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夢幻水滸伝

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第百三十二話 北西へその二

「やっぱり戦の采配、戦闘はな」
「六将星つまり僕等や」
「そうなる」
「あの二人は強い」
 中里は言い切った。
「それも尋常やないまでにな」
「その二人と戦うんや」
 芥川は自分の向かい側にいる中里に告げた。
「どれだけ大変かわかるな」
「それはな」
「それでや」
「今回もやな」
「思いきり頭使って」 
 そのうえでとだ、芥川は真剣な顔で腕を組み日本の星の者達全員に話した。
「戦ってくで」
「そうるるんやな」
「そしてな」
 芥川は中里に応えさらに話した。
「勝つ」
「そうするんやな」
「十倍以上の兵力差の相手にな」
「これは凄い戦になるな」
「さっきの話やが日本は覇権争いの大穴や」
「誰も勝てるって思ってへんか」
「誰もやないが」
 それでもというのだ。
「大穴でも只の大穴ちゃう」
「大穴の中の大穴やの?」
「そや、大穴の中の大穴で」
「殆ど誰も勝ち残ると思ってへん」
「そういう状況や南洋に勝っても」
 それでもというのだ。
「まぐれやって説が殆どや」
「そうなんやね」
「南洋との戦も日本が勝つとか殆ど予想されてへんかった」
「それが勝って」
「ほんまにまぐれやってな」
「皆思ってるんやね」
「もう新聞が大騒ぎやしな」
 それこそこの世界の新聞のほぼ全てがそうだ、日本はまさかの大勝利だと書き立てているのだ。そうした状況なのだ。
「日本のまぐれのってな」
「ううん、マスコミって何か」
「ああ、売れる為に何でもするからな」
 芥川はマスコミについては冷淡な口調で語った。
「嘘でも何でも書いて責任も取らへん」
「それで球団持ったらやね」
「悪の限りを尽くすんや」
 邪悪の権化読売ジャイアンツのことであることは言うまでもない、この球団が為してきた悪はまさに戦後日本の歪みの象徴である。
「権力を使ってな」
「マスコミは権力者でもあるから」
「情報独占するからな」
「情報イコール権力やね」
「そや、それこそ政府以上にな」
「情報握って」
「それで権力握って」
 そしてとだ、芥川はさらに話した。
「そこに金も集まる」
「情報から権力持つと」
「そこにな」
「お金も集まって」
「それで何でも出来る様になって」
「法律も無視して」
「やりたい放題やる様になる」
 戦後の日本のマスコミがそのサンプルであろうか。
「そうなるんや」
「酷い話やね」
「よくネット動画が言われるけどな」
 それでもというのだ。
「こっちはアホなことやったら炎上するけどな」
「それでもやね」
「マスコミは最近まで何してもほぼお咎めなしやった」
「嘘書いてもやね」
「マスコミは事実を報道するもんやが」
 この当たり前と言えば当たり前のお題目すら通じなかったのだ。 
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