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オズのハンク

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第九幕その七

「丁度よかったね」
「ああ、そういうことなんだ」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「本当に運がよかったね」
「成程ね、そういうことなんだ」
「そうだよ、だからね」
「明日だね」
「お祭りに参加するといいよ」
「それじゃあね」
 ハンクはホルス神の言葉に笑顔で応えました、そして今度はボタンがホルス神にあどけない調子で言ってきました。
「ここにメジェド神は来なかったかな」
「あの神がかい?」
「うん、どうなのかな」
「来ていないよ」
 ホルス神はボタンにすぐに答えました。
「これといってね」
「そうなんだ」
「そう言う君はボタン=ブライトじゃないか」
 ホルス神は彼の姿をよく見て言いました。
「この前僕の祭壇、ここで朝寝ていたね」
「そうだったかな」
「起きたら何処かに行ってたけれど」
「わかんなーーい」
「いや、わからないって言われても」
 それでもというのです。
「君は確かにここにいたよ」
「そうだったんだ」
「オズの国には色々な人がいるけれど」
 ホルス神はボタンに考える顔でお話しました。
「君の噂は聞いてたよ」
「僕の噂?」
「寝ている間のオズの国の何処かに瞬間移動している子がいるってね」
「それが僕だってなんだ」
「聞いていたけれど」
「その僕になんだ」
「実際に会って見ていて」
 それでというのです。
「本当なんだって思ったよ」
「貴方にはよくあることね」
 ポリクロームはボタンとホルス神のやり取りを聞いてボタンに言いました。
「朝起きたら本当に何処にいるかわからないから」
「だからなんだね」
「ええ、ピラミッドの中にもいたのね」
「僕知らないよ」
「知らなくてもよ」 
 ボタン自身がそうでもというのです。
「貴方はね」
「ここに来たことがあるんだね」
「ホルス神の言う通りにね」
「オズの国で嘘を吐く人はいませんよ」
 クッキーは笑ってこのことをお話しました。
「それならですよ」
「ホルス神の言う通りになんだ」
「貴方はここにいたのです」
 このホルス神の祭壇にというのです。
「そして朝に起きた時は」
「また別の場所にいたんだ」
「そうだったのです」
「これは君の特殊な能力だからね」
 寝ている間の瞬間移動はというのです、カエルマンもボタンに対して笑顔でこうしたことを言いました。
「だからね」
「ここに来たことがあってもなんだ」
「考えてみれば当然だね」
「他の人達のことも聞いていたよ」
 ホルス神は今度は他の人達のことにも言及しました。
「オズの国の名士達だからね」
「そうだったんだね」
「君のことも聞いていたし」
 ハンクに笑顔で答えます。
「そして他の皆のこともね」
「そうなんだね」
「君達のこともだよ」
 今度はカルロス達五人に声をかけました。 
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