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レーヴァティン

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第百五十一話 自信を砕きその二

「違うよな」
「それがしもそう思うでござる」
「そうだよな」
「芸術にも政治は関わることもあるでござるが」
「それでもな」
「芸術と悪質な誹謗中傷は違うでござる」
「表現の自由ともな」
 それと誹謗中傷は違うというのだ。
「違うな」
「表現の自由とイエロージャーナリズムは同じか」
「やっぱり違うしな」
「そしてでござる」
「芸術ともな」
「悪意あるしかも下劣な政治プロパガンダはでござる」
 それもまたというのだ。
「違うでござる」
「表現の自由だからって何でも許されないな」
「左様でござるよ」
「あっちの世界でもな、そしてな」
「こちらの世界でもでござるな」
「俺には何を言ってもいいさ」
 皇帝である自分にはとだ、久志は言った。
「別にな」
「それは拙者達もでござるよ」
 進太もそれは同じだと答えた。
「何を言ってもでござる」
「別にいいよな」
「しかしでござる」
「他人への悪意ある誹謗中傷はな」
「許してはならないでござる」
 言論の自由は保証してもというのだ。
「決して」
「そこが大事だよな」
「はい、若しです」
 順一も言ってきた。
「悪意ある誹謗中傷を許せば」
「こう個人への流言飛語だっていいしな」
「事実に基づかない」
「最近街で新聞も出てるな」
「あくまで知識人の為のものですが」
 それでも出て来ているとだ、順一は久志に答えた。
「ローマやヴェネツィア、カイロ等に」
「大都市にな」
「やがて帝国全体にとなるでしょうが」
「それ自体はよくてもな」
 マスメディアつまり情報の普及はよいとした、久志もそれは産業の一つとしていいとしているのだ。
 しかしだ、久志はこうも言うのだった。
「悪質なイエロージャーナリズムはな」
「危険ですから」
「個人への誹謗中傷もすればな」
「他国への敵愾心を煽ったりもします」
「しかもマスコミは責任取らないしな」
 久志はこのことは日本のマスコミを見て話した。
「だから余計に悪質だしな」
「マスコミの弾圧はしてはならないですが」
 それでもとだ、順一は久志に話した。
「しかしです」
「イエロージャーナリズムは駄目だしな」
「報道被害への責任はです」
「問われないとな」
「そうしなければなりません」
「マスコミは一番やばい連中でもあるしな」
「彼等は情報を手にします」
 最も力となるそれをというのだ。
「そしてそこからお金もです」
「かなりの額の金を手に入れるな」
「新聞の広告等から」
「そしてな」
「はい、情報とお金から」
 この二つを手に入れてというのだ。
「権力も得ます」
「日本がまさにそれだな」
「特にあちらの世界ではテレビもありますね」
「それもあるな」
「だからです」
 それでというのだ。 
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