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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその八

「五十六万の大軍になって」
「項羽の本拠地も占領したやろ」
「彭城をね」
「しかしや」
 項羽の本拠地彭城を占領した時点でだ。
「勝った勝ったってなってな」
「思いきり油断したね」
「浮かれまくって飲めや歌えやになって」
 この話は士気にもある。
「そこでな」
「怒り狂った項羽が攻めてきたね」
「僅か三万の兵を率いてな」
 それで劉邦の五十六万の大軍に急襲を仕掛けたのだ。
「それでや」
「劉邦軍は散々に敗れたんだったね」
「一敗地に塗れる」
 残が言ってきた。
「まさにそやったな」
「そんな言葉が残るまでに酷い負け方で」
「我が国の歴史に残ってるわ」
 残は郭に腕を組んだ顔で応えた。
「劉邦さんが統一するまでに色々あったが」
「凄い負け方やったね」
「油断したらそうなる」
「そういうことやね」
「そやからや」
 羅は二人の話が一段落したところでまた話した。
「この戦絶対にや」
「油断出来へんな」
 残は鋭い目で述べた。
「絶対に」
「そういうことや、兵の数と火力の戦に持ち込んでな」
「勝つか」
「そうするで」
 こう言うのだった。
「絶対に」
「一番気になることは神星の方々で」
 陳がどうかという顔で言ってきた。
「三人おられますから」
「中里と芥川、そして綾乃ちゃんやな」
「厄介ですね」
「そや、こっちは二人でな」
「日本は三人」
「一人一人が絶対的な強さを持ってる」
「そのことが問題ですね」
 陳はその目を鋭くさせて羅に述べた。
「何といっても」
「そうや、あの三人には一人辺り百万の兵をぶつける」
「百万ですね」
「それだけの意気込みでいくで」
「日本と南洋の戦でもそれが生きた」
 日本に神星の者が三人いるそのことがとだ、施も言った。
「リーとシェリルちゃんと芥川と綾乃ちゃんが倒したな」
「それぞれ一騎打ちで」
 王が施に応えた。
「そうしましたね」
「それで中里が軍勢率いて戦ってな」
「その采配と武芸で南洋の大軍を攻めましたね」
「そのことが台風、日本の多くの星のモンと並んでな」
「日本の勝因でしたね」
「そこも見るとな」
 どうしてもだ、施は話した。
「やっぱりな」
「神星の方が三人おられる」
「日本の最大の強みや、しかしな」
「それをですね」
「軍勢で封じるんや」
「大軍で」
「もう大軍の数でな」
 それを武器にして、というのだ。
「勝つで」
「そうしますか」
「何といってもな」
「ほな」
「そうして勝つで」
 まさにと言うのだった。
「何としても」
「そして戦術は」
「この崑崙を蓬莱にぶつけて」
 突撃、それを仕掛けてというのだ。 
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