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夢幻水滸伝

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第百三十一話 琉球を出てその十二

「勉強は無縁でおじゃる」
「常に追試だとか」
「笑って言っているでおじゃるな」
「それも凄いでおじゃるな」
「どうして進級しているのか」
「八条学園留年あります?」
 このことは田中が言った。
「聞いたことないですけど」
「高校やからあるやろ」
 中原はこう田中に返した。
「やっぱり」
「そうですか」
「大学はやっぱりあって」
 それでというのだ。
「八年の人とかおるみたいやで」
「そんな人本当にいるんですね」
「おるおる、大学に八年おって」
 そしてというのだ。
「八年目で大学院に進学して」
「大学にい続けますか」
「そうした人もおる」
「凄い人ですね」
「世の中色んな人がおるしな」
「しかし。まことに玲子氏は留年しないでおじゃるか」
「いつも追試やっていうから」
 中原は夏目に彼女についての考えを話した。
「そこで何とかちゃうか」
「そうでおじゃるか」
「しかし普通全教科追試とか」
 玲子では普通のことである。
「それも二十点以下とか」
「本当に勉強していないでおじゃるな」
「そんな人もおるんやな」
「そうでおじゃるな」
「僕の知ってる人で海上自衛隊幹部候補生学校行って」
 江田島にあるそこにというのだ。
「教官の人に兵学校から遡っての馬鹿だとか」
「明治二年創設だったでおじゃるな」
「その明治二年からのな」
 そこからのというのだ。
「馬鹿やってな」
「年季が凄いでおじゃるな」
「そやな」
「あの、確かそこは」
 田中は海上自衛隊幹部候補生学校の話をした。
「自衛隊の幹部候補生学校、他の軍隊で言う士官学校で一番の難関ですね」
「そうらしいな」
 中原もこう田中に答えた。
「何でも」
「そして前身の海軍兵学校は」
「東大より難しかったってな」
 当時は東京帝国大学といった。
「言われてるな」
「陸軍士官学校はその次位で」
「どっちも東大より難しかった」
「海軍の学校は何処もでな」
 経理学校や機関学校も難関であった、それもかなりの。
「それで兵学校は」
「とてつもない難関で」
「今はかなり落ちても」
「それでもですよ」
 幹部候補生学校もというのだ。
「そのレベルはです」
「かなりで」
「それで、です」
「その中での馬鹿でもやな」
「馬鹿なんですか?」
「そやけどそう言われたらしい」
 中原の知り合いの人はというのだ。
「訓練中に間違えて艦艇を漁船や漁網が一杯集まってるとこに動かそうとして」
「漁船とかですか」
「そこにな」
「それは恐ろしいことだ」
 宮沢もその話を聞いて驚いた。
「漁師さんはガチだ」
「ガチで怖いと」
「そだ」
 宮沢は田中に一言で答えた。 
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