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夢幻水滸伝

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第百三十一話 琉球を出てその三

「狙っても出来んたい」
「それが出来るのが阪神か」
 室生は無表情になっていたが忌まわしい口調であった。
「やはり魔物とケンタッキーのおっさんのせいか」
「おいが見てもごわす」
 北原も用意をしている、バーベキュー純奈が焼いているそれの牛肉やフランクフルトそれに野菜といったものを出して彼女を手伝っているのだ。
「あっちの世界の阪神はすごかでごわす」
「それ他の国の連中も言うからな」
 中里も困った顔で言った。
「何でいつも奇跡を起こすんやってな」
「奇跡の負けでごわすな」
「それがあるんやってな、マロリーなんかな」
 イギリスの神星である彼もというのだ。
「こんなチーム他のどの国にもないってな」
「言っているでごわすか」
「それも本気で尚且つ真剣な顔でな」
「からかいでないでごわすな」
「あいつ真面目に言うてたわ」
「こっちの世界の阪神がでごわすな」
「不思議なチームやってな」 
 実にというのだ。
「不思議な負け方ばかりするってな」
「普通33-4はないでごわすからな」
「あれは特に凄かったしな」
「わしから見てもだがや」
 坂口も本気の顔で述べた。
「阪神は不思議だがや」
「魔物とケンタッキーのおっさんのせいでか」
「負けるな」
「こっちの世界では憑いてないけどな」
「そのうち憑くだぎゃ」
 坂口は本気で予言した。
「安心するだがや」
「それはないやろ」
 中里は坂口のその言葉をムキになって否定した。
「流石に」
「いや、阪神ならだがや」
「憑くっていうんか」
「阪神はそういうものも揃ってだがや」
 所謂よからぬ存在達もというのだ。
「阪神だがや」
「嫌な話やな」
「だがら近いうちにだがや」
「魔物とケンタッキーのおっさんがか」
「憑いてだぎゃ」
「ああした風になってくか」
「そしてドラゴンズを勝たせてくれるだがや」
 坂口は自分が愛するチームの名前も出して話した。
「めでたく」
「こっちの世界でもか」
「そうなるだがや」
 こう言うのだった。
「わしは待ってるだがや」
「そんなん待たんでええ」
 中里は真顔で返した。
「というか憑くなってな」
「思うだがや」
「心からな、しかしプロ野球のチームも出来て」
 中里はあらためて話した。
「レジャー産業も興隆してきたな」
「はい、いいことです」
 喜久子は日本の内政を担う者の一人として中里の今の言葉に対して寝椅子から身体を起こして笑顔で応えた。
「実に」
「そやな」
「そうしたところからもです」
「産業が興ってな」
「働く場所も出来て」
 そうしてというのだ。
「産業も栄えます」
「そやな」
「遊びはいいものです」
 喜久子はこうも言った。
「経済に、ただ」
「問題点もあるな」
「私は治安を担う者ですから」
 職業が警官であるからだ、実際に喜久子は日本の治安の責任者としてその治安維持と健全化に辣腕を振るっている。
「こうした産業にはどうしても」
「ヤクザ屋さんが絡むな」
「そうです、ですから」
「ヤクザ屋さんはやな」
「排除する様にしています」
「健全化をしていってるんやな」
「これは今の日本を見てです」
 そのうえでというのだ。 
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