ヘタリア大帝国
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TURN37 マレー解放その九
「それ故にな」
「そうですね。福原提督ですが」
「彼女はドクツ大使館勤務だったからな」
「何とか戻ってもらいました」
こうした事情があったのだ。
「ドクツ大使館としては優れた武官を手放したくなかった様ですが」
「しかしな。彼女も優秀な軍人だ」
「それ故にですね」
「提督になってもらった。あの二人ならだ」
「十分に活躍してくれますね」
「期待している。ただ平良だが」
彼はどうかとだ。東郷はさらに話す。
「韓国さんのお気に入りだからな」
「福原提督は台湾さんのですね」
「二人がそれぞれの軍事顧問になるか」
「帝とのお話からですね」
「韓国さんと台湾さんも独立した」
太平洋経済圏の国家としてだ。そうなったのだ。日本にしても特にデメリットもなくそうしたのだ。むしろ韓国への投資から解放されて安堵している位だ。
「二国への軍事顧問が必要だからな」
「それ故にお二人がですね」
「獅子団も性質が変わったからな」
日本にとっていいことにだ。そうなったのだ。
「国粋主義的な性質が韓国や台湾と交流してな」
「かなり国際的になりましたね」
「元々正義感と義侠心が強い連中だ。それならだ」
「後は視野を広げるだけでしたからね」
「そうだ。だがな」
「だが、ですか」
「正義感と義侠心も時には問題だ」
東郷はそうしたこともわかっていた。人の良心がそれがそのままいい結果を生み出すとは限らないのである。
それでだ。こう言ったのである。
「だから彼も怪我をしたのだ」
「ああしてですね」
「確かに後ろから刺す奴は取るに足らない奴だが」
難しい顔でだ。東郷は述べる。
「そうした奴を成敗する際にもな。気をつけることだ」
「正義感や義侠心だけでは怪我をしますか」
「悪人を成敗することはいいことだがな」
しかしそれが決していい結果を生み出すとは限らないというのだ。
「そうしたことも彼には見極めて欲しいな」
「そうなりますか」
「折角筋はいいのだ」
軍人としても武人としてもだ。平良の資質は見事だというのだ。
「だからだ。自重もしてもらおう」
「何かと難しいですね」
「ましてやエイリスの植民地では貴族達が横暴を極めている」
「彼の忌み嫌う者達が多いですね」
「そうだ。非常に多い」
こう話すのだった。
「彼が怒り狂うことは充分に考えられる」
「何もないと思う方がおかしいですね」
「ハワイから来るガメリカ軍に回そうとも思ったが」
「それでもですね」
「こちらに回した。ハワイ方面は戦力は充分だ」
「だからですね」
「とりあえず自重を促す」
くれぐれもだというのだ。
「そのうえで。インドやアラビアまで進もう」
「そうしますか」
こうした話をしながらだ。彼等は平良、福原いづみの歓迎も受けるのだった。何はともあれマレーは解放されマレーシアとラスシャラが参戦することになった。日本を中心とした太平洋軍は今度は四国に入るのだった。
TURN37 完
2012・7・10
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