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レーヴァティン

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第百五十話 北進その十

「戦をするなら」
「それにはな」
「一般市民を攻撃するのは論外にしても」
 例え戦でもだ、久志も他の仲間達もこれは絶対とした。彼等の考えでは一般市民は戦の時絶対に攻撃退潮にならないからだ。
「それでもな」
「軍勢同士やとな」
「もう徹底的にやるとしたら」
 そう決めればというのだ。
「それこそな」
「徹底的にするからな」
「それが戦やからな」
「ああ、本当に更地にする位な」
「術と砲撃使うな」
「そうしていくな」
 こう言ってだった、久志は再び術と砲撃による徹底した攻撃を命じた。その圧倒的な物量を以てそうした。
 すると既に中に入っていた要塞は一日もしないうちに陥落した、ビザンチウムの兵達は殆どが倒され街の中に湖峡を使って撤退した。
 久志は船でそうする彼等を見て言った。
「よし、これでな」
「はい、ビザンチウムもです」
 源三が応えた。
「攻められます」
「そうだよな」
「後は湖峡の鎖や機雷を除去し」
「そこに艦隊を入れてな」
「制湖権を確保し」
 そうしてというのだ。
「街の北岸の城壁の一番弱い部分を砲撃してです」
「壊してな」
「そこから街に上陸すれば」
 それでというのだ。
「街は攻め落とせます」
「そうなるな」
「確かにビザンチウムの城壁は堅固で」
「三重でな」
「極めて攻めにくいですが」
「北岸の要塞があったところの対岸だけはな」
「城壁は一重で」
 それでというのだ。
「比較的薄く術への結界もです」
「脆いな」
「だから要塞がありました」
 そこが街の弱点であるが故にだ。
「対岸部に」
「そうだったな」
「言うならあの要塞は真田丸でした」
 源三は自分達が起きた世界の日本の話もした。
「難攻不落の城の唯一の弱点を守る出城でした」
「それでその真田丸は攻め落としたからな」
「はい、後はです」
「そこから攻められるな」
「左様です」
「じゃあそうするか」
「はい、まだ街は戦うつもりですが」
 それでもとだ、源三は久志に話した。
「流石にです」
「敵の城壁を壊すとな」
「そして上陸の動きを見せれば」
「敵も考えるな」
「そこで降伏の使者を送れば」
 そうすればというのだ。
「降る可能性があります」
「そうだよな」
「いい街だ」
 芳直も久志の傍らにいる、そこから彼に言ってきた。 
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