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レーヴァティン

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第百五十一話 自信を砕きその三

「余計にマスコミの力は大きくなっています」
「テレビがあるからな」
「新聞の力も絶大ですが」
「テレビはその新聞より遥かに強いからな」
「新聞は読みますが」
 順一はさらに話した。
「テレビは観て聴きます」
「目と耳からだからな」
「余計に心に残りますので」
「力が凄いな」
「テレビでおかしなことを言っても」
 戦後の日本ではよくあった、コメンテーターや司会者がそれこそ何を言ってもそれでもであったのだ。
「多くの視聴者の目と耳に言います」
「その両方にな」
「それで嘘であっても」
「事実だってゴリ押し出来るな」
「北朝鮮や慰安婦がそうでしたね」
「北朝鮮はとんでもない国で慰安婦は嘘だった」
「ですが」
 それでもというのだ。
「真実とです」
「なっていたよな」
「テレビもそうですがやはり新聞も」
「嘘言い放題だからな」
「そうしたものなので」
 極論すれば取材をせずに適当なことを書いてもそれが真実だと言い通せる、これがマスコミの恐ろしいところなのだ。
「そこはです」
「意図的な虚報流す様な新聞はか」
「そしてあまりにも悪意ある記事を流す場合も」
「処罰すべきか」
「ルネサンスからいたそうですし」 
 そうしたことを書く者はというのだ。
「ですから」
「取り締まるべきか」
「言論の自由は保証されても」
「それを逆手に取った虚報とか悪意はな」
「取り締まるべきです」
「嘘が流れたら大変だしな」
「今の日本然りです」 
 順一は久志に強い声で語った。
「マスコミがどれだけ嘘を流したか」
「国内外にな」
「それでどれだけ日本人と日本が実害を被ったか」
「とんでもない位だからな」
「慰安婦然り南京然り教科書然り」
「問題でないことを問題だって騒ぎだしたりもするしな」
 靖国の件がそれであるとされている、某巨大マスコミがこれまで問題視されていなかったことを信仰の自由や戦争責任や政教分離に触れると言い出したから起こった問題であるという見解が出ているのだ。
「自分達の立場が危うくなるとな」
「自分達を振り返らず」
「相手を攻撃する為にな」
「問題を作り上げて」
「虚報を出してでもな」
「そうしてです」
「日本人も日本も実害受けたな」
 久志も腹を立てて言った。
「マスコミってのはそんな連中だな」
「社会の木鐸にもなるでしょうが」
「それより遥かにな」
「国家と国民を貶めるか」
 若しくはとだ、順一も彼にしては珍しく怒気が入った声で語った。
「国政を誤らせるか」
「国民や政府を煽ってな」
「そうしますので」
「吐き気を催す邪悪になるか」
「私は確信しています」
「慰安婦でも南京でも教科書でも書いた連中責任取ってないしな」 
 久志は一連の事件について振り返って述べた。
「それが虚報でもな」
「挙に吠えたと言うべきだな」  
 正も怒った声であった。 
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