だし」
「僕達が全力で先生をサポートするよ」
「アマゾンでも」
「そうするよ」
「皆がいてくれたら」
 それならとです、先生は皆に笑顔で応えました。
「僕も頼もしいよ」
「だってね、先生は放っておけないから」
「学問は出来るけれど生活力はないから」
「それに運動神経もないからね」
「危険な場所になんてね」
「一人で行かせられないから」
「そうそう、先生が危険な場所に行くと」
 王子もそのことについて言及しました。
「僕も心配だよ」
「そうだよね、王子も」
「これまで皆で色々な場所に行ったけれど」
「先生だけだとね」
「本当に心配だよ」
「先生は放っておけないのよ」
 皆は王子にも言いました。
「どうしてもね」
「それで若し先生がアマゾンに行くなら」
「その時は僕達も一緒だよ」
「何があってもね」
「いつも一緒にいるんだし」
「アマゾンでも一緒だよ」
「何があってもね」
「皆がいてくれたら先生は大丈夫だよ」
 王子も太鼓判を押しました、皆が一緒にいてくれるならとです。
「本当にね」
「そう、だからね」
「私達も頑張るわよ」
「その時は」
「先生となら例え火の中水の中」
「何処だって行くわよ」
 こう言うのでした、そしてです。
 皆で先生にこうも言うのでした。
「これまで色々な場所に行ったじゃない」
「皆でね」
「だからアマゾンでもね」
「皆で行くなら大丈夫」
「先生の知識と知恵、僕達のサポートがあればね」
「月にも行ったんだしね」
「そうそう、月にも行ったんだから」
 それならとです、王子は先生に言いました。
「もう、だよ」
「アマゾンでもっていうんだね」
「僕は今そう思ったよ」
「そうなんだね」
「大丈夫だよ、それに先生って慎重だから」
 このことも先生の美徳です。
「おかしなこともしないから」
「余計にいいんだね」
「軽率だとアマゾンみたいなところは」
 それこそというのです。
「余計に危ないじゃない」
「それはその通りだね」
「だからね」
 先生が慎重ならというのです。
「余計にいいよ」
「そう言ってくれるね」
「本当のことだからね」
 王子は先生ににこりと笑って答えました。 
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