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ヘタリア大帝国

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TURN38 獅子団その五

「我が国が最初にここに攻めた時な」
「ああ、大怪獣に艦隊壊滅させられたんだったな」
「そうなったんだな」
「それでだよ。原住民と交渉してな」
 それでだとだ。エイリスの軍人は同盟国の彼等に話した。
「それでな」
「植民地にしたんだな」
「そのうえで」
「共存共栄することにしたんだよ」
 エイリスにしては珍しくだ。その道を選んだのだ。
「で、今こうしてるんだよ」
「のどかに暮らしてるんだな」
「そういうことだな」
「ああ。家族も連れて来てな」
 そのうえでだというのだ。
「今ここにいるさ」
「まあここは豊かだしな」
「快適だし資源も多い」
「他の星もいい星ばかりだしな」
「最高の場所だよ」
 他の国の軍人達も話す。
「ずっとここにいたいな」
「ああ、そうだよな」
「このままのどかに楽しく過ごしてな」
「生きていきたいぜ」
「一応レポートは書いてな」
 ここでだ。エイリスの軍人がまた言った。
「大怪獣の調査に関するな」
「ああ、一応それで来てるしな」
「調査ってことで派遣されてるしな」
「じゃあ仕事するか」
「酒入ってるけれどな」
 それでもだとだ。彼等は話してだった。
 やはり飲んでいく。そしてだった。
 一応レポートも書きはする。しかしのどかなままである。それでだ。
 ソビエトの軍人がだ。ビールを片手に言うのだった。
「で、オーストラリアさん何処だよ」
「ああ、オーストラリアさんか」
「そうだよ。何処にいるんだよ今」
 こうだ。エイリスの軍人に尋ねたのである。
「さっきまで海でサーフィンやってたけれどな」
「鮫に食われたんじゃないのか?」
 オフランスの軍人はシニカルな笑みでこう返した。
「この星の海は鮫が多いからな」
「馬鹿言え、国家は鮫とかじゃ死なねえよ」
 エイリスの軍人がそれを否定する。
「というかあの人はもう総督のところに行ったよ」
「総督のか」
「あそこにか」
「そうだよ。そこに行ったよ」
 そうだというのだ。
「残念だったな」
「折角一緒に食べようと思ってたのにな」
「それは残念だな」
 ガメリカの軍人と中帝国の軍人は飲み食いを続けながら述べた。
「折角来たるべき太平洋経済圏の友人に挨拶をしようと思ったのにな」
「我々の仲間になるな」
「おい、さらっと何言ってるんだ」
 エイリスの軍人は繭を顰めさせて二国の軍人達に言い返した。
「四国はこれからもずっとエイリスの植民地だからな」
「じゃあ太平洋軍に勝てるんだな」
「あの日本に」
「当たり前だろ。日本の進撃はここで終わりだよ」
 エイリスの軍人だけはこう言う。
「何とかな」
「どうかね。まあ頑張れよ」
「俺達は日本が占領したら大使館経由で本国に戻るけれどな」
 ガメリカと中帝国はエイリスにはあくまで冷淡だった。
「あんた達は捕虜になるけれど頑張れよ」
「応援はするからな」
「御前等本当に同盟国か?」
 エイリスの軍人は最早この時点で疑問であることを突っ込んだ。
「全然助けたりしないな」
「何言ってんだ、遠慮してんだぞ」
「そうなんだぞ」
 彼等は彼等でこう返す。
「世界の大英帝国にな」
「余計な邪魔をしないようにな」
「そうは思えないがな」
 実際は彼等がエイリスの没落を心より望んでいるのは明らかだからだ。 
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