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夢幻水滸伝

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第百三十一話 琉球を出てその八

「やっぱり美味かとよ」
「そうですよね」
「皆飲んでるとよ」
「あとコーラもあるでごわすが」
 北原はこちらの話をした。
「どうして作っているでごわすか」
「それを知っている人はいない様だ」
 室生は北原の疑問にこう答えた。
「どうやら」
「こっちの世界でもでごわすな」
「作っている企業以外はな」
「不思議な話でごわすな」
「こちらの世界では錬金術や魔術も使っている様だが」
 作るにあたってというのだ。
「だがな」
「おいどん達が知ることはないでごわすな」
「それは不可能な様だ」
「そうでごわすな」
「実に不思議な飲みものだが」
 コーラというものはというのだ。
「こちらの世界にもある」
「そのことは事実たいからな」
「そして飲める」
 それも手頃にである。
「なら飲むことだ」
「そうでごわすな」
「私も酒は好きだが」
 それでもとだ、室生も言った。
「今は飲めないからな」
「それならでごわすな」
「我慢するしかない」
「戦が終わるまでの辛抱や」
 中里はサイダーだった、それを飲む用意をしつつ言った。
「終わった時は盛大に飲むわ」
「はい、日本酒を」
「喜久子ちゃんほんま好きやな」
「お酒なくして人生はあるのか」
 喜久子のこの返答は真面目なものだった。
「果たして」
「そこまでのもんか」
「私にとっては」
 まさにというのだ。
「ですから」
「お酒は好きで」
「今も飲みたいですが」
 それでもというのだ。
「それを我慢します」
「そうしてやな」
「戦の後は」
 その時はというと。
「盛大に。浴びる様に飲みます」
「そうするんやな」
「その時を楽しみにしています」
 こう言ってだった、喜久子は今はサイダーを飲んだ。そうして肉や魚も楽しんだ。そうして今は英気を養っていた。
 夏目はこの時も中原と共にいた、二人で動物園にいるが彼はそこにいる動物達を見つつこんなことを言った。
「起きた世界にはいない生きものもいてでおじゃる」
「そうしてやな」
「実に面白いでおじゃるな」
「ほんまに」
 中原は起きた世界では同学年で親友でもある夏目には砕けた口調で話していた、しかし礼儀正しさはそのままだ。
「そこは」
「モンスターもいるでおじゃる」
 動物園の中にはとだ、中原はスライムガラスケースの中にいるそれも見て話した。見ればそこにはグリーンスライムがいる。
「だから多彩でおじゃる」
「そうやな、いる生きものは」
「琉球だから暑いところにいる生きものが多いでおじゃるが」
「ペンギンもおるし」
 人気のあるこの鳥も確かにいる、コーナーまで設けられている。 
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