ヘタリア大帝国
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TURN38 獅子団その四
「抜群の秀才でした」
「そして努力家だったのですね」
「はい、そうです」
マカオの想像通りだった。
「常に凄い努力をされていました」
「そして軍人になり」
「陸軍長官にまで」
「帝が選ばれました」
今の帝がだとだ。日本は香港妹とマカオ妹にも話す。
「帝はその資質と気質を御覧になられて選ばれましたが」
「それでもたいな」
ニュージーランドにもわかった。その辺りは。
「家柄だけで長官になったと」
「とにかく山下家は名門なのです」
軍人の家系だとだ。日本は話す。
「陸軍の歴史と共にあるのです」
「そしてそれ故にたいな」
「そうです。代々優れた軍人の方を出しておられますが」
「それがかえって嫉妬を浴びて」
「ましてや女性ですから」
このことも要因だった。
「とかく反感を受けやすいのです」
「そしてそれが余計に山下さんを焦らせてますね」
トンガもわかった。この辺りの事情は。
「本当に難しい話ですね」
「本当にどうしたものか」
困った顔でだ。日本はまた言った。
「山下さんのお心にもう少しゆとりができてです」
「そうしてですね」
「東郷さんとも打ち解けて貰えればいいのですが」
こう台湾にも話す。
「何とかしたいですね」
「戦局にも影響しかねないですしね」
「本当に困ったことです」
日本は難しい顔で台湾達に話した。日本の困っていることの一つだった。そうしてその中で、なのだった。
日本軍は四国に向かう。その四国ではだ。
連合軍の軍人達が集まって話をしていた。その南の海を見ながら。
「海は奇麗だな」
「ああ、それにのどかだよ」
「何の憂いもないって感じだな」
「平和だよ」
彼等はのどかに羊のバーベキューを食べながら話す。
「そうだよな。世界は戦争だらけなのにな」
「本当に平和だよ」
「ここだけはそうだよな」
「すぐ傍に日本軍が来ていてもな」
「今太平洋軍だけれどな」
名前への突っ込みも入った。しかしだ。
青、黄色。緑、赤、それに紺の五カ国の彼等は本当にのどかに日々を過ごしていた。そしてこう言い合うのだった。
「なあ、それでな」
「ああ、あの大怪獣な」
「あいつだな」
「そうだよ。あれどうなんだよ」
怪獣の話になる。見ればだ。
連合国の軍人達はバーベキューとビールを楽しみながらパソコンのモニターを観ていた。観ればそこには銀河が映っていた。
そしてだ。そこには蟻、それも尻の部分が巨大な惑星になっている大怪獣がいた。その大怪獣を見て言うのだった。
「この星はこの大怪獣の一部だからな」
「ああ、凄い話だよ」
「俺達この怪獣と一緒に暮らしてるんだよな」
「こんなことあるんだな」
「有り得ないだろ」
それぞれ言い合う。普段は同盟を組んでいてもその関係は微妙な彼等だがここでは談笑に興じている。
「しかも大人しいしな」
「いや、そうでもないぞ」
エイリスの軍人がここで言う。
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