DQ3 そして現実へ… (リュカ伝その2)
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未成年の飲酒は禁止です!
<海賊のアジト>
「(ゴクッゴクッゴクッ…)ぷはぁ~!このお酒キクぅ~!!体がポカポカしてきましたぁ~!!」
体に凹凸が無く100%幼児体型の7歳児が、120%オッサン臭い振る舞いで酒瓶を空にして行く。
「だ、誰だ!?子供に酒を飲ませたのは!!?」
遠巻きに眺めている海賊達を睨むウルフ。
先程までは厳つい顔に恐怖をしていたのだが、彼女の父と兄の恐ろしさの方が勝り、この状況を引き起こしたと思われる海賊達を恫喝している!
「ち、違う!!俺達は何もしてねぇー!あのこえー男の娘に近付くわけねーだろ!…その嬢ちゃんが勝手に飲み始めたんだ!」
「うわぁ…最悪じゃん!リュカさんやティミーさんにバレたら殺される…」
慌ててマリーの服を集め着せようと試みるウルフ…
「いやぁ~!!暑いのぉ~!」
しかしマリーは拒絶し、最後の1枚まで脱ごうとパンツに手をかけた!
「ぎゃー!!ダメ、ダメ、ダメー!!!それ以上脱がないでー!!こんな状況を見られたらマジでヤバイから!」
彼女の父兄の突然の登場に恐怖したウルフは、マリーとマリーの服を抱き抱え、脱兎の如く空いている部屋へと逃げ去った!
慌てて扉を開けた部屋は、既に先客が居た。
モニカとカンダタが組んず解れつ男女の格闘を行っていた!
「ご、ごめんなさい!!間違えました!」
慌てて扉を閉め、隣の部屋を開ける!
しかし其処はリュカ達が使用していた!
1本しかない剣を取り合う様な男女のファイティング!
平常時であれば扉の隙間から観戦するのだが、現在彼は爆弾を抱えている!
しかもその人は爆弾の製造者の為、気付かれる前に逃げ出すウルフ!
更に隣の部屋へ慎重に入るウルフ!
やっと空き部屋を見つける事が出来た様だ!
ともかくマリーを寝かしつけようと思い、ベットへと連れて行くウルフ…
そして気付く!
最後の1枚が無くなっている事に!!
例えリュカの娘でも、ポピーやリュリュの様な大人の女性なら、この状況を我慢は出来ないのであろうが、相手はマリーだ…
7歳の幼女相手に理性が吹っ飛ぶ事などウルフには無い!
慌てて最後の1枚を探しにその場から離れようとするウルフ…
しかし、更なる受難は訪れる!
突然マリーがウルフに飛び付き、キスをしてきた!
それだけなら問題は無いのだが、勢い良く飛び付いて来た為、それ程筋力のないウルフは押し倒される形となり、床に勢い良く後頭部をぶつけ気を失うのであった!
この後、二人に何があったのかは分からない…
マリーのキスまでで記憶が途切れたウルフには、何が行われたのか知る由もない…
酔っ払った幼女のする事など想像も出来ない…
分かっている事は、翌朝この部屋で全裸の男女が目を覚ました事ぐらいだ………
激しい頭痛が響く中、1晩を過ごした部屋から抜け出し、静かに食堂へと赴くウルフ…
しかし隣の部屋の扉が開き、最も遭遇したくない男と遭遇してしまった!
「お!?おはようウルフ!昨晩はどうだった…お前…ロリコンだとは思わなかったぞ!」
「な、何を言うんでスかぁ!違いまス…そう言うんじゃ無いでス!!あれは違うんでス!!」
声を裏返しながら、言い訳にならない言い訳をするウルフ。
「だってお前…昨日、裸のマリーを抱き抱え寝室に入って行ったろ?ほら、僕の使っていた部屋に落ちてたぞ!」
そう言ってマリーのパンツを手渡すリュカ。
リュカは知らない…マリーが泥酔状態だったことを…
だからお互いの同意の上で励んだものだと思っている…
「まぁ…マリーが選んだのなら、お前の性癖は気にしない…だが娘を泣かせたら絶対に許さないからな!」
《拙い!妙な誤解されてる!!でもマリーちゃんの飲酒がバレた方が怒る様な気がする…『お前、子供に酒飲ますって、なにやってんだ!!』って………アンタこそ何やってんだ!って言いたいけど、絶対そんな事関係ないし…そんな常識通じない人だし…》
マリーのパンツを握り締め、俯き考えるウルフ…
其処にマリーが部屋から出てきて、何時もの様に可愛らしく挨拶をする。(もちろん服は着ている)
「お父様、ウルフ様、おはようございますぅ」
「おはようマリー。昨晩はどうだったのかな?」
「やだぁ~お父様~!ちょっとだけ痛いですぅ」
「がっつきやがってコノヤロー!少しは手加減しろよな!あはははは…」
マリーの痛みは100%二日酔いによる頭痛の事なのだが、盛大に勘違いをするリュカ。
そして2人の勇者を捜しに、その場を後にする…
ノックもせず各部屋の扉を開けまくるリュカ…
そしてモニカの私室を開け、歓喜の声を響かせる!
「わぁお!とうとうヤッたか我が息子!!」
其処にはパンツ1枚で、抱き合う様にベットで眠るティミーとアルルが…
そして二人は目を覚ます…激しい頭痛を伴って…
「イッテテテテ………何なんだ…この頭痛………わぁ~!!」
隣で寝ているアルルを見て驚き叫ぶティミー!
「っと…うるさいですよ…大声出さないで…えぇぇぇぇ!!」
互いの裸と状況を見て、叫び喚く若い男女!
「ごめんね…パパ気が利かなくて…この部屋に誰も入らない様に見張ってるから、ごゆっくりどうぞ!時間はたっぷりあるからね!」
そう言って扉を閉めるリュカ…
残された二人は互いを見つめ思い出す…裸であることを!
慌てて服を着るティミーとアルル。
「ご、ごめん…ち、違うんだ…」
「ヤダ…嘘…違うのよ…」
互いに支離滅裂な事を言いながら、背中を向け合い服を着る二人。
服を着終え、少々の冷静さを取り戻し、ティミーとアルルは昨晩の事を話し合おうとする。
「えーと…僕の憶えている事を説明するね!」
「えぇ…お願いします…」
「えーと…えーと……憶えてる事は………憶えてる事は………何にも憶えてない!!何で僕裸だったんだ!?」
そしてまた混乱に陥る二人…
悲鳴に近い叫び声を上げて身悶える…
部屋の外で待機しているリュカが、ニヤケながら呟いた…
「激しいなぁオイ!」
こっちでも勘違いをしている幸せな父親…
この混乱は収まるのだろうか?
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