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ヘタリア大帝国

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TURN36 タイの提案その七

「そして植民地には全て独立してもらうわ」
「アフリカはどうするんだ?」
「アフリカね」
「エイリスはあの辺りも植民地にしているぞ」
「大丈夫よ。アラビアまで失えばエイリスにはもうアフリカを押さえる力は残っていないわ」
 ハンナは冷徹な目になっていた。戦略を見ている目だ。その目でアメリカの問いに答えたのである。
「その状況でドクツと戦うのよ。生き残ってもね」
「もう満身創痍だな」
「その状況では本土を維持するのが精々よ」
「だとすればアフリカもか」
「自然に独立するわ」
 そうなるというのだ。
「まあ。ドクツと精々潰し合ってもらうわ」
「よし、じゃあエイリスはそれでいいな」
「そういうことよ。さて」
 ここまで話してだ。ハンナは一同に述べた。
「会議はこれで終わりで後は」
「よし、皆で中国の別荘で食べるぞ」
 アメリカが笑顔でこう提案するとだ。クーが突っ込みを入れた。
「それは祝勝じゃなかったんですか?」
「ははは、それはそれでだ」
「今回はですか」
「そうだ。折角中国が来ているんだ。フィリピンもいるしな」
 それでだというのだ。
「皆で親睦をj深める為に中料理を楽しもうじゃないか」
「ではいい店を紹介するある」
 中国もそのアメリカの横から一同に話す。
「そこで皆で食べるある」
「じゃあ皆で早速行こう」
 キャロルは二人の提案に笑顔で乗った。
「ラーメンね。それ食べよう」
「私は蒸し餃子」
 ドロシーはそれだった。
「あとは北京ダックも」
「僕・・・・・・いえ私は海老炒飯を」
「どうせなら全員で満漢全席にしましょう」
 ハンナはまとめてだ。派手にこうきた。
「祖国さんにも中国さんにも。勿論フィリピンさんもね」
「僕もなんだ」
「ええ、力をつけてもらわないといけないから」 
 それでだというのだ。
「ここは贅沢に身体のいいものを多く摂りましょう」
「じゃあその店に案内するある」 
 満漢全席のある店の中でもそうした店をだ。紹介するというのだ。
「そうするあるよ」
「ええ。じゃあね」
 ハンナは中国の言葉に笑顔で頷く。ガメリカと中帝国は日本帝国の宣言に確かに驚いたがそれはそれで使えるとだ。結論を出して今は動かないことにした。
 しかし問題はエイリスだった。ロンドンの議会では貴族達が大騒ぎになっていた。
「既にインドネシアが独立したぞ!」
「トンガもだ!」
「このままではニュージーランドも危ういぞ!」
「いや、敵の主力はマレーに向かっているんだ!マレーも独立したら四国も占領されて独立だ!」
「早く日本を倒せ!」
「全艦隊を送り込むんだ!」 
 議会は紛糾していた。それは最早議論ではなかった。
 誰もが恐慌状態になり喚いているだけだった。その彼等を王族、そして国家の席から見ながらだ。マリーがイギリス妹に対して囁いた。
「もうこれじゃあね」
「はい、何の意味もありません」
「議論になってないし」
「解決案も出ていません」
「何か皆あれだよね」
 騒ぐ貴族達を見ながらだ。マリーはイギリス妹にさらに言う。
「自分のことしか考えてないっていうか」
「はい、どなたも植民地に利権がありますので」
「だからね。そのことばかり頭にあって」
「言うことはそこからです」
「そのことしかないよね」
「はい、他には全くです」
「じゃあここにいても仕方ないかな」
お言葉ですが時間の無駄です」 
 イギリス妹は言い切った。毒を含んだ言葉で。
 
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