仮面ライダージオウ 眩い世界
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第五章
「お店は充分やっていけてるから」
「いいんだね」
「うん、じゃあ卒業したら」
「俺と二人でだね」
「お店をやっていこうね」
二人でそうした話をしていた、だが。
ここでだ、ウォズは常磐達にあらためて話した。
「卒業式が終わったら皆ここに集まってくれるかな」
「卒業祝いのパーティーを開くのかな」
「それもありますが」
叔父に対しては謙虚に述べた。
「さらに重要なことがあります」
「就職祝いかな」
「それもあります」
ウォズは常磐の叔父にまた謙虚に応えた。
「ですが卒業、就職とは別にです」
「大事なことがあるんだ」
「だからこそここにいる全員に集まって欲しい」
「さぼったらどうなるのかな」
「私自ら強引にここに連行する」
ウォズはウールに微笑んで答えた。
「安心してくれ」
「絶対に来いっていうんだ」
「そう言うかも知れない」
「本当に強引だね」
「私は時としてそう動くのだよ」
「我儘よね、ウォズって時々」
オーラはそんなウォズを見て述べた。
「普段はそうでなくても」
「そうだよね、強引だし」
「それが困るのよね」
「全くだね」
「それでも動かねばならない時がある」
ウォズは微笑みさえ浮かべてウールにもオーラにも話した。
「そして特別な客人達にも来てもらう」
「お客さんかな」
「お店のお客さんではない」
「じゃあどんなお客さんなのかな」
常磐はウォズの返事にどうかという顔になって首を傾げさせた。
「一体」
「それはその時にわかることだよ、我が主よ」
「今は秘密なんだ」
「乞うご期待ということで」
「絶対に碌なことじゃないわね」
「間違いないな」
それこそとだ、明光院はツクヨミに応えた。
「如何にもという感じだ」
「そうよね」
「まあ卒業式おかしなことをしたら」
「その時は」
「柔道場の畳の上で山嵐だ」
この技を仕掛けるとだ、明光院は言い切った。
「それを仕掛けてある」
「それは断っておこう」
「ならまともなことをするか」
「私は時を動かすだけだ」
「それで意味が通じると思っているのか」
「その時にわかる」
「言ってる意味がわからないけれどまあいいよ」
常磐はウォズの言っていることが実際に全くわかっていないがそれでもだった、それは今はいいとして述べた。
「じゃあ卒業式の時にね」
「それでは」
ウォズは常磐に欧州の貴族のそれの様に恭しく一礼をした、そのうえで今は離れた。そうしてだった。
まずは卒業の時を待った、だが彼は自分に訪れる運命のことは全くわかっていなかった。
だが彼の卒業式その時だった、桐生戦兎達は石動の店に集まってコーヒーや紅茶とそれぞれ注文したものを飲んでいた。
だがここでだ、桐生は自分の隣の席にいる万丈に言った。
「何かいきなり呼ばれたな」
「ああ、折角の休日で休んでいたのにな」
「俺もだよ」
「いきなり黒衣の青年さんに呼ばれてな」
「ここに来たけれどな」
「一体何だよ」
万丈はコーヒーを飲みつつ言った。
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